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2000/4/26 No.34    週刊メールジャーナル   読者数7296人(先週)
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★三越元常務が役員会議事録公開を迫る/ゴルフ場特別損失580億円の処置
★派閥支配の論理が優先した違法な内閣総辞職と官房長官による首相臨時代理
★堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(6)火を噴いた政界献金疑惑
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三越元常務が役員会議事録公開を迫る/ゴルフ場特別損失580億円の処置
をめぐる役員の背任行為はあったのか   経済ジャーナリスト 中野 忠良

 株主総会を前に、三越の元常務、名古屋三越社長を歴任した岩瀬敬一朗氏
が、役員会の議事録を公開せよと東京地裁に申し立てていることが判明した。
 坂倉芳明前会長が社長時代に計画した「八街カントリークラブ」が580億
円もの巨費を注ぎ込んだが開業できず、平成9年8月中間決算で446億円の
損失を計上、それをこっそり処理していた。
 岩瀬氏は津田尚二、井上和雄の歴代社長に役員会議事録の公開を迫り、ゴル
フ場計画の損失を役員会にかけず処置していたことを訴えていたのである。
 しかし、歴代社長はこの要求に応じなかったため、東京地裁に役員会議事録
の公開(商法の規定)を迫った。

●元社長の御曹司の恨みと執念

 岩瀬元常務は昨年の株主総会直前にも井上和雄社長あてに「三越失速五秒
前」と題する“怪文書”を送りつけていた。当時の岩瀬氏は、スキャンダルを
流されて名古屋三越社長の座を追われ、傍系会社「二幸」の社長をつとめてい
た。そこで、不満分子の役員らと株主代表訴訟を起こし、本店復帰を狙ってい
たのである。
 三越中興の祖といわれた故岩瀬英一郎元社長の御曹司として、早くから三越
のプリンスともてはやされた岩瀬氏が、坂倉芳明前会長にうとまれ本店社長に
なれず、名古屋三越、二幸と“島流し”にあったことを恨み、執念深く坂倉前
会長の特別背任容疑を追及しようとしているものだ。
 このような反社会的な行為によって本店復帰をはかろうとする岩瀬元常務の
怨念は、株主総会がめぐってくるたびに繰り返されてきた。
 “岡田事件”によって百貨店業界の王者の地位から滑り落ちた老舗・三越
は、岩瀬氏のような不心得の元役員によってますます信用を失墜させられてい
る。

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派閥支配の論理が優先した違法な内閣総辞職と官房長官による首相臨時代理
                       ジャーナリスト 川崎 明

 竹下登元首相と梶山静六元官房長官とが揃って政界から引退する。両氏の健
康状態を考えれば国民の目から見て当然のことである。
 竹下派の中核だった梶山氏、竹下氏の「まな弟子」だった小渕前首相と、こ
こまで揃えばこの国の政治支配の流れは大きく変わらざるを得ない。いや、変
えなければならない。
 この国の経済・社会は構造の大変革期にある。政治だけがひとり旧来の支配
構造を温存するのは異様なことであった。
 ところが小渕前首相の緊急入院以降の政治的危機管理は、派閥による支配構
造をいかに温存するかという対応に終始していたことが次第に明らかになって
きている。
 今月2日に政府、自民党の幹部5人がホテルに集合した目的についても、野
中幹事長と青木官房長官の発言が食い違いを見せた。
 マスコミも野党も当然のようにこの食い違いの追及を始めた。
 だがこれまでの経験で国民は国会質疑や民放テレビ番組などでの追及を通じ
て真相が明らかにされたためしはまずないことを知っている。

●憲法上規定のない超法規的行為だった

 「空白の22時間半」の経緯や「5人組による密議」の目的を追及したとこ
ろで真相が明らかになるはずはない。時間のムダである。
 問題の本質はどこにあるか?
 小渕首相(当時)が事実上職務不能の状態に陥っていたとしても、憲法70
条の「内閣総理大臣が欠けたとき」に相当と解釈して、内閣総辞職を決行した
のは誤りであったことを法律論として明らかにすることが必要なのである。
 今回の内閣総辞職は、1980年の大平内閣で首相が死亡したとき、57年
の石橋内閣や64年の池田内閣のように首相が病気で辞職したり、議決によっ
て国会議員の地位を失ったりしたときとは明らかに異なる。
 つまり、今回の内閣総辞職は憲法上規定のない超法規的行為だったと言わざ
るを得ないのである。
 また、内閣が総辞職する前に青木官房長官が首相臨時代理に就任したことも
法的に問題であった。
 実は、「この(適法状態にない)状況をどうするか」という間に「空白の
22時間半」が費やされたと考えれば理解しやすい。
 要するに、内閣成立時に内閣法9条で規定する「代理の指名」がなされてい
なかったことが、問題の根底にあるのだ。
 首相がその職務を遂行できなくなる事態を想定した法的、制度的措置が講じ
られていなかったことが根源的問題なのである。

●政治家の頭の中は既得権益の保護だけ

 なぜ、このような政治的危機管理の不備が看過されてきたかということは、
筆者は本誌前々号で指摘しておいた。
 内閣総理大臣が誰であるかよりも、派閥権力による支配構造を維持すること
が優先されたのである。
 今回もまた、政治的危機管理よりも、小渕派による政権運営に支障を来さな
い方策の策定が優先されたのである。
 竹下、梶山両氏の引退と小渕前首相の病状次第で、この先の小渕派の運営は
混迷が必至である。だが、ことは小渕派だけの問題ではない。森首相が誕生し
た経緯を見れば一目瞭然である。
 55年体制の崩壊で一度は無くしたはずの派閥が、なし崩し的に復活したの
は既得権益の保護にきゅうきゅうする守旧派の政治だった。
 だが、産業も行政も構造改革ぬきで新世紀を迎えられなくなっている。
 政治の構造改革のきっかけに、正当な首相代行者を決定するための法律制定
を求めておきたい。

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堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(6)        中野 忠良
火を噴いた政界パチンコ献金疑惑/竹下登、小渕恵三、森喜朗、河野洋平の名

 1987(昭和62)年、新型セブン機が登場する。プリペイドカードのシ
ステムが相次いで発表される。この年、パチンコ市場は10兆円の大台を達成
した。
 88年3月、パチスロ2号機が登場した。2号機はABCタイプで、ほとん
どAタイプ。集中役が加わり、1ゲーム4秒になる。10月に「日本レジャー
カードシステム株式会社」が発足する。映画「ほんの五グラム」が公開されヒ
ット。89年(平成元)4月、消費税が導入されて、娯楽施設利用税が廃止さ
れた。5月、全日本遊技事業協同組合連合会が発足する。そして、この年の
秋、政界パチンコ疑惑が巻き起こる。

◆やぶへびとなった小沢一郎の意図

 当時の政治情勢は、消費税存続がテーマになった国会が開かれ、野党第一党
の社会党は、人気随一の土井たか子委員長に率いられ、消費税廃止を叫び、自
民党に攻勢をかけていたのである。
 消費税に対する世論の反発が強く、一方的に押されていた自民党の小沢一郎
幹事長は“クリーン土井”を追い落とす狙いで、パチンコ業界の献金疑惑に火
をつけた。
 ところが、日刊ゲンダイ10月13日号にスッパ抜かれたパチンコ業界から
政治家に流れた献金リストには、大口献金先として自民党の大物の名前がゾロ
ゾロと上げられていた。
 竹下登、小渕恵三、森喜朗、越智通雄、相沢英之、河野洋平、天野光晴、武
藤嘉文、宇野宗佑、中山正暉、二階堂進、山下元利らの名前と共に、当時、政
治改革の旗頭になっていた海部俊樹や渡部恒三らにもパチンコ献金がなされて
いた。
 小沢幹事長の意図は、かえってやぶへびになってしまった。(次号に続く)

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 週刊メールジャーナル 2000年4月26日号 第34号(水曜日発行)
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