■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2000/5/17 No.36 週刊メールジャーナル 読者数7287人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★小渕医師団会見で青木官房長官の責任問題噴出を必死に抑える自民党執行部 ★人種差別だけでない/石原慎太郎氏のこれまでの言動に見る低劣な社会観念 ★堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(7)与野党に政治献金し癒着 ___________________________________ 小渕医師団会見で青木官房長官の責任問題噴出を必死に抑える自民党執行部 ジャーナリスト 川崎 明 「森の(野)中」内閣とは言い得て妙である。 小渕恵三前首相が亡くなり、医師団の記者会見が早まったことで、この内閣 がどういう政権か、はっきりするのが早まったのは皮肉なことだった。会見の 内容は案の定、森喜朗内閣の正当性に疑問を抱かせるのに十分なものであっ た。 ◆やっぱり疑問だらけ青木幹雄氏臨時代理就任◆ 青木幹雄官房長官が記者会見で「小渕首相から「有珠山噴火の心配もあり、 何かあれば万事よろしく頼む』と指示を受けた」と述べた言い回しには、多分 に修飾的説明が付加されていたことが、医学的にも明らかになった。 政府・与党幹部もその点は認めざるを得ず、「『万事よろしく頼む』という 内容を、常識的な範囲で補足して説明しても一向に構わない」という統一見解 をまとめ、青木官房長官の責任問題に発展することを必死に避けようとしてい る。 しかし仮に民主党が、小渕内閣総辞職の無効確認を求める行政訴訟を起こし 「小渕氏の意志を青木氏が確認し得たかどうか」を争点にしても、水掛け論に 終わることは明らかである。 問題の本質は、すでに私が2度にわたり指摘しているように、内閣法9条に 規定する「事前指名」をなぜしていなかったのかという点にある。 これは小渕内閣だけの問題ではない。どの内閣も首相の肉体的精神的アクシ デントに対しては常に内在的危機を抱えていたわけであり、この国の政治的危 機管理の甘さがあったことを指摘せざるを得ない。 しかもその根源には派閥の論理が存在しているのである。 首相のアクシデントによって後継者(自民党の場合は総裁)を誰にするか は、その時の政治状況によって、派閥の力学を優先させる不文律が存在するの である。 それ故、他の先進国のようにあらかじめネクストリーダーを決めておくこと ができないのである。 ◆山積する内外の緊急課題、森喜朗ではダメだ◆ 「空白の11時間半」における、自民党実力者5人組の談合では、首相臨時 代理を誰にするか、その場合の適法性の説明付けをどうするかに多くの時間が 費やされたことは想像に難くない。その場では、はじめ青木氏が臨時代理就任 を固持する姿勢をとったことは、恐らく森氏らの勘違いではあるまい。 それよりも会談の最大の課題は後継首相(自民党総裁)を誰にするかであ り、より多くの調整時間が必要とされたのである。 その回答が冒頭に掲げた「森の(野)中」内閣だったというわけだ。 国の内外に緊急課題を抱えたこの国のピンチリーダーとして、森氏が最良の 選択だったのかどうか? 沖縄サミットの事前工作と称して先進国を一周してきた森氏の各国での対応 ぶりを見れば答えははっきりしている。 「野党と通じる者、自公を批判する者は許さない」という野中通達に対し て、森派会長の小泉純一郎氏が公然と反発した。 これは、森内閣が小渕派のカイライ政権であり、いかなる名分のもとでも現 政権をゆるがすような言動は認めないという、小渕派の実体的実力者となった 野中氏一流の恫喝的手法に対する党内の反発が少なくないことを証明したのも である。 いずれにせよ、派閥論理を優先させるために、政治的危機管理がおろそかに されるという、法的不備はただちに解消しなければならない。 いわんや国民の目から見て、何の資格も無い実力者とされる政治屋たちが談 合によってこの国のリーダーを決めることなど絶対に認めるわけにいかない。 首相公選という道を選択するのも悪くない。 ___________________________________ ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇ 人種差別だけでない/石原慎太郎氏のこれまでの言動に見る低劣な社会観念 外国人への偏見・恐怖・憎悪あおる政治手法の危険 本誌・大森哲夫 前回は「朝鮮人シール事件」に象徴される石原慎太郎氏の外国人差別意識が 国際社会のコンセンサスである「世界人権宣言」や、日本政府も尊守義務があ る「国際人権規約」「人種差別撤廃条約」に反していることを述べた。しか し、石原慎太郎氏という人間の根本的な問題は、さらにその土台にある低劣な 社会観念に行き着く。 ●ベトナム解放区を自ら砲撃しようとした 石原慎太郎氏は、政界入りする当初(一九六七年)から記者会見などで「核 開発は必要だ」「憲法九条は改正すべき」と発言してきた。 一方で九三年には、月刊誌「文芸春秋」六月号掲載の対談で「戦争がない と、男がすたる。どうもそれが人間の歴史の公理のような気がするね」となど と驚くべきことを語っている。 こうした発言に輪をかける呆れたエピソードがある。 ベトナム戦争中に石原慎太郎氏は、解放区(現政府側)を砲撃していた南ベ トナム軍の砲兵陣地を視察したが、そこで副官から「大砲の引き金を引いて見 ないか」とすすめられた。石原慎太郎氏は言われるまま引き金を引こうとした ところ、居合わせた若いフォト・ジャーナリスト石川文洋氏から「あなたに、 向こうにいる人たちを殺す理由はないはずです」とたしなめられたという。石 川文洋氏の著作『ベトナム最前線』(読売新聞社)の序文に石原慎太郎氏本人 が書いていることだ。 ●重度障害者施設で暴言/特殊な宗教の影響も 最近の呆れた事例。重度障害者施設を石原慎太郎氏が昨年九月に視察した 際、障害者を指して以下の発言を連発し同行の記者を仰天させた。 「ああいう人たちに人格はあるのかねえ」「ああいう人たちに、かけてるお 金も大変なものだけど、こういう事をやっているのは日本だけ、西洋なら切り 捨てちゃう」「ああいう形で療育するということは、経済性を考える人もい る」。あたかも「重度障害者はカネの無駄だから安楽死させろ」と言わんばか りだったという。この発言の一部は朝日新聞に報道された。 ちなみに有名な話だが、石原慎太郎氏は何か特殊な宗教に影響されており、 常々「自分は神から選ばれた人間」と吹聴している。 他にも例を挙げればきりが無い。石原慎太郎氏の過去から現在に至る一連の 発言や行動から見ると、この人間は「国家は戦争のための機関。国民は戦争の ための道具」と思い込んでいるようである。 そんな、子供向けの宇宙戦争アニメに出て来そうな軽薄・低劣な国家観念を まじめに支持する国民などいない。 ●この人間は公職に従事する適性を欠いている この類の人間の問題点は、国家・法・基本的人権・人のアイデンティティ、 等の根本認識について無知なことではない。無知なら知識のある人に聞くなり 学べばいいだけのことだ。そうではなく、基本的に「知」というものに人はど う取り組むべきかという問題について無知なのだ。もっと有り体に言えば、自 分が馬鹿なことに自分で気付いていない。だから、馬鹿な発言を繰り返して恥 ずかしいとも感じないわけだ。 石原慎太郎氏はその点で、政治家・知事としてのみならず、公共の利害に関 わるあらゆる職責に従事する適性を欠いている。 「三国人発言」は全体として、在日外国人が軍隊の治安出動すら必要な危険 な騒乱集団・犯罪集団であるかのようなとんでもない印象を聞き手に与えてい る。外国人への差別、偏見、恐怖、憎悪の感情を国民にあおり立て、それを理 由に戦争をあおり、知的水準の低い層の大衆に支持拡大を図るのは、古くはナ チスドイツや、最近ではユーゴのミロシェビチの手法と同じだ。 いまの日本有権者の知性とバランス感覚から見て、そんな古典的な扇動政治 の手法が成功する危険は少ないと思う。それでも「石原慎太郎を支持する」と 言う人が居たら、ユーゴの民族浄化政策に熱狂するセルビア人やドイツの若い ネオナチ集団と同等の教育水準と見なして、まあ軽蔑していい。 (終わり) ___________________________________ ⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔ 堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(7) 中野 忠良 自民党から社会党まで、まんべんなく政治献金し政治家や警察官僚と癒着 1989(平成元)年秋に火を噴いたパチンコ献金疑惑は、自民党の小沢一 郎幹事長(当時)が野党第一党の社会党・土井たか子委員長を追い落とすため に、パチンコ疑惑に火をつけたものであったが、献金リストに自民党の大物の 名前がゾロゾロ出てきたために、かえってやぶへびになってしまった。 1986(昭和61)年の衆参ダブル選挙で、パチンコの業界団体・全国遊 技業協同組合連合会から有力政治家たちに金がバラまかれていた。天野光晴、 後藤田正晴、中曽根康弘、福田赳夫、中山太郎ら自民党政治家のほかに社会 党、公明党、民社党の議員たちにも金が渡っていた。 当時の海部内閣のメンバー7人は、全遊協から献金を受けた事実を認めた。 この結果、“火付け役”の小沢幹事長も態度を軟化させて、パチンコ献金疑惑 はうやむやにされてしまったのである。 だが、この騒動でパチンコ業界が自民党から社会党までまんべんなく献金を している事実が明らかになり、程度の差はあるが、パチンコ業界は政治家、官 僚に密着し、より従順な業界であることを天下に公表したことになった。 ◆パチンコ・カード変造犯罪で630億円の損害 1990(平成2)年4月、プリペイドカードシステムが導入され、メダル 補給システムが定着した。東日本を拠点とするカード会社「日本カードシステ ム」(略称・LEC)と西日本を拠点とする「日本ゲームカード」(略称・ GC)が設立され、平成2年4月から7年8月までの間に全国1万3000軒 のホールが導入した。 NTTと大手総合商社が出資して設立されたカード会社は、NTT側の「 10年は変造されない」という言葉を信じて巨額の出資に応じたのであるが、 変造カードが現れ、平成8年3月までに両カード会社は630億円にのぼる損 害をこうむった。 (次号につづく) …………………………………………………………………………………………… このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 配信を希望または中止されたい 方はこちらでどうぞ。 http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2000年5月17日号 第36号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫 東京都千代田区富士見2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールrequest@mail-journal.com 転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |