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    週刊メールジャーナル 1999年12月15日号 第16号
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★最近、国会は異常だ/中立であるべき院内職員が強行採決で与党議員と共謀
★巨額負債で再建中の西武百貨店とそごう、3銀行統合の余波で大型合併か
★神鋼・総会屋事件3/根深い裏世界との癒着/社内権力闘争と児玉誉士夫
★興信所・探偵社6/学生の思想調査で需要急増/帝国データバンクの登場
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最近、国会は異常だ/中立であるべき院内職員が強行採決で与党議員と共謀
身振り手振りの合図で着席と起立を指揮     ジャーナリスト 川崎 明

 臨時国会を「年金空転」させた先月26日の衆院厚生委員会での強行採決の
ウラには、実は、衆院事務局の連立与党に対する非常識な荷担があった。
 当日の委員会の強行採決の様子は、NHKニュースなどでも流されたが、江
口一雄厚生委員長(自民党)が立ったままマイクを握って何ごとか怒鳴り、社
民党の女性議員が伸びあがって委員長の口を押さえ、その周りには衛視が立
ち、さらに外側には野党議員が殺到し取り囲まれてモミクチャにされている状
態が放映された。だが江口委員長の声や怒号などの音声は、ニュース番組では
音量が絞られ、臨場感はテレビ放送では伝わってこなかった。
 ところが筆者は機会あって最近、この状況を委員会室全景にわたって撮影し
た院内ビデオを見ることができた。そこには、驚くべき異常な光景が写し出さ
れていたのである。

●議員は一斉に女性の合図に従う

 それは、国会事務局の職員(衆院委員部所属か)と思われる女性の不審な行
動である。
 この女性は始め、大混乱の委員長席をのぞき込みながら腰をかがめていたの
だが、クルッと振り返って委員席の方に走り寄ると、立ち上がって拍手をして
いた自民党議員らに向かって着席するよう手振りで合図した。すると自民党議
員らは、その合図にあわせてパタパタと着席した。
 しばらくすると、今度は委員席の前でしゃがみ込んでいた女性が、目配せを
しながら立ち上がると、その合図にあわせて、自民党議員が一斉に立ち上がっ
たのである。
 この瞬間、“起立多数で可決”となったらしい。
 その直後、女性職員は出口の方に走り去っていく。自民党議員らも後を追う
ようにゾロゾロと退室していった。
 本来、国会職員は公正中立な議会運営をすべきだ。強行採決で特定党派の議
員に対し身振り手振りの合図で「指揮」し便宜をはかるようなことは許されな
い。
●民主党・原口一博氏も予算委で追及

 この問題について、7日の衆院予算委員会の質疑の中で原口一博議員(民主
党)も次のように取り上げた。
「本来は中立であるべき委員部の職員が、国会議員の前に出て、そして、立っ
て下さい、座って下さい、そういうことをやっている。これは、国会が始まっ
て以来のことですよ。こんなことが許されていいんでしょうか」
 答弁に立った青木幹雄官房長官は「そのようなことは絶対ないと信じてい
る」と否定した。与野党の野次騒然の中、島村宣伸予算委員長が「本当なら大
変。私から早急に事務局に調査させます」ととりなして、その場は収まった。
 筆者はかねてから本誌で、この年金法案がさまざまな矛盾や問題点を5年後
まで先送りするもので、国民が安心して暮らせる年金の将来像を全く示してい
ないことを指摘してきた。
 これほどの重要法案が、国民の存在を全く無視した、このような異常なやり
方で可決・成立されていくのは、全く許し難いことだ。(以下次号)
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この問題に関する原口一博氏の予算委員会発言の全容を以下にアップしました
http://www.mail-journal.com/shiryo/1207yos.htm

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巨額負債で再建中の西武百貨店とそごう、3銀行統合の余波で大型合併か
怪文書にも襲われる/両社の裏事情    経済ジャーナリスト 中野 忠良

 「西武百貨店とそごうが合併する」という声が金融界筋に流れている。西武
百貨店は第一勧業銀行、そごうは日本興業銀行がメインバンクである。両社合
併の噂が出たのは、興銀、富士、一勧の三行が統合すると明らかにされた8月
19日以降のことである。
 西武百貨店は負債が2兆5000億円、そごうは有利子負債が1兆7300
億円で、ともに主力銀行が中心になって会社再建と取り組んできた。

      ◆水島広雄会長の拡大戦略失敗で興銀のお荷物◆

 「西武とそごうは経営再建中だが、とくに問題があるのは、そごうです。国
内だけで1兆4000億円もの有利子負債を抱え、計画通りの返済ができない
状態にある。銀行の関心はそごうが本業で立ち直れるかどうかにある。そごう
は多店舗展開を続けた上に、商品戦略に失敗し、リストラや支店閉鎖をしても
再建の見通しは立たない。そこで注目されたのが西武百貨店です。セゾングル
ープはリゾート開発などの失敗で関連会社が負債を抱えているが、百貨店自体
はキズがついてないし、最近の経営状態は上向きにある」
 と銀行関係者は指摘している。
 そごうは水島広雄会長が百貨店でトップになることを目指し、銀行はもとよ
り生保、農協から金を借りて多店舗展開を続けてきたが有利子負債が1兆
7300億円に膨れ上がりついに拡大方針をストップ、海外13店舗の整理、
国内27店舗の縮小(基幹9店を除いて縮小、閉鎖)従業員2000人のリス
トラを発表した。
 そごうのメインバンクである興銀は、一勧と富士の合併交渉に後から割り込
んで三行統合にこぎつけた手前、自行のお荷物は早めに整理しなければならな
い。
      ◆三菱銀行から一勧にメイン乗り換えた負い目◆

 一方の西武百貨店は、いちおう一勧がメインだが三菱銀行から一勧に乗り換
えたいきさつがあり、メインバンクにとことん面倒をみてもらう立場にない。
 グループ企業のTCF(東京シティファイナンス)の負債5000億円、西
洋環境開発の負債4000億円など2兆5000億円を超える負債をある程
度、自力で資金調達しなければ、一勧のTCFの債権放棄などは承知して貰え
ない。
 そこで、グループの優良企業「良品計画」の保有株や吉野家の持ち株を売却
して資金調達をはかろうとしている。だが、良品計画の保有株を売っても、せ
いぜい900億円程度しかならない。そこでセゾン生命の持ち株までも売り出
すと伝えられている。
 おまけに、総帥の堤清二会長が、第一線から退いたり、復帰したりを繰り返
し、グループ内企業の社長連の反発を買い、グループが分裂する危機に置か
れ、この1年間にセゾングループは20回以上の「怪文書」に襲われている。
 西武百貨店とそごうの合併は、両社の経営内容からすると実現は可能性が薄
いいう見方もある。しかし、何が起こるか分からない時代でもあり、一勧と興
銀の決断次第で、案外すんなり決まるかも知れない。

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神戸製鋼・総会屋事件のウラ側(3)   経済ジャーナリスト 山根 次郎
根深い裏世界との癒着/社内権力闘争と児玉誉士夫、東西マル暴の利権争い

 神戸製鋼は社会人ラグビーの名門で、平成元年から7連覇を達成するなどで
有名。業界4位にランクされるが、鉄鋼、非鉄、機械の3本の柱をもつ“複合
経営”で知られ、アルミと銅の生産では国内トップの地位にある。 
 そうした表の顔の一方で、過去に不詳事件、権力闘争が繰り返され、児玉誉
士夫をはじめ“闇の世界”とのかかわりが深い会社である。

●70年代、社長と副社長が激しく抗争

 「神鋼と裏世界の関係は古くて長くて、70年代にさかのぼる。60年代後
半から70年代にかけては、実に多くの経済・企業スキャンダルが起きてい
る」(金融ジャーナリスト・笹子勝哉)
 といわれるが、まさにその通りで、神戸製鋼は、1969年(昭和44年)
尼鉄スチール物産の倒産に端を発して、外島健吉社長と曽我野秀雄副社長の確
執が表面化、ドロ試合となった。外島社長は自分の“寝首を掻く”機会をうか
がっている曽我野副社長を系列の日新製鋼に転出させようと画策、曽我野はこ
れに抵抗、親交のあった新日鉄(当時八幡製鉄)の稲山嘉寛社長に応援を頼
み、両者は激しく争ったのである。
 曽我野は当時、外島社長の進めていた加古川製鉄所の建設に反対、日新製鋼
との合併を提唱し外島社長の退陣を迫った。
 こうした折に、曽我野が経営再建にこぎつけた尼鉄スチール物産が倒産、外
島社長から責任を追及され、同年9月ついに詰め腹を切らされた。

●人材切り捨てと閨閥人事の横行

 社長と副社長の抗争劇は終わったが、外島社長の進めた加古川製鉄所の建設
は進まず、1200億円という巨額の建設費の調達に苦しみ、外債やインパク
ト・ローンの引き出し、果ては強引な増資で業績は急降下、外島社長は三和銀
行を筆頭とする銀行団から責任を問われ、退陣せざるを得なかった。
 当時の神戸製鋼は、“閨閥人事”が横行、外島社長自体が浅田長平前社長の
姻戚関係により社長に昇進した人物だった。
 また、外島、曽我野の抗争劇は社内の有能な人材を切り捨ててきたために、
外島社長が退陣する時、大蔵省印刷局の元役人上がりの井上義海副社長を後任
にするほど人材が枯渇していたのである。
 「神鋼は内紛事件をきっかけとして、関東の裏世界と深い関係ができたので
す。当時、児玉さんの腹心が社長をしていた東亜相互企業が、福島県の西御村
で大々的なニュータウンをつくるとして広大な土地を安く取得した。その土地
を買い上げたのが、神鋼であり、資生堂や東京女子医大だった。しかし、神鋼
はもともと神戸の企業、関東系の裏社会の動きを、関西系の連中が黙って見過
ごすはずがない。神鋼をめぐる利権争いで、東西のマル暴関係者が一触即発の
状態になったこともある。神鋼と裏世界の関係は、今に始まったことではなく
根の深い話なのです」(前出・笹子勝哉)

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知られざる業界「興信所、探偵社」(6)           中野 忠良
学生の思想調査で需要急増/帝国秘密探偵の摘発と帝国データバンクの登場

 昭和37年4月と7月、帝国秘密探偵社が2度の手入れを受け、幹部社員が
ぞろぞろしょっぴかれた。翌年、大阪支社で待遇改善闘争が起こり、11年長
期ストライキが始まり、これが東京本社にも飛び火し、41年8月無期限スト
が打たれた。それは“現代忍び一揆”と呼ばれたのである。
 労使双方が深い傷を負い、得るところは何もなく、客は半減し、得意先企業
からも見放された。
 人事興信録を売り歩く探偵・興信所の時代が終わりを告げ、昭和41年から
燃え上がった学園紛争と70年安保闘争によって、新しい時代が幕を開けた。
 それは企業の「採用調査」の需要が急増したからである。27年の血のメー
デー事件や35年の安保闘争の時代を経て、一般企業の“赤い学生お断り”の
ムードが高まり、企業の採用調査を注文させる千載一遇、絶好のチャンスが訪
れたのである。

●東京商工リサーチも脚光浴びる

 先鞭をつけたのが九段下にある「東京探偵社」で、紳士録を売りながら、一
方で「学生の思想調査もいたします」と売り込んで、一般企業から採用調査の
仕事を受けた。
 そして、採用調査専門会社が次に設立されたが、さきのスト騒ぎで帝国秘密
探偵社をやめていった連中が、この新しい分野に進出していった。
 その中で脚光を浴びたのが「東京商工興信所」(商工社を昭和8年に改称、
49年に東京商工リサーチと再改称)と「帝国興信所」(帝国データバンク)
だった。
 当時の朝日新聞はこう報じている。
 「昨年に比べ、大手興信所への調査依頼が2、3割急増し、成長産業になり
始めている。高度成長とともに、利用する企業も年々増加してきた。工場増設
や営業規模拡大、融資金の増加などの際、一応は相手を調べるのが常識とされ
てきたのである」(昭和39年6月14日、朝日新聞)

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週刊メールジャーナル 1999年12月15日号 第16号(水曜日発行)
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