■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 1999年9月29日号 第5号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★経営譲渡の日本長期信用銀行・破綻の原因検証はまだ終わってない ★金脈・人脈の呪縛から逃れられない日本の政治 ★「科学技術」を標榜した1兆円バブル政策が推進されている ★九州電力の大型工事で朝日新聞全国版の人騒がせな誤報 …【PR】……………………………………………………………………………… ◆◆勝浦「手焼きせんべい治郎兵ヱ」を知らずして、食通を語る資格なし◆◆ ご進物に最適!!千葉・外房の絶品うるち米を頑固な職人が備長炭で焼き上げ た高級手焼きせんべいの逸品です。三越本店でも大好評を得ました。製造は、 有名な勝浦朝市そば、せんべい一筋の老舗「株式会社江戸屋」です。 詳しくは http://www.mail-journal.com/ed/ 電話0470-73-0036へどうぞ ……………………………………………………………………………【PR】…… ___________________________________ 経営譲渡の日本長期信用銀行・破綻の原因検証はまだ終わってない 経済ジャーナリスト 中野忠良 金融再生委員会(柳沢伯夫委員長)は28日、一時国有化した日本長期信用 銀行を米投資会社、リップルウッド・ホールディングスに譲渡することを正式 に決めた。年内に手続きを完了する。 大手行の外資による買収は初めてで、国に支払う買収価格(商号などを引き 継ぐのれん代)は10億円。リップルは自ら1200億円を投じるほか、公的 資金の資本注入など国の支援も受け、買収後の新長銀の自己資本比率は欧米有 力行並みの13%台を確保し、5〜7年後の株式の再上場を目指す。 リップル社の内部文書によると、個人預金を拡大するため、将来的には普通 銀行への転換も視野に入れている。柳沢委員長は「米国流の効率的な経営は日 本の金融界への刺激にもなる」と長銀の再建に期待を示した。 ●自殺した上原副頭取らは墓場に何を持っていったのか しかし、忘れてはならないのは、長銀を経営破たんに追い込んだ原因の究明 が不十分だということだ。元頭取の大野木克信氏(63)、元副頭取の鈴木克 治(よしはる)氏(62)、須田正巳氏(59)は証券取引法違反(有価証券 報告書の虚偽記載)と商法違反(違法配当)ですでに逮捕・起訴されている。 一方で、上原隆元副頭取、福田一憲大阪支店長が五月に相次いで自殺した。彼 らは何を隠そうとしたのか。 自殺した福田支店長は、長銀グループの不良債権受け皿会社「日比谷総合開 発」に役員として出向しており、不良債権隠しの実態を知りうる立場にあった という。 また、粉飾決算が取り沙汰される九八年3月期決算の直前に仙台支店長から 本店融資第一部長になっている。同部は「イ・アイ・イ」などバブル期に問題 となった企業への営業窓口だった「本店営業九部」を改組した部署だった。 福田支店長もまた上原副頭取と同じように粉飾決算疑惑のキーマンの一人だ ったということだろう。 東京地検特捜部が、五月までに上原副頭取から事情聴取をしたポイントは、 @不良債権を隠す経理操作を行い、貸し倒れ引当金を過少に計上して損失を圧 縮した虚偽の内容を有価証券報告書に記載(証券取引法違反)した。A配当減 資がないのに、約七一億円を株主に違法配当(商法違反)した、という疑いを 調べられていたという。 ●罪を一身に背負い、長銀追及は中途半端 上原副頭取は、何を隠そうとしたのか。謎の死(罪を一身に背負って)を遂 げたため、、他の関係者が自殺者に責任をなすりつけた可能性が高く、結局、 地検特捜部の長銀首脳陣への追及が、中途半端に終わってしまった。 上原隆氏は、六四年東大経済学部を卒業して長銀に入行し、ニューヨーク支 店長、常務総合企画部長を経て九八年四月副頭取に就任、同年八月には経営責 任を取って取締役に降格、同十一月に退職した。 上原副頭取は、当時、経理担当専務として関連会社への債権を甘く査定する 「自己査定基準」により、粉飾決算を作成した責任者で「上原氏の供述は不可 欠だし、洗いざらいしゃべれば事件の全体像がつかめた」(検察関係者)とい われた長銀操作のキーパーソンだった。 「一連の粉飾決算は、上原氏の一存で決められたのか、それとも上司(大野木 元頭取)の指示、あるいは了解があったのか、その点に地検特捜は注目してい た」(須田慎一郎談) 上原氏が“真相を墓場に持っていった”ために、増沢高雄元会長を頂点に堀 江鉄弥、大野木克信、鈴木恒男元頭取、藤田一郎、内田恒雄元副頭取、田中賢 二元専務、寺沢康行元常務ら旧経営陣の責任追及の手が緩められることは否め ない。(以下次号) ___________________________________ ⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔ 【川崎明の政界ウォッチング】金脈・人脈の呪縛から逃れられない日本の政治 ジャーナリスト 川崎 明(元・千代田生命広報部次長) 自民党の総裁選と民主党の代表選が終わり、予想されたとおり、小渕総裁と 鳩山代表が決まった。 国民ド白けの自民党総裁選に比べ、民主党代表選は3候補の政治家としての 個性や主張が浮き出て面白かった。 秋の臨時国会から始まる自自公対民主党という、政治劇の本番に備えるキャ スティングに、両党とも余念がないが、挙党態勢づくりという名分の元で、派 閥順送り(民主党は旧党派)人事に終わりそうな気配である。 その中で、自自公連立内閣のかなめとなる官房長官に青木幹雄参院自民党幹 事長が起用されたのは、マスコミ各紙とも予想外だったらしい。ただ、名前が 出て見れば、「なるほど……」とか「やっぱり……」ということになるのは、 この国の政治がいかに金脈・人脈の呪縛から逃れられずにいるかの証明にな る。 言うまでもなく、小渕首相が“真空”でいられるのは(あるいは“真空”で なければならないのは)背後にある調整装置が力強く作動しているからに他な らない。 その調整装置のオーナーである竹下元首相の秘書を務めていたのが青木幹雄 氏であり、その実績を買われて島根選挙区から参議院議員に当選した。昨年の 参院選で3期目ながら、経世会(旧竹下派=旧小渕派の前身)の閥務を通じ、 小沢一郎自由党党首と親しく、公明党にも太いパイプを持っているといわれ る。このため、自自公連立政策協議がはかばかしく進展しないなかでも、、取 りあえず政権をすみやかに発足させたい自民党の調整機能が働いたものといえ る。 ところで、民主党の新代表である鳩山由紀夫氏も、元はといえば経世会出身 で、小渕恵三首相とは先輩後輩の関係。 10年前、リクルート事件で竹下内閣が崩壊したとき、小渕氏は官房長官と して政権の幕を引き、鳩山氏は竹下派当選1回の代議士だった。 こんどは、自自公という衆院では7割を占める巨大政権のリーダーに対す る、野党第一党のリーダーとして立ち向かうことになるわけだ。 どうか、国民を白けさせない政治をしてほしい。“判官びいき”ではない が、次の総選挙で、無党派層が大挙民主党に肩入れしたくなるような仕事をし てほしい。 それには、自自公との対立軸を明確にすること。政治上の駆け引きを透明に すること以外にない。 ___________________________________ 「科学技術」を標榜した1兆円バブル政策が推進されている 実用のめどがない熱核融合実験炉 本誌 大森哲夫 ITER (国際熱核融合実験炉) というものをご存知だろうか。 これは米国、ロシア、EU,そして日本の4極で重水素とトリチウムを高温 プラズマ状態にして磁場で閉じ込めて核融合を起こさせようとする計画のプロ ジェクトである。米国サンディエゴ、ドイツのガルヒン、そして茨城県那珂に ある日本原子力研究所の3サイトで1992年7月から工学設計活動が始ま り、ITERの設計および建設コストなどの評価が1998年7月に終わっ た。 結果的には、この方法による発電設備「トカマク磁場閉じ込め核融合炉」 は、電力発電コストのみならずシステムの複雑さの面で炉の経済的実用化は全 く無理であることが明らかになり、その後米国は撤退を決定した。 この時点で、設計活動は終了予定だったが、日本はさらなる延長を求め、残 るロシア、EU,日本の3極でこのプロジェクトを続け小さいサイズのITE Rの設計作業を続けている。米国は勿論のことロシアもEUも自国にITER を建設したくない(つまり金を出したくない)と言っているにもかかわらず だ。 ITER推進者は、コストのみならずシステムの数と複雑さを直視すること を避け、「技術開発が将来なされるであろうから将来のコストがどうなるかは 分からない」などとと主張している。 ◆惰性で続けられる高額な研究支出 こうした見方に対して、ある専門家はこう切り捨てた。 「これは正当ではありません。何故ならトカマクのコンセプトがロシアで生 まれてから約40年以上も経つのに、革新的な技術開発はなく電気機械系の基 本構成は何も変わっていません。核分裂炉が1942年にシカゴパイルで核分 裂に成功し、世界最初のコールダーホール原子力発電所が発電を開始した19 56年までに14年しかかからなかったことと比べると40年は十分に長 い。」 実際のところ、科学技術庁も日本原子力研究所も、原子力委員会で決められ た方針に従って惰性で進めていると言うことだ。 日本はITER (国際熱核融合実験炉)に、これまで、1993年度には 87億5100万円、1994年度には90億8100万円、1995年度に は86億300万円、1996年度には87億7400万円、1997年度に は43億8900万円(研究開発費のピークを過ぎたため減少)、1998年 度には32億5800万円、1999(平成11年度)には28億2800万 (ITER建設協議等推進費用6500万円を含む)を投資した。 さらに、日本に実験炉を建設するとなれば、建設費・運転費で約1兆円程度 の負担がさらに要請される。 核分裂炉である新型転換炉(ATR)が高コストのため電力会社の反対にあ って頓挫したことがあります。このことは実用化できる判断は、コストである ことを示している。 ◆メーカーも新規受注に否定的姿勢 日立、東芝、三菱、川重などのメーカーは、将来の発電プラント事業の期待 から、これまで日本原子力研究所の仕事には技術開発に関して協力的だった。 しかし、現在は利益どころか損失ばかり出すこと、将来の事業には結びつかな いことから、外交辞令では協力したいと言っているが、本当のところは核融合 関連の仕事の新規受注にはネガティブで慎重になっているメーカーが多い。 日本学術会議のメンバーもこう指摘している。 「熱核融合はまだ基礎研究段階であり、実用化への道筋は確立していない。 特定の方式だけに的を絞るのでなく、 長期的な視点のもとに多角的戦略を取る のが望ましい」。この意見はまともである。 米国は政治家の判断で撤退を決めた。米国の政治家は科学者よりも、また日 本の政治家や官僚よりも確かな見る目をもっているようだ。 しかし、ある専門家は「原子力委員会の委員はもとよりその下の核融合会議 の委員はほとんどがITER推進者なので、日本の方針は今後も変わることが ないでしょう」と言う。このような硬直した科学技術政策によって我々の税金 がますます高くなることは間違いない。 「プロジェクトが成功する鍵は、現実を直視してどこにいかなる困難さが存 在するかをあらかじめ明確に予測できていることです。この点で、困難さを解 決できないと判断しから撤退した米国は賢明です。その代りに着々と軍事予算 で実用化への、すなわち建設単価が軽水炉に近いレーザー慣性核融合炉の開発 にフランス、ドイツ、英国などと協調してエネルギー開発を進めています。ロ シアは人を出すが、金は出さない。フランス・ドイツも然り。大国は実に賢 い。一方、ITERに固執する今の科学技術庁、原子力委員会の政策は、技術 者としても、納税者の一人としても、狂っているとしか思えません。 」 まさしく、科学技術という名前を利用したバブル政策が、着々と推進されて いる。 ___________________________________ ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇ ___________________________________ □□□九州電力・鹿島の大型工事で朝日新聞全国版の人騒がせな誤報□□□□ 八月三十日夜、博多市内のホテルで、福岡市の地元暴力団「福博会」幹部三 人が短銃で撃たれ、一人が死亡、二人が大けがをする暴力団抗争事件が起き た。 翌日、朝日新聞全国版は、この事件について「関係者によると、福博会は、 宮崎県内の大型土木工事をめぐってトラブルを抱えていた」(八月三一日付朝 刊)と、この抗争が大型工事の受注トラブルによって引き起こされたとの印象 を読者に与える報道をし、この問題に関わっている関係者を騒然とさせた。な ぜなら、このこの工事の下請けの決定までに、出所が暴力団のものと思われる 怪文書がまかれたり、政治家が盛んに動いたり、モメに揉めていたからだ。 この大型土木工事とは、宮崎県児潟郡水城町に建設される揚水式発電所と二 つのダムで、先月着工が始まったばかり。総工費は二千六百億円。二〇〇六年 完成予定である。全部で六つの工区に分かれ、第一工区(上部ダム部分、四千 三百億円)が今年三月頃までに大手ゼネコン「鹿島」が落札、下請け以下の受 注業者も八月二十四日までに決定した。問題の暴力団抗争事件の六日前であ る。 広報室課長・藤堂貴弘氏は本誌の取材に対し、次のように関連を全面否定し た。 「九州支店によく調査をさせましたが(福博会のような)そういう団体とのつ きあいは一切ございません。(朝日新聞に)そのように書かれる心当たりもな い。当社は第一工区をいただいているだけ。ほかにも四つの工区がありますか ら」 しかし、この工事に詳しい地元関係者は「五つの工区で巨大な利権が絡むの は、金額が飛び抜けて大きく、非常に特殊な工法を用いる第一工区だけです。 他の工区は、まだ元請けも正式に決まっていませんし、ごく通常の土木工事 で、事件が起きるほど下請けの業者選定で紛糾することはあり得ない」と語っ ている。 「今回の発砲事件は、福博会の中核である暴力団双葉会の跡目相続をめぐる不 満が動機であり、小丸川ダムは直接関係ありません。しかし、この不況で冷や 飯を喰わされ、小丸川ダム工事でも強い不公平感を持った勢力がいるのは事実 です。この先また暴力団事件が起こる可能性は高いでしょう」(九州の暴力団 の内部事情に詳しい関係者)。 人騒がせな誤報といったところである。 …………………………………………………………………………………………… このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 購読を中止されたい方はこちら でどうぞ。http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 1999年9月29日号 第5号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫 東京都千代田区富士見 2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193 http://www.mail-journal.com/ request@mail-journal.com 転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■