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    週刊メールジャーナル 2000年1月19日号 第20号
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★巨大外国資本が買収を狙う流通大手各社/経営苦境の長崎屋が要注意
★歴史の歯車逆行させ、旧体制保護で総選挙勝利を目指す自自公連立政権
★どうなる日債銀系列の名門ゴルフ場/預託金めぐり会員の問い合わせが殺到
★探偵・興信所研究10/就職身元調査の次は組合つぶしで世間の非難浴びる
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巨大外国資本が買収を狙う流通大手各社/経営苦境の長崎屋が要注意
                    経済ジャーナリスト 中野 忠良

 経営苦境の衣料品スーパー「長崎屋」(井上民雄社長)は、今年8月までに
9店舗を閉鎖すると発表、うち5店舗は完全撤退で、その業績不振ぶりはさら
に深刻となった。
 流通業界では、ダイエー、セゾン、そごう、松坂屋などの経営不振が目立っ
ており、日本に相次いで上陸中の巨大外資が買収、乗っ取りを狙っている。
 世界最大の米国ディスカウントストア(略称・DS)コストコが、福岡に出
店準備中で、世界2位の小売業・仏カルフールは、千葉・幕張、東京、大阪に
出店計画がある。さらにウォールマート、テスコなど米国大手、世界最大級の
DSも日本上陸の機会をうかがっている。

◆かつて秀和に株買い占められた経験

 関西が地盤のイズミヤ(本店・大阪、和田繁社長)は、既にカンフールが触
手を延ばし大株主に収まっている。同社の筆頭株主のサンインベストメント
は、カンフールの別働隊といわれている。
 巨大外資のターゲットは、ダイエー、西友、長崎屋、マイカル、イズミヤ、
タカキューなどといわれているが、この中で過去に買い占められた経験を持つ
長崎屋が要注意とみられる。
 長崎屋の株価は、かつて秀和による買い占めが行われたときは8510円の
超高値をつけたが、現在は“倒産価格”といわれる120円に落ち込んでい
る。ここに狙われる最大の要因がある。
 98年2月期決算で25億1900万円の経常赤字を計上した長崎屋は、今
期も連続赤字決算が予想される。メインバンクの第一勧銀から見離され、他行
から借り換えを進めており、経営苦境はさらに深まっている。

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歴史の歯車逆行させ、旧体制保護で総選挙勝利を目指す自自公連立政権
20日に通常国会が召集            ジャーナリスト 川崎 明

 通常国会の召集を20日に控え、永田町の空気は嵐の前の静けさのようであ
る。16日には民主党大会が開催されたがその状況はさながら総選挙を闘うた
めの決起大会の様相だったと言われる。19日には自民党大会が開催されるが
恐らく同様の空気が支配的になるであろう。
 どの党のどの議員も心は選挙区に飛んでいる。実際に、ことしの元日をはさ
んだ永田町がいつになくひっそりしていたのは、多くの議員が正月休みを地元
で過ごしていた、というだけの理由ではなかったようだ。
 各党の幹部は重点選挙区を飛び回り、議員の講演会も目白押しだった。
 この通常国会での政治的関心は、小渕首相の“解散”の決断に集まってい
る。
 「九州・沖縄サミットの前か後か」ということのようだが、いずれにせよ国
民にとってはもはや遅きに失したと言わざるを得ない。
 昨年10月、小渕・連立第二次改造内閣発足に代えて、自自公連立の是非を
問う総選挙を実施すべきであった。
 この内閣発足後、与党内では必ずしも政策が一致していないにも関わらず、
“与党”であるが故に、国民世論とはほど遠い政策決定に妥協せざるを得なか
った案件がいくつもある。
 その最たるものが、時計の針を逆に回したような、公的介護保険の政府特別
施策である。
 さらに、診療報酬の改定においては、医療制度改革の答申を白紙還元させた
まま、高齢者の自己負担増と診療側の報酬アップを認めるという、およそ高齢
化社会の時代要請に逆行する決定をしてしまった。

●最大の争点は年金法案、求められる徹底審議

 その上、年末ギリギリになって、マスコミ体制の間隙をぬってまで、「ペイ
オフ解禁の延長」という、歴史の歯車を逆回転させる旧体制の延命、保護に力
を貸す与党協議を決めてしまった。
 通常国会冒頭で、衆院議員定数を削減する法案が成立するかどうかで“連立
離脱”をちらっつかせていた自由党内も、「2000年度予算案の成立を妨害
したのは自由党」というレッテルを貼られるのが恐ろしくて、妥協の空気が高
まってきているという。
 このまま国民が傍観をしてしまえば、先の臨時国会で継続審議を決めた年金
制度改定関連法案は、景気回復を錦の御旗に、新年度予算案の成立の陰に隠れ
て、年金給付の抑制ばかりを先行させる内容で成立してしまう恐れが出てく
る。
 要するにこれまで連立与党がやってきたことは、政策の不一致をそのままに
して、政府・自民党にとって都合の良いことだけを押し通し、来る総選挙で連
立与党が衆・参両院で安定過半数を取ることだけを目標に政権運営をしてきた
ということだろう。
 もしもこの通常国会が無風で過ぎ、「九州・沖縄サミット」終了まで、国民
が腕をこまねいていたのでは、たとえ景気が先行き少しばかり明るさが見えて
きたとしても、国民生活の将来不安は消えないと言わねばならない。
 少なくとも、年金制度改定関連法案の審議では、徹底した審議を国民の前に
見せてほしいものである。(以下次号)

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どうなる日債銀系列の名門ゴルフ場/預託金めぐり会員の問い合わせが殺到
                    経済ジャーナリスト 山根 次郎

 山梨県下の「都留カントリークラブ」は、日本債券信用銀行系列の日本地所
とアサヒ都市開発が76年8月オープンさせ、200万円から880万円の預
託金で会員募集したゴルフ場である。
 さる11月22日、整理回収機構が日債銀の不良資産2兆8821億円を
2987億円で買い取った。同時に、45億円の根抵当権が設定された。
 同ゴルフ場の会員は、預託金の返還請求を起こしたが、日債銀が経営破綻し
た一昨年12月抵当権の設定と共に、今年5月預託金の据え置き期間を10年
間延長した。このため、会員たちの間に不安が広がり、同ゴルフ場は今後どう
なるのか問い合わせが殺到している。
 会員の不安は、長銀系列の北武蔵CCが和議申請(事実上の倒産)で、会員
の預託金が84.5%カットされた例があるだけに、倒産、預託金が戻らぬと
いう最悪の事態を想定して騒ぎが広まりつつある。
 経営母体の株式会社・都留カントリークラブは「日債銀から独立し、経営基
盤の確立をはかる」としているが、経営再建の見通しは暗い。

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知られざる業界「興信所、探偵社」(10)         中野 忠良
就職身元調査の次は組合つぶしで世間の非難浴びる/産業スパイ事件相次ぐ

 新規大卒者30万人、新高卒者となると、金融機関や百貨店は、希望する女
高生の質が低下しているので調べざるを得ない。新高卒者を調べたことが発覚
すると職業安定所から訓戒を受けるが、こっそりと依頼する企業は後を絶たな
い。
 また、年間の転職者も約200万人がいて、その数10%が調査対象とな
り、興信所の扱う件数は少なく見積もっても数十万件となり、数十億円が興信
所の収入となった。

●山水電気の前近代的は労組対策

 昭和49年に「サンスイ労組謀略事件」が起きた。前近代的な労組対策をし
ていたステレオメーカーの「三水電気」が、探偵社を雇って組合つぶしを画策
して失敗、世間の非難を浴びた事件である。
 また、35年ごろから約10年間、ちょうど経済の高度成長期に、企業間の
情報戦争が激烈になり、産業スパイ事件が相次いだ。
 河合楽器に対する日本楽器の営業妨害工作、キャノンのレンズ“盗撮”被害
事件、大日本印刷の工場配置図や大口受文書が凸版印刷に流れ、三菱電機のエ
レベーター用新型モーター歯車が盗まれたのである。
 さらに、手で開けられるサッポロビン詰めビールのアイデアが事前に探知さ
れたり、東洋工業のロータリーエンジン部品が自動車ショー会場から消えた
り、鐘渕化学の開発した塩化ビニール新製法工程図や触媒が売却されたりし
た。
 旭化成工業の機密書類盗難事件、日産ブルーバードの全容がアメリカ自動車
メーカーに流出したり、松下電器産業のセラミック太陽電池の技術資料も米国
へ漏れた。東洋レーヨンのナイロン66に関する装置開発レポートや設計図が
コピーされて売られ、信越ポリマーの機密文書も横流しされた。シュレッダー
の先発大手・明光商会が実用新案および特許の侵害を調べるため、2番手企業
に社員を送り込む事件が発覚した。
 この時代には、自動車、オートバイ、家電製品、繊維、化粧品、薬品、食料
品などの業界を中心に産業スパイ事件が続発した。

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    週刊メールジャーナル 2000年1月19日号 第20号
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