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    週刊メールジャーナル 2000年1月26日号 第21号
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★パチンコ巨額利権システム導入で業界が反発/平沢勝栄代議士が新年会出席
★自民党内の執行部批判は猿芝居/総選挙敗北後も政権維持目論むシナリオ
★関西新空港の利権王に税務調査のメス(上)贈収賄の泉井服部は氷山の一角
★探偵・興信所研究11/モラルない会社ゴロのような者がほとんど、と悪評
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パチンコ巨額利権システム導入で業界が反発/平沢勝栄代議士が新年会出席
                    経済ジャーナリスト 中野 忠良

 1月20日、都内のホテルで「日本遊技関連事業協会」の新年会が開かれ、
日工組、日電協、メダル工業会の会長、理事長ら約200名が出席。来賓とし
て平沢勝栄代議士(元警察庁安全課長)佐藤正夫生活安全課長が招かれ、祝
辞、挨拶を述べた。
 佐藤課長は、不正機、換金問題などにふれながら「業界自身の自浄作用によ
って解決するのがよかろう」と述べ、企画改正の時期を「遅くとも年内に改正
した形を決したい」と明示した。
 パチンコ業界は30兆円産業を達成しながら不正機横行などで“客離れ”が
起こり、全国で約300店のホールが倒産、苦境に立たされている。
 そのなかでパチスロメーカーの「アルゼ」は100万台市場を達成、
4000億円規模の約7割のシェアを握り、昨年は733億円、今年は
1100億円の売り上げが予想されている。

      ◆スキャンダルで騒がれるアルゼ・岡田和生社長◆

 アルゼは昨年、松竹の株主になって話題をまいたが、「セットロム」(裏ロ
ム)を摘発され、岡田社長のスキャンダルが業界紙、週刊誌で騒がれた。
 警視庁、広島県警が「大東音響」の不正機を摘発、業界は今“不正機追放キ
ャンペーン”に取り組んでいる。日遊協は平本将人会長が「不正機撲滅決起大
会」の開催を呼びかけたが、警察庁主導のヤラセの決起大会に反発を抱き初
め、いまだ決起大会開催の日時が決まらない状態にある。
 業界が反発しているのは、不正機撲滅決起大会をやらせて、これを契機に新
しい不正機防止システムを業界に導入させようと目論んでいるからだ。
 冒頭に紹介した日遊協の新年会で佐藤課長が「業界の自浄作用で」と述べた
のは、このあたりの業界の反発ムードを察した言葉になったといえよう。
 パチスロの不正機摘発と防止システムの導入をめぐって、警察庁とパチンコ
業界の対決は今年6月から8月にかけてヤマ場を迎えるようだ。

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自民党内の執行部批判は猿芝居/総選挙敗北後も政権維持目論むシナリオ
                       ジャーナリスト 川崎 明

 通常国会が20日から始まった。会期は6月17日までの150日間。28
日には新年度予算案が提出されるがその前に、衆院定数削減法案をどうするか
で連日与野党間の交渉がもめている。すでに選挙戦に突入しているからであ
る。
 前号で指摘したように、国民に信を問わずに発足した自自公連立内閣に対す
る風当たりは強く、内閣支持率が低下の一途である。
 このため解散のタイミングを失った小渕首相は「九州・沖縄サミットを現体
制で」という判断に傾いてきてる。
 つまり、自民党が主導権を握って有利なタイミングで解散を仕掛ける攻めの
カードは切れなくなってしまったということである。
 仮に「九州・沖縄サミット」が失態なしに終了したとしても、連立与党で現
議席を維持するのは難しいと見る専門家が多い。
 自民党の獲得議席の目標は、執行部の責任問題と関連するため、野中広務幹
事長代理は115議席という極めて低い勝敗ラインをアピールしている。
 このため、自民党内から反執行部の批判が噴出し始めている。
 加藤紘一元幹事長は「選挙前には連立解消を」と言い、三塚博旧三塚派元会
長は「小渕政策は基本的に誤り」といった批判を公言している。
 これらの批判に対して森喜朗幹事長はじめ執行部派大々的な反論キャンペー
ンを展開している。
 まさに内ゲバの態である。
 だが、この内ゲバもどきが実は大変な曲者である。
 総選挙の結果、現執行部が責任を取らざるをえなくなったときは、ヘッドを
代えて引き続き自民党政権を維持するために書かれたシナリオにそった「内ゲ
バ芝居」なのである。
 細川政権の登場で苦汁をなめた経験を生かした自民党の猿芝居といえる。

●ハプニング解散もありうる

 この国会では、医療費の負担増、年金の給付抑制、ペイオフ延期など国民の
暮らしに直接関わる法案が、連立与党の支持層だけにバラマクような形で目白
押しである。しかし、巨大与党が数をたのんだ強行採決などすれば、あるいは
ハプニング解散もありうる。
 国民が世直しの政治を期待するなら、政権交替を実現すべきである。
 そのためには投票所へ足を運ばなくてはならない。 支持政党なしという人
々も、絶対に投票したくない政党を除いて、「よりましな候補」のために投票
所へ向かう必要があるだろう。
 無関心が多いといわれる若者も、「よりましな未来」のために、一票を行使
してはどうだろう。
 前回の参議院選の投票率は59%だった。
 久しぶりに高まった投票率のために、自民党は参議院での過半数を失った。
橋本政権はこれによって瓦解した。
 今度の総選挙の結果については、専門家の間でも予測が大きく違っている。
 年金や介護保険であれほど政策不一致だった与党内は、選挙対策ではほとん
ど一致した。すでに候補者調整もほとんど終わっている。
 支持基盤の調整も一部を残して最終段階に入っている。
 連立与党は選挙巧者であり、強い。
 だが、投票率が65%を超えるようなことになったら、恐らくどの評論家の
予想も大はずれになるだろう。(以下次号)

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関西新空港の利権王に税務調査のメス(上)   ジャーナリスト 佐藤 進
贈収賄の泉井・服部は氷山の一角/巨悪まかり通る背景に大阪府の腐敗堕落

 昨年8月に二期工事が起工した関西国際空港は、「仁徳天皇陵建築、大坂築
城以来の歴史的大工事」とまで呼ばれる。政府・与党は「国家的プロジェク
ト」と位置づけ、新年度当初予算案でも公共事業費の別枠として、数千万円規
模の予備費が盛り込まれた。こうしたなか「関空工事で最も儲けた男」と有名
な人物のファミリー会社に最近、税務調査が入り、当局の動きに関空関係者の
関心が非常に高まっている。その人物とは、大阪府漁連会長・田中忠明氏であ
る。

●ゴリ押し補償交渉、海上封鎖の暴挙、砂の利権

 関西国際空港工事は、世界で初めての海上空港。場所は大阪府泉佐野市の沖
合五キロ、水深二十メートルの海域。一期工事が八四年に着工、一兆四千三百
億円の総工費で埋め立てられた人工島の広さは五百十ヘクタール、九四年九月
に一本の滑走路で開港した。
 今回始まった二期工事では、その人工島の西側をさらに五百四十五ヘクター
ル埋め立てて二本目の滑走路を設置する。総工費は一兆五千六百億円で、
二〇〇七年十月の使用開始が目標である。
 巨大な公共工事には当然のことながら、巨大な利権が発生する。業者は政治
家や官僚にワイロを贈り、その政治家や官僚は下請け業者選定で横車を押すと
いう醜態が、関空一期工事でも盛んに繰り広げられた。
 その、ほんの氷山の一角が関空汚職事件だ。
 石油卸商の泉井純一が関西国際空港会社の当時の社長で元運輸事務次官の服
部経治にワイロを渡し、下請け業者選定で知人の業者に便宜を図ってもらった
とされる贈収賄事件で、両被告とも有罪判決を受けた。
 しかしながら、関空工事において最も多大な利益を得て、今でも利権を握っ
て放さない人物がいることに強い疑問を感じている関係者は多い。
 「泉井や服部なんかよりも、はるかに悪い人間がいます」。こう、多くの関
係者が口をそろえて名指しする人物が、大阪府漁連会長・田中忠明氏である。
 ゴリ押しの漁業補償交渉、一期工事での海上封鎖の暴挙、「砂」の利権、巨
悪がまかり通る背景には、大阪府政界の腐敗堕落がある。(次号に続く)

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知られざる業界「興信所、探偵社」(11)         中野 忠良
「スパイの仁義もモラルもない、会社ゴロのような者がほとんど」と悪評

 昭和43年末に、刑法改正を検討してきた法制審議会で「産業スパイ罪」
(企業秘密漏示罪)が加えられた。
 昭和30年代半ばから40年代にかけて、自動車、オートバイ、家電品、繊
維、化粧品、薬品、食料品などの業界を中心に、ライバル会社のものなら、か
みクズでも売れたという逸話が残っている。
 モデルチェンジ、新製品、技術開発、部品の情報、人事組織図、セールスの
手引き書、販売先や下請けリスト、生産計画表、経営や市場戦略の情報など。
日本の企業はオープンなところがあり、同業者は先行会社の技術やアイデアを
簡単に盗めるし、それを改善しながら真似をしてゆく。企業が経済活力を維持
できたのはそういう面があったからといえよう。
 しかし、産業スパイ事件で探偵がどの程度その媒介役を果たせたかというと
疑問がある。
 外国の一流大学を卒業して、米国のCICに数年間協力し、帰国後、都内の
探偵社のいくつかを指導した後、独立した人物の話を紹介してみると――
 「あの頃の探偵は、いま以上に悪評だったし、調査方法を身につけていた者
も少なかったわけですよ。スパイの仁義もモラルもなく、トヨタと日産の両社
から金をせびる状態でしたね。秘密でも何でもない文書を盗んできたといって
小銭を得る会社ゴロのような者がほとんどでしたよ」
 その典型的な男が“河合楽器事件”や“大日本印刷事件”で跳梁したテレン
チェフ・ジョージだった。(以下次号)

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