■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 1999年11月10日号 第11号 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★神戸製鋼所・総務担当専務が摘発さる/川崎製鉄総務担当者が自殺 ★介護保険を政略にする政治屋の思惑/「家族道徳の美風」の裏の本音 ★JTとの合併が囁かれるサッポロで枝元社長が“途中降板”の無念 ★知られざる業界「興信所、探偵社」/会社ゴロ、恐喝屋的な業者が増えた ___________________________________ 神戸製鋼所・総務担当専務が摘発さる/総会屋奥田一男に3000万利益供与 川崎製鉄総務担当者が自殺 ジャーナリスト 佐藤 進 大阪府警捜査四課は、11月9日、神戸製鋼所の総務担当専務(58)が総 会屋・奥田一男(57)に、株主総会を円滑に運営するため現金3000万円 を渡していたとして商法違反(利益供与)の容疑で摘発、同専務と平成9年3 月当時の総務担当幹部ら3人を書類送検することになった。 奥田容疑者は、大阪市内の喫茶店で当時の総務部副部長から現金を受け取っ ていたという。奥田は、小西六写真工業(62年1月)日本合成化成(平成2 年4月)それぞれ株主総会の工作資金として現金を受け取り逮捕された経歴が ある。 また、神戸製鋼所は、奥田以外の総会屋(52)と右翼団体会長(57)に も川崎製鉄、川崎重工から総会対策として現金を拠出するように要請し、現金 数百万円をとりまとめ、大阪市内の飲食店などで渡していた疑惑も浮上してお り、現在、捜査中という。 奥田は大阪市出身で、高校を卒業後、関西を中心に活躍していた大物総会屋 ・谷口勝一(故人)に師事し、総会屋として活躍するようになった。 本誌では早くから情報をつかみ、先週、神戸製鋼所神戸本社をスタッフが取 材した。広報部の係長が対応したので、総会屋への利益供与、右翼団体との関 係、事情聴取の有無、などを質問した。「担当者がいないので分かりません。 後日お答えします」と語ったが、11月9日まで回答がなかった。 なお、大阪府警がこの捜査で事情聴取した川崎製鉄総務部(当時)の山根秀 部長(59)は、今年10月中旬、福岡市内で地下鉄に飛び込み自殺してい る。 川崎製鉄広報室・中村弘一室長は本誌の取材に対し、「急に亡くなられたと は承知しているが、自殺かどうかは広報室としては聞いていません」。Y氏へ の警察の事情聴取について「会社としては、把握しておらず分かりません」。 総会屋への利益供与については「ないと総務部から聞いているので、ないと信 じています」などと答え、今後の社内調査については「考えてない」と語って いる。 ___________________________________ ⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔ 介護保険を政略にする政治屋の思惑/「保険か税か」「家族道徳の美風」議論 の裏の本音 ジャーナリスト 川崎 明(元・千代田生命広報部次長) 介護保険制度の問題で、「保険方式」がいいのか、「税方式」がいいのかと のお尋ねがあった。お答えしよう。 だが、その前に共通認識として事実の確認をしておこう。 ●政府の特別対策により自治体は大混乱 1,政府は5日、自自公三党の「強い要請を重く受け止め」た結果として、保 険料徴収の凍結や家族介護慰労金などの支給で、1兆円の赤字国債を発行する ことにした。まさに選挙目当てのバラまきである。 この借金はいずれあとで国民が払わなくてはならないということだ。 2,約30年後、この国は3人に1人が65歳以上という世界一の高齢社会に なる。 介護する側になるか、される側になるかは分からないが、「介護という社会 問題」に関わらないですむ国民は1人もいないということだ。 3,たしかに、来年4月に発足する介護保険は問題だらけだ。だが、全国の市 町村は何とか準備を整えようとしてきた。政府の特別対策はこれを無視して決 められ、大混乱を巻き起こしている。 4,現行の介護保健法の財源を見ると、保険料と税金が半々。これは、審議会 での激論を踏まえた日本的折衷案だったのだ。 ●〔保険方式〕市町村のやる気と力量で格差 国民一人ひとりにとって負担感がある。だから支払うことによる権利意識は 強まる。義務を果たすことによる権利の取得、これは戦後のこの国の社会保障 制度を始めとする、国をまとめる諸制度の根幹をなす思想だ。公的年金や医療 保険などの社会保険制度は、国民皆保険という、世界に冠たる相互扶助体制を つくりあげた。 介護保険制度では、保険者が国ではなく市町村だということが根本的な違い だ。 被保険者の権利意識は国よりも市町村に向けられる。自治体の行政を変質さ せ、地方分権を推進する可能性がある。 市町村のやる気と力量で、住みやすさに格差がつく時代を迎えるということ にもなる。 ●〔税方式〕所得の再配分という側面も 社会保障の費用は国が負担するというもの。だが、財源の税金は国民の負担 である。高所得者が高い税を払い、低所得者・社会的弱者を支えるという意味 では所得の再配分という側面もある。 しかし、社会保障の根幹を社会福祉が支える構図はお上(カミ)の力を示す “措置制度”の強化に逆戻りする可能性がある。 より高度の福祉水準を求めれば、それは増税と引き換えになる可能性があ る。 ただ、公的年金における基礎年金のように、すべての国民に公平な給付を原 則とするナショナル・ミニマムを設定するには、全額税方式が望ましいともい える。 ●「介護の社会化」と「地方分権の推進」 「保険方式」でも、財源不足や格差の調整は税に頼らざるを得ないこと。 「税方式」といっても、現在の税収では財源不足であり、消費税の増額が見え 見え。所得の捕捉率や節税と称される巧妙な脱税などにより負担の公平は期し 難い。このため、どちらをとるにせよ賛成と反対は消えてなくならない。 これで分かるように、介護制度の問題は「保険」だ「税」だにあるのではな い。 政府は「税」にこだわる自由党の反対にもかかわらず見切り発車した。で も、自由党が連立を離脱する兆候は見られない。 自民党内などにもある保守再編をプロデュースしたい人々にとっては、この 連立による政権の維持こそが唯一最大の命題なのである。 「子が親を介護する美風」という根拠に乏しい思いつきが、重度の要介護者 をかかえる家族にとってどれだけむごい仕打ちになるか… そんなことより「介護の社会化」や「地方分権の推進」を阻止することに血 道をあげる政略亡者たちがうごめいていることを確認しておきたい。 (以下次号) ___________________________________ ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇ JTとの合併が囁かれるサッポロ/枝元社長が“途中降板”の無念 本人は「引責辞任」の見方を否定 経済ジャーナリスト 中野 忠良 経営苦境でJT買収説まで流れているサッポロビールが、10月22日、枝 元賢造社長の辞任を発表した。枝元氏は2001年3月末まで任期があり“途 中降板”は「引責辞任」とみられる。ただ本人は、業績不振の責任をとってや める点については否定。岩間辰志常務が次期社長に昇格するが「2000年は 総反撃の年」とし、黒ラベルと並ぶ新製品を発売し拡大基調に乗せたいと語っ ている。 サッポロは主力商品の黒ラベルが不振で、98年のビール(発泡酒を含む) シェアは、16.0%と創業以来最低に落ち込んだ。99年6月中間決算も大 幅な減収減益決算でキリン、アサヒとの格差が拡大「枝元体制はもう限界」と ささやかれていた。 枝元社長は“営業のエース”として登場、万年2位からの脱出を試みたが、 おとなしい社風を改革できず、工場閉鎖、人員削減などリストラを進めるにと どまった。 いったん守勢に立った場合の巻き返しは、普段の2倍、3倍の力が必要で、 サッポロの起死回生は2000年発売の大型新製品がカギを握ることになろ う。 ___________________________________ 知られざる業界「興信所、探偵社」その実態は(2) 総会屋や会社ゴロ、恐喝屋的な興信所や探偵社が増えた 中野 忠良 日本における興信業は、前号で紹介したように、明治25年以降創業され約 106年の歴史があるわけだが、草創期の興信業は人々から嫌忌された。 各興信所とも「商業上の信用を増進せしめ、経済を振興するに不可欠な機 関」としていたが、江戸時代の隠密、公安スパイか、明治の初めに起きた自由 民権運動の復活、機密探偵と名付けられた物騒な男たちが、市民を尾行した り、監視したこともあって、調査員に対する不快感がぬぐえなかったのであ る。 割り合いに理解のあった問屋筋でも、興信所の調査員が髭を立て洋服を着て 店先に座られては、官憲に何か取り調べを受けているようで世間体が悪いと言 われた。 露木まさひろ著「興信所」(朝日新聞社刊)には「仕方がないので当時の外 交は皆髭を落とし角帯の着流しで、一見商家の番頭風に化けて仕事に回った」 と書いてあるが、いまでいう総会屋や会社ゴロ、恐喝屋的な興信所や探偵社が 増えたことも市民のひんしゅくを買った一因だったのである。(以下次号) …………………………………………………………………………………………… このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 購読を開始または中止されたい 方はこちらでどうぞ。http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 1999年11月10日号 第11号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫 東京都千代田区富士見 2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193 http://www.mail-journal.com/ request@mail-journal.com 転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■