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    週刊メールジャーナル 2000年2月9日号 第23号
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★山崎豊子ベストセラー「沈まぬ太陽」の裏に、巨大な闇勢力の意図がある
★異常政局の裏側/府知事選挙結果に実はホッとしている民主党のホンネ
★日立造船の淡水化プラント5億円リベート事件が今後さらに注目される
★探偵・興信所研究13/企業スキャンダルあさり総会屋マスコミに提供

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山崎豊子ベストセラー「沈まぬ太陽」の裏に、巨大な闇勢力の意図がある
                     経済ジャーナリスト 中野忠良

 山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」(全5巻、新潮社刊)が200万部のベスト
セラーになり、徳間から映画化も決定したという。
 同書は、95年1月より99年4月まで「週刊新潮」誌に連載されたもの
を、昨年6月から9月にかけて単行本として出版したものである。
 「巨大な航空会社の恐るべき裏面と暗闘……。時代と組織に弄ばされた主人
公の過酷な左遷、現代の流刑の徒を鮮烈に描く」(第1巻の帯より)
 と紹介されているように、日本のナショナル・フラッグ・キャリア・日本航
空をモデルに描いた小説である。作者の山崎女史は「事実にもとづいて書い
た」と語っており、単なるモデル小説ではない。
 ところが、一部週刊誌でも取り上げられている通り、取材を受けた日航幹部
や政治家、官僚たちが「事実に反する」と猛反発し、非難ごうごうたる騒ぎを
巻き起こしている。
 「事実に反する」「ウソ八百」「一方的な情報で書かれたもの」「毒を含ん
だ罪深い小説」との声が取材を受けた人から一斉に上がっている。

●山崎女史は利用された?

 山崎女史は「白い巨塔」で医学界を「不毛地帯」で総合商社「華麗なる一
族」で銀行界「二つの祖国」で通訳とそれぞれ異なる世界の人間葛藤ドラマを
描いてきた。
 今回の「沈まぬ太陽」は「事実を取材して小説的に再構築した人間ドラマ」
と言い「ニュース、ドキュメント、公文書、内部資料などを駆使し、それが小
説の重要な核心になっている」と説明しているが、山崎女史の取材の仕方や小
説的な構成に偏向はなかったか。
 これだけ多くの取材協力者たちが、山崎女史の作品に抗議している例は珍し
い。「沈まぬ太陽」を書いた山崎女史の意図はどこにあったのか。
 取材を受けて、あまりに事実と違う表現に抗議している人々は、その山崎女
史の作家としての意図を図りかねて、「誰かに利用され、山崎氏自身が気付か
ぬうちに、日航を陥しめんとする巨大な闇の勢力に利用されたのではないか」
と疑問を投げかけている。

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異常政局の裏側/府知事選結果に実はホッとしている民主党のホンネ
                       ジャーナリスト 川崎 明

 憲政史に残るような国会の異常事態が始まって2週間になろうとしている。
 96年の住専国会で、新進党(当時)が国会審議をボイコットし、ピケを張
ったりして22日間の国会空転が続いたのに比べればまだ短いといえる。
 だが、既に国会の権威は地に墜ち、政治に対する国民の信頼は失われてい
る。
 前号で指摘したように、与野党とも、引くに引けない状況にあるのだが、も
はやこれ以上、野党抜きの予算審議を続けても無駄である。与党同士の我田引
水、自画自賛の質疑が続いているからである。改めて議会とは、野党、反対
派、少数党あっての「言論の府」であることが実感させられる。
 この異常国会をめぐっては、幾度となく与野党から“民主主義”という言葉
が発せられている。野党側が「民主主義を踏みにじった暴挙」と与党の強行採
決・単独審議を非難すれば、与党側も「議会制民主主義を無視」と野党の審議
ボイコットを攻め立てるといった具合。マスコミもまた、民主主義のありよう
を問いかける報道を続けている。
 実はその民主主義の原点を問うたのが、6日に行われた大阪府知事選挙だっ
た。もちろん同日には京都市長、山形市長の選挙も行われたのだが政治的意味
合いがずいぶん違う。

◆投票率は過去最低44.58%

 大阪府民は、前回知事選で過去最多の235万票を与えて横山ノック知事を
選んだ。その時の投票率は53.24%。戦後の分析では無党派層の勝利とも
言われた。その無党派層の動向が注目されたのが今回の知事選だった。
 その投票率は過去最低の44.58%だった。これでは民意とは言えないの
ではないか。
 “入れたい人がいない”選挙民のつらい気持ちは理解できなくもない。だ
が、“棄権”を選択する行動がはたしてベストと言えるだろうか。今年必ず迎
える総選挙では、もしかすると日本全国いたる所で、同じような悩みが発生す
るかも知れない。
 NHKや各新聞社が実施した出口調査では、当選した太田房江氏に対する無
党派層の支持は36%にとどまり、共産党推薦の鰺坂真氏に対する47%を下
回ったと言われる。前回知事選で横山ノック氏を勝たせ、そして裏切られた無
党派層の人々が、今回どのような政治意識でいたのか、今となっては分からな
い。
 このような投票率の低さが、いまの国会の異常事態を招いている。現にこの
大阪知事選について「国政と地方自治は別」と言いながらも、この、勝ち負け
のはっきりしない結果で、一番ホッとしているのが連立与党と民主党なのであ
る。
 要するに、一刻も早く衆院を解散して、自自公連立政権の信を問う必要性は
変わっていないのである。(以下次号)

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日立造船の淡水化プラント5億円リベート事件が今後さらに注目される
                     経済ジャーナリスト 山根次郎

 2000年の幕開けスクープとしてひときわ目を引いた毎日新聞1月4日朝
刊「日立造船、5億円のリベート」問題がさらに注目されそうな情勢である。
 オマーン政府から同社に発注された海水淡水化プラントの見返りに、同国政
府に5億円のリベートを払ったというものだ。日立造船は同工事の入札で競合
他社よりも30億円高値で応札していたにも関わらず契約を“もぎ取った”経
緯があり、これまでも工事のたびに繰り返しリベートを払っていたという。
 昨年2月に改正された不正競争防止法には「外国の公務員に対し、営業上の
不正な利益を得るために利益供与をしてはならない」と規定されており、日立
造船に対しては厳しい処罰が課されるべきである

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知られざる業界「興信所、探偵社」(13)         中野 忠良
企業調査ニーズが拡大/スキャンダルあさり総会屋やマスコミに情報提供

 産業スパイ事件が公表されると、攻撃方がダーティーなイメージ、守備方は
トンマなイメージをさらけ出す。
 「現在は敵の企業から機密を盗むことより、漏洩を防止する専守防衛型が主
流」
 といわれるように、重要書類の保管を厳重にし、情報や知識を社員間で分割
化したり、社員の私生活までを企業が詮索するようになった。
 昭和50年代以降の大衆ヒット商品は、既存技術の応用や複合化、小型化し
たものばかりで「もはや技術なし」とされる時代になった。
 それでも、中小企業からは、産業スパイの依頼がある。だが、技術やアイデ
アを盗むというより、秘密や情報を握っている社員をスカウトしたり、内部協
力者を仕立て上げて情報を漏らすようにしたり、探偵が記者や役人に化けて会
社を訪問し、下請け会社や生産現場から情報を収集する。

◆“叩き落とし作戦”と名付けられる

 昭和53年に千葉市内の食料会社が、一進一退を繰り返している同業者に政
治家を利用して探偵を社員としてもぐり込ませて、会社機構、各部署の権限、
人員配置、業務運営法、営業マンの活動エリア、得意先管理や新規開拓法、入
出倉状況、社員の能力、人事教育、労務管理、待遇、福祉厚生制度と施設、社
長や重役の人物、性格などを調べ上げた。
 潜入した探偵は、これらを6カ月かけて調査し報告書にまとめて提出した
が、タイミングがずれると役立たなくなる。そうすると今度は“叩き落とし作
戦”に出る。
 社長からヒラ社員までのスキャンダルをあさり、違法な商取引、脱税、粉飾
決算などの汚点を見つけ出して、銀行、関連会社、税務署、監督官庁、総会
屋、暴力団、マスコミに情報を流す。
 こうして、企業の調査ニーズは年々幅広く、奥深くなっているという。
                             (以下次号)

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    週刊メールジャーナル 2000年2月9日号 第23号
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