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2000/3/8 No.27    週刊メールジャーナル   読者数7095人(先週)
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★国税調査でつけ回し発覚/全日空と総会屋「論談同友会」いまだ深い関係
★構造的な贈賄と接待工作の温床「農水省構造改善局」捜査と警視庁の堕落
★探偵・興信所(最終回)人権無視と恐喝の歴史/法も整備されず野放し状態
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全日空と総会屋「論談同友会」がいまだに深くかかわっていた
国税局調査で飲食費のつけ回しが発覚   経済ジャーナリスト 中野 忠良

 こんどは全日空が総会屋への利益供与で国税局の税務調査で告発された。
98年3月期までの3年間に約7億円の申告漏れがあり、この中に総会屋との
飲食費が含まれていたというものだ。
 「全日空では、総会屋が個人的に使っていた数百万円にのぼる飲食などの費
用を社員の交際費に潜り込ませて処理していたが請求書や領収書の調査で付け
回しの事実が判明、担当者から事情聴取したところ、総会屋の飲食や宴席など
の代金を負担していた、と事実上の資金提供を認める供述をした」
 というものだ。全日空の担当者は、総会屋の個人名については秘匿したこと
から、国税局は税務上の“使途不明金”に当たるものと認定、制裁課税を課し
たということだが、大手企業の総会屋への資金提供が課税面から行われたのは
初めてのケースである。

●若狭会長・社長・専務と料亭で会食する正木龍樹氏

 全日空は、平成3年9月、当時の若狭得治会長以下、社長、専務が総会屋の
正木龍樹(論談同友会・会長)ら幹部と全日空ホテル内の料亭で会食していた
ことが判明している。
 論談同友会は、当時、最大の総会屋グループといわれていたが、94年(平
成6年)大東京海上火災から現金恐喝で幹部の朝日政憲が逮捕されたのをはじ
め、97年(平成9年)7月、味の素事件で同会ナンバー2の和田長生(相談
役理事)らが逮捕され、98年には同業者に先駆けて開設したインターネット
のホームページの有料化に、警視庁が“待った”をかけて話題になった。
 論談同友会は、正木会長(昭和16年生まれ)の下に6人衆と呼ばれる宍戸
道之、和田高明、佐藤恒雄、梶谷正幸、二宮紘一、大野崇忠、がおり、昭和
46年にいずれも20歳代の頃、広島から上京してグループを結成した。
 小川グループ、高田グループが衰退したあと新興の総会屋グループとして活
躍したが、2度にわたる「商法改正」(59年、63年)によって活動範囲が
せばめられて、最近は話題になることも少なかったが、今回の全日空利益供与
事件で、大企業といまだ深くかかわっていることが明らかになった。

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構造的な贈賄と接待工作の温床「農水省構造改善局」捜査と警視庁の堕落
かつての大蔵接待汚職同様に何故メス入れない  ジャーナリスト 川崎 明

 新潟県下で起きた女性監禁事件とこの捜査にかかわった地元警察の不手際。
さらには女性発見後の県警幹部と警察庁局長の「言語道断」と批判される対
応。これにより警察庁長官までが処分を受けるという異例の事態で世論は沸騰
している。
 このような警察の不祥事は、神奈川と新潟でたまたま続いただけとは、国民
の誰一人思っていないところに、この国の警察組織の末期的現状がある。
 権力組織は、その内外関係との緊張感が失われたり緩んだりしたとき、自ら
崩壊を始めることは古今東西の歴史が証明している。
 市民が泣き寝入りを強いられている警察事件、公にされていない警察不祥事
はいやというほどあることを国民は知っている。
 これらは、極右、極左などによる公安事件が減少し、キャリア人事などによ
る内部構造の沼暖化がすすみ、、自らの公権力の維持のみが最大目標となった
警察組織が引き起こした自然現象なのである。
 ところが、この騒ぎの陰で、またもやうやむやにされそうな、権力による
“構造汚染”の事実があることにも注目しなければならない。

●新潟県警的体質に共通、本気でヤル気あるのか

 去る2日、農林水産省構造改善局の元課長補佐が警視庁に逮捕された。
 この事件は、元課長補佐が香川県の農協に与えた便宜の見返りに、接待供応
を受けたというもの。
 この事件の発端は、大手商社系列のコンサルタント会社による構造改善局幹
部に対する贈賄工作だった。これに同局の派閥抗争がからみ、双方の内部告発
合戦が始まったことにある。
 この内部告発を機に省内での内部調査が始まったのだが、結局は事件化の時
効を見計らったかのように、中堅幹部10数名の処分を潮時として、一件落着
の様相を見せてきたのである。
 構造改善局は農水省の中でも“農業土木一家”と呼ばれるほど、構造汚染の
温床になってきたセクションであり、政・官・業の結びつきは深く強い。
 結局、この事件は元課長補佐の現金収受(それも30数万円といわれる)だ
けで始まり、そして終わらせようとしているのだ。
 内部告発で名指しされた局幹部、これに連なる業者などの摘発はできないま
ま幕は引かれそうになっている。
 捜査に当たった警察は、「“ぶつ”(現金)が上がらないことにはどうにも
ならない」というが、本気でやる気があるのなら、かつて大蔵省でやったとき
と同様、接待供応を積み上げるだけでもできないことはない。
 この事件の警察の言い訳は、「あらゆる手を尽くしてでも解決しなければ国
民に申し開きができない」という“市民警護”の本来の使命を忘れてしまった
新潟県警と、全く同じ警察体質を露呈してしまったものである。

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知られざる業界「興信所、探偵社」(第17回・最終回)    中野 忠良
人権無視と恐喝の歴史/法も整備されず野放し状態/海外は許認可制が常識

 「地位向上、誠実公正、人権尊重、差別調査廃止、悪質業者追放、許認可制
度の実現」を宣言して「日本調査機関連盟」が誕生した。
 時に昭和50年10月19日、164社が入会し、武内探偵事務所の武内義
雄氏が会長に選ばれ、本田秘密探偵社の本田治氏、ADP合同調査事務所の小
林宏氏らが役員に就任した。
 昭和52年には、我妻源二郎弁護士によって草案された「探偵士法」によ
り、立法措置の研究が始まった。
 連盟はタブロイドの機関紙を発行し、関係各省庁との懇談会を開くなど活動
を広げて、新入会員も急増した。

◆業界正常化の試み「日本調査機関連盟」は四分五裂

 ところが、“鬼にも化粧”をほどこしてみたものの、探偵は「会議で決めた
ことを守る」というルールに慣れていないため「オレは反対」の一言で脱会す
るものが多く、会費滞納でどしどし除名処分が行われたため、52年夏、革命
的な組織「日本調査機関連盟」は分裂、関東派が「全国調査網連絡協議会」を
再組織して大量脱会、連盟は大阪の業者が中心になって再建に取りかかる。し
かし、関西勢は近畿本部を結成するが、神奈川が脱会して旗揚げしたり九州地
区が「日本探偵調査士連合会」をつくるなどで四分五裂してしまった。
 「この業界は他の業界とは逆で、裏面が手柄話、表面は恐喝の歴史である」
といわれる。明治43年に大阪府が発令した「信用告知業取締規則」が唯一の
法律で、以後はこれを下敷きにした条例を各自治体が施行しているだけであ
る。
 アメリカには「私立探偵法」があり、州ごとに詳細な法律を決めている。西
欧は許認可制度が設けられている。ところが、日本では法も整備されず、興信
所、探偵業は野放し状態である。(終)
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 この連載は、今回で終了です。読者からの10月19日付、以下のご要望メ
ールにお応えしたものです。ご愛読ありがとうございました。

>  興信所、探偵社の問題について書いてほしい。
>  携帯電話の番号、PHS電話の番号から、契約者の氏名、住所が割り出
> されている。クレジット番号と氏名から、買い物、購入履歴が、興信所、
> 探偵社によって調べられている。
>  プライバシーのプもない現状。一般庶民はこれらすら知らない。国民の
> プライバシーは、丸裸、ということすら、知らない国民。
>  後ろで、自民党が糸を引いているという情報もある。氷山の一角で、下
> っ端を捕まえても、経営者が興信所や政府に癒着していたら意味がない。


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 週刊メールジャーナル 2000年3月8日号 第27号(水曜日発行)
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