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    週刊メールジャーナル 2000年1月12日号 第19号
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★乱脈信組救済バラまき策「ペイオフ延長」招いた金督庁の責任逃れ発言
★反・規制緩和の議員連盟が発足/武藤嘉文会長、自民守旧派150人が参加
★業績悪化の日本アムウエイで社長交代と株式公開買い付け発表の衝撃
★探偵・興信所研究9/「憲法の精神に反する」と指摘される身元調査
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乱脈信組救済バラまき策「ペイオフ延長」招いた金督庁の責任逃れ発言
都道府県の重大な監督責任も不問に       ジャーナリスト 川崎 明

 「私は言われているような守旧派ではない。これまでだって一貫して金融改
革を言い続けてきたんだ」と自己弁護して見せたのは越智通雄金融再生委員長
だ。
 「ペイオフ解禁の延長」に対する世論の猛反発を受けての記者会見での発言
である。
 どんなに自己弁護しても、信用組合の中で、もはやどうにもならないほど経
営内容の悪化しているようなところを救済する理由はどこにもない。
 前号で指摘したように、大蔵省ですら「ペイオフ解禁」は既定の事実とし
て、預金保険機構の改正法案を準備してきたのに、越智委員長の「信組を除い
て解禁」の発言によって永田町の空気が一変してしまったのだから、いくら自
己弁護しても国民は納得しない。

●まさにモラルハザード●
 大阪の府民信組、東京の安全、協和の2信組などがどのようなバブル悪乗り
をしていたか、国民は忘れていない。
 あの経営者と大同小異の経営者が、何の経営責任も問われずに生き延びるな
ど、このリストラ時代に認められるわけがない。これこそまさにモラルハザー
ド(倫理観の欠如)である。
 実は、この「延長」によって責任逃れができてほっとしているのが都道府県
である。
 これまで、全国323の信組の経営は都道府県が監督してきた。これがこと
し4月から金融監督庁に変わる。
 この金融監督庁は7月から大蔵省の金融企画局を統合して「金融庁」に衣替
えする」この金融庁は総務企画、検査、監督の3局体制で出発し、証券取引監
視委員会もこの傘下におかれる。つまり、この国の金融機関に対する検査・監
督の実務を行う機関として、いい加減な経営にニラミを利かす役所になるはず
で、2000年度予算案でも金融検査官の増員が認められているのだ。
 ところが、2001年3月までに全国の信組の一斉検査を終えるのは難しい
と、金融監督庁が言い出したことが、越智委員長による「信組のみ除外」発言
につながったのだ。

●総選挙対策に恩を売る●
 実はこれには、「2001年4月ペイオフ解禁直後に信組がバタバタ倒れた
ら、役所の責任になるだろう」と、誕生したばかりの「金融庁」の責任を逃れ
る予防線を張ったつもりが、まんまと自民党の総選挙対策に利用されてしまっ
たという裏話がある。
 しかし、この「ペイオフ解禁の延長」によって一番ほっとしたのは都道府県
であり、地方でのバブルを演出した金官業トライアングルの顔役たちなのだ。
 自民党は、こうして恩を売った都道府県を巻き込んだ総選挙対策をまたもや
始めたのである。
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■反・規制緩和の議員連盟が発足/武藤嘉文会長、自民守旧派150人が参加

 「日本経済を活性化し中小企業を育てる会」なる議員連盟が発足した。
 最初の名称は「規制緩和を見直す会」で昨年11月に旗揚げした。つまりそ
の名のとおり政府が進める規制緩和策にブレーキをかける政治運動だ。しかし
この名では余りにもストレートすぎると遠慮して名前を変えた。
 この議連の会長が何と、規制緩和の旗振り役のはずの党行政改革推進本部長
の武藤嘉文氏なのだ。
 議連の目的は郊外大型店の進出や免許制度の緩和などで古くからの商店街が
さびれかけているのは問題だとして、酒、米、薬の業界団体や旅館・ホテル、
ガソリンスタンド、タクシー業界など規制緩和の影響を受ける業者団体を網羅
したてこ入れ策だ。
 森喜朗幹事長、亀井静香政調会長らの党執行部や中曽根弘文文相ら閣僚も名
を連ねた150名の議員パレードだ。
 これが守旧派の本当の姿だと言われたくなかったら、総選挙対策だとはっき
り認めたらどうだ。(以下次号)

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日本アムウエイで社長交代と株式公開買い付け(TOB)発表の衝撃
「アメリカンビジネスの雄」だが業績悪化  経済ジャーナリスト 中野忠良

 日本上陸以来10年で1000億円企業を達成し、ヤクルト、ポーラ化粧
品、ダスキンなど訪問販売業界の老舗をゴボウ抜きにして、業界トップの座に
ついた「日本アムウエイ」(本社・目黒区、リチャード・ジョンソン社長)
は、ネットワーク・ビジネスの最先端を走る会社である。
 ところが、97年の2033億円の売り上げをピークに二期連続の売り上
げ、経常利益減に見舞われ、ジョンソン社長が代表権のある副社長に退いて、
ジェームズ・B・ペイン副社長が新社長に昇格する社長交代人事が発表され
た。
 同時に、創業家のリチャード・M・デヴォス会長ら主要株主が、一般に流通
している株を公開買い付けすると発表した。
 株式公開買い付け後は、新しく設立した新会社「エヌ・エイ・ジェイ」と合
併し、日本アムウエイが称号を引き継いで、エヌ・エイ・ジェイが存続会社と
なり、店頭公開を廃止することになった。

      ◆経営権の乗っ取りが目的、相手方も防戦か◆

 これは一体、何を意味するのか。日本アムウエイにどんな“異変”が起きて
いるのか。訪販業界だけにとどまらず、株式市場、ネットワークビジネス関係
者が、日本アムウエイの今後に注目を集めている。
 まず、TOB(株式公開買い付け)の「TO」とは、「テイクオーバー」、
つまり乗っ取りであり、「B」は「ビッド」値付け。俗に経営権の奪取を目的
として、その会社の株主に対して株式の買い取りを申し入れることである。
 従って、TOBを申し入れる例は、市場価格よりも高い値段を示し、不特定
多数の株主に買い取りを提案する。買い付け期間や買い取り株数を新聞などを
通して公表することから、乗っ取りがいわばガラス張りで行われるわけであ
る。
 TOBを提案しても、応募株数が予定に達しないときは、ビッド(申出価
格)を変更したり、提案そのものを取り消すこともできるから、株式市場で株
を買い集めるやり方だと、株価が上昇して、資金不足を起こし、集めた株を一
部売却して資金を調達しようとすると値崩れが起きて損失をこうむることにな
る。
 この点、TOBは公開を前提とした株の買い付けであるから安全であるが、
同時に相手方にも防戦の機会を与えることになる。
 日本アムウエイの株主、経営陣が、なぜ、この時期にめんどうなTPOに踏
み切ったのであろうか。注目を集めている。

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知られざる業界「興信所、探偵社」(9)           中野 忠良
「憲法の精神に反する」と指摘される身元調査/大企業に敗訴判決相次ぐ

 苦節70年、東京商工興信所は、昭和38〜39年を境にして帝国興信所と
ともに急成長していく。40年代前半は、多角経営ブームが到来し、同時に取
引不安が起こる。さらに46年にはドル・ショック、48年には石油パニック
が起きて、興信所業界は、企業信用度判定産業として地位を固めた。
 こうして、一方では、一般客を相手とする探偵社も続々と誕生する。紳士録
からの転向組、雇われ調査員をしていた者たちが、激変したセックス事情の裏
側で東奔西走する時代がやってきた。
 昭和54年7月、大阪法務局が興信業界に対して次のような「要望文」を発
送した。
 「これから就職シーズンに入り、企業から身元調査の依頼があると予想され
ます。かかる調査は、法の下の平等を保障する憲法第14条の精神に違反する
おそれがあり、、依頼者に注意していただくようお願いします」

●新規大卒者5万人が調査対象になった

 これは法務局だけではなく、労働省や各都道府県の職業安定所などが、毎
年、企業や興信所に対して、採用に関する“指導マニュアル”を届けている。
 「職業選択の自由を就職の機会均等を阻害してはならない。労働者本人に帰
属しない事項や適性と能力以外の事柄を、選考材料にすることは慎むべきだ」
 とマニュアルには書かれてあり、企業の採用調査を禁じているのであった。
 「三菱樹脂事件」(39年)「日立製作所事件」(49年)「大日本印刷事
件」(55年)「電電公社事件」(同)などが相次いで起こり、採用調査をし
ていた企業が、採用取り消しを通知したところ、裁判になって企業側が負ける
ケースが目立った。
 当時、新規大卒者30万人のうち、上場企業や中堅企業に入社する約5万人
は確実に調査対象になっている。(以下次号)

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    週刊メールジャーナル 2000年1月12日号 第19号
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