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    週刊メールジャーナル 1999年11月17日号 第12号
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★東京相和銀行が大物政治家を伊豆の超豪華「淡路ホテル」でクルーザー接待
★今日、審議入りの年金制度改正法案でまたも国民不在の政争続ける自自公
★産業廃棄物の建設汚泥で大規模農地造成「名島産業建設」の呆れたモラル
★知られざる業界「興信所、探偵社」/“伊達事件”で名を上げた岩井三郎
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東京相和銀行が大物政治家を伊豆の超豪華「淡路ホテル」でクルーザー接待
長田会長の立件で威信問われる警察・検察/経済ジャーナリスト 中野 忠良

 今年6月に経営破綻した東京相和銀行は、長田庄一前会長がファミリー企業
への多額融資を行って銀行を私物化していたことが明らかになっており、同行
の中堅幹部の自殺も先月2件相次いだ。(11月3日号で既報)
 旧経営陣の刑事責任が追及の焦点になっているが、東京相和の場合も長銀、
日債銀と同様に、東京地検特捜部と警視庁捜査二課とが捜査をめぐって張り合
ってきた。
 長田前会長は複数の政治家に対して大口・特殊貸付などで便宜をはかり、親
しく交際していたが、最近になってグループ企業の「富士エースゴルフクラ
ブ」や「淡島ホテル」で大株主の都市銀行から紹介された与党の大物政治家を
接待していたことがわかった。
 伊豆半島にある淡島ホテルは長田前会長の三男が社長をつとめており、これ
までフランスのシラク大統領や橋本龍太郎元総理などが同ホテルを利用してい
た。一泊80万円、クルーザーで送迎、ホテルの外壁は大理石張りという超豪
華ホテルという。
 「与党の大物政治家が長田の延命に動いた」といわれるが、この政治家は誰
なのか、長田前会長の「特別背任」容疑は立件されるのかどうか。これだけ銀
行を私物化し破綻を招いた張本人を罰することができず、闇から闇にほうむら
れるようでは、検察、警察の威信が問われよう。

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今日、審議入りの年金制度改正法案でまたも国民不在の政争続ける自自公
         ジャーナリスト 川崎 明(元・千代田生命広報部次長)

 前回指摘したように「保険だ」、「税だ」は公的介護制度に関するかぎり、
本質的な論議ではなく、連立3党の面子を「立てる」「立てない」の政争の具
にすぎなかったことがますますはっきりしてきた。
 おひざ元の自民党内の異論はもとより、全国12の政令指定都市市長会、全
国町村会などなど、地方行政の首長団体が相次いで「遺憾」声明を出したこと
でも明らかだ。
 このバラバラ連立ではますます国民の信を無くすという危機感が、自由党の
自民党復党論議の背景にある。
 しかし、どのような手練手管をとろうとも党利党略が見え見えでは、もう国
民を納得させることはできない。

      ◆国民生活にきわめて重大な法案が異常な扱い◆

 ところが、また、国民生活にきわめて重大な影響をおよぼす政策案件の審議
が、始まろうとしているのだ。
 11月17日、衆院厚生委員会で年金制度改正関連法案が審議入りするので
ある。
 この年金関連法案は、さきの通常国会で、まったく審議されないまま、継続
審議の扱いになるという、異常な事態におかれていたものだ。
 年金制度は5年毎に。年金財政を再計算することが法定されており、その結
果必要があれば制度改正されてきた。
 臨時国会まで採決が先送りされたことはあったが、通常国会でまったく議論
されない事は1度もなかった。まさい異常な事態だった。
 今度の年金改正は、給付の抑制をねらいとしたものだが、それだけでは国民
の納得を得られないとして、基礎年金(国民年金)の国庫負担を3分の1から
2分の1に引き上げる内容が盛り込まれている。しかし、その財源についての
論議と、保険料凍結期間などの結論は先送りされたままなのである。
 いわずもがな、国庫負担の財源で「税」を主張する自由党と「保険」にこだ
わる自民党・厚生省とが結論を先送りとしてきた経緯がある。
 厄介なことに、3党による連立政権協議の際、公明党の主張に配慮しすぎた
自民党に対し、“自自合意に反する”と自由党がかみついた場面があり、さら
に結論は遠のいている。
 この状態のまま審議入りすれば、またもや「保険だ」、「税だ」の党利党略
論議に陥るのは自明である。

      ◆政策課題は以下の5点。早急に審議し実現せよ◆

 これ以上国民不在の議論はやめてもらいたい。
 介護制度も国民生活にとって重大な政策課題だったが、公的年金はそれ以上
に重大な政策課題だ。
●国民の多数が老後生活に深刻な不安を抱いている今、ナショナル・ミニマム
(国ができる最低限の生活保障)を早く明確にすべきである。
●国民年金の空洞化(被保険者の3分の1が保険料を払わない、払えない)を
これ以上広げない方策を考えよ。
●世界に類例を見ない3号被保険者(サラリーマンの専業主婦)と女性の1号
被保険者(自営業などの妻と自立をめざして働いている主婦など)との利害を
調整する方策を考えよ。
●公的年金制度の不備から市の年金担当者を刺殺したとされる平塚事件(平成
11年5月28日発生)を教訓とした社会保険制度の見直しが必要だ。
●介護保険料を凍結するより、すべての国民が介護保険料ぐらいは支払うこと
のできる、公的年金のナショナル・ミニマムを設定すべきである。
 このように考えてみれば、基礎年金(国民年金)の財源は目的税化間接税と
することが必然である。
 給付と負担の水準は国民自身が選択すればよいのであるから。(以下次号)

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産業廃棄物の建設汚泥で農地を大規模造成「名島産業建設」の呆れたモラル
「キューサイの青汁」が風評被害を受ける   ジャーナリスト 佐藤 進

 産業廃棄物業者のモラルはここまで堕落している。
 建設現場から排出された有害な産業廃棄物が、平成八年九月までの一年半に
わたって、福岡県宗像郡福間町舎利蔵字浦尻の農地改良工事の埋め立て土壌と
して大量に不法投棄された。その畑は現在休閑地となっているが、すぐとなり
の畑では「キューサイの青汁」に使用する「ケール」と呼ばれるキャベツのよ
うな野菜が栽培され出荷されている。
 極めて悪質な産業廃棄物不法投棄事件として問題になりそうである。

●産廃トラック行き交い、不気味な看板

 福間町舎利蔵・本木は「キューサイの青汁」原料ケールの産地である。しか
しながら周辺は、産業廃棄物を積んだトラックがひんぱんに行き交い、「産業
廃棄物での埋め立てはやめましょう/福間町」と書かれた不気味な看板が目に
付く。ある地元住民はその看板を指さしながら「このへんの人は誰もキューサ
イの青汁を飲みません。他県の親戚にも『絶対に飲まないように』と言ってま
すよ」と語った。
 農地改良工事が行われた舎利蔵字浦尻の土地は、地元の地主が所有する谷間
状態だったが、付近の産業廃棄物処分場を経営する「名島産業建設」が平成六
年四月に無償で借り受け、農地改良工事として平成八年九月までに谷間を埋め
立てて農地として地主に返還した。

●「ただの土を捨てる」と表向き届出

 その名島産業は表向き、「産業廃棄物処分場の拡張工事で排出される残土を
その谷間に捨てる」と県に届け出ていた。
 しかしながら、同社に当時勤務していた複数の関係者の証言によれば実際に
は、産業廃棄物として管理型の処分場に処分しなければならない建設汚泥を捨
てていた。その数量は関係者の推測によれば、十トントラック約五千台分、約
三万立方メートルという。
 建設汚泥とは、建設現場から排出される有害なドロである。
 ビルなどの大規模建築物の基礎工事で地面や岩盤に穴を空けてコンクリート
を流し込んだり打ち込んだりする際に、ベントナイトという強アルカリ性の薬
品を流し込んで土を泥状にする。この作業で発生した泥は、見かけは普通の泥
と変わらないが、アルカリ性が非常に高く、触ればやけどのようになることも
ある。また、工場跡地の建築工事などで毒性の高い泥や土が出る場合もある。
そうした建設汚泥は、産業廃棄物処理法で勝手に捨てることが禁じられ、廃棄
物として管理型の処分場に処分しなければならない。
 株式会社キューサイ(本社・福岡市)では不法投棄の実態について「全く知
らなかった。すぐに徹底的に調査して、問題があればその農家との契約を打ち
切りたい」(管理本部長・大石博明氏)と語っている。

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知られざる業界「興信所、探偵社」(3)“伊達事件”で名を上げた岩井三郎
終戦直後、素性知れない探偵社乱立に苦慮したGHQ     中野 忠良

 明治時代、興信・探偵業界で総会屋や会社ゴロ、恐喝屋的な業者が増えた中
で、表街道を1人歩いたのが岩井三郎である。彼は檀一雄の小説「夕陽と拳
銃」のモデルになった明治42年の“伊達事件”を解決し、弁護士会や上流社
会の間で名を広めた。
 それは東京筑地明石町で、不良少年グループの番長格・三笠錦三が何者かに
ピストルで撃たれ、逃亡した犯人が貴族院議員・伊達男爵の令息・伊達順之助
とわかって騒然となった事件である。伊達少年も暴れん坊で有名だったため、
裁判所は重罪を宣告した。伊達家の弁護士が岩井を説き伏せて、岩井は七カ月
をかけて三笠の経歴、犯歴、行状、事件当日の実況などを調べつくし、上告の
審判を待つばかりの頃、伊達少年の正当防衛を立証した。
 岩井は今日のロッキード事件に匹敵する「シーメンス事件」(大正2年10
月)をも解決し、その名前は全国に轟き渡った。
 昭和20年、敗戦。以後5年間に探偵社や興信所がどっと増えた。再建組に
加えて、なすことのない復員兵や旧特務機関員、公職追放となった憲兵、大陸
浪人、前科者などが、こぞって探偵となったのである。戦後すぐ引退した横綱
男女ノ川までが、三鷹で探偵社を開いたほどだった。
 当時うぶ声をあげた探偵社と興信所は、古参や新興を含めて東京が約100
社、全国で200社に達し、それら素性の知れぬ調査機関に苦慮したのが、実
はGHQだった。(以下次号)

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週刊メールジャーナル 1999年11月17日号 第12号(水曜日発行)
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