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2000/6/7 No.39    週刊メールジャーナル   読者数7366人(前回)
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★有権者を白けさせ、投票率を下方誘導する大マスコミの情勢分析報道の愚
★右翼の圧力に屈する自治体の弱腰/岡村吾一死去で塗り変わる右翼勢力地図
★堕落警察のルーツ/パチンコ利権(9)警察OB平沢勝栄代議士の献金疑惑
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有権者を白けさせ、投票率を下方誘導する大マスコミの情勢分析報道の愚
                       ジャーナリスト 川崎 明

 衆院解散早々、森喜朗首相は最初の遊説先に内定していた三重県、愛媛県が
後回しにされたことで、最初の遊説先となった奈良県で、こんどは「国体」と
いう、守旧派好みの俗語を使ったことから、またもや問題にされている。
 だが、いまさら森氏の資質を論議しても意味がない。いつ、だれが、なぜ、
どこで「森総裁」を決めたのかという話なら多少の意味はあろうが……。
 4年前の総選挙以来、国民の信を問わないまま、連立の力で政局を切り盛り
してきた自民党実権派が、ようやく開き直って信を問うことになった。
 今度の総選挙は、「密室の談合」で森氏を選んだばかりに、本人はもとよ
り、閣僚はじめ連立体制の主役たちにとって、のるかそるかの賭けの舞台にな
ってしまったのは皮肉なことだ。
 連立体制の信任を取り付けなければ、元も子も無くすという、追い詰められ
た危機感が実権派グループにはとくに強い。
 それだけに、舞台回しとしての選挙準備には、連立与党の「安定多数確保」
を命題として、なりふり構わぬお膳立てに奔走してきた。
 その結果、公明・保守両党で「40議席確保」のめどをつけるための「選挙
協力」が断行されたのである。
 その陰では、2年前の参院選で自民党大敗後の総裁選での、主流派(小渕、
森、江藤・亀井派など)と反主流派(加藤、山崎派)との確執による報復処置
が行われたり、無所属での立候補を禁止する締め付けが行われたりもした。
 そのためこの選挙では、最後の最後まで当落の確定が難しい注目の選挙区が
数多く発生しているのである。

◆連立与党主流派の思惑通りの展開になっていいのか

 要するに数合わせ最優先、政策後回しの選挙戦になっているのである。
 そのうえ、野党各党が「神の国」や「国体」の失言追及ばかりを言い募った
ら、無党派層ばかりか一般有権者まで白けてしまう。
 これでは投票率は上がりっこない。
 この国の構造改革に必須の政治改革はますます遠のいてしまう。こうした国
民の側のジレンマは、連立与党実権派にとって、思惑どおりなのである。
 そこで、この際マスコミに心してほしいことがある。「下手な勝敗予想」は
謹んでほしい。ここ何回かの国政選挙では、マスコミの情勢分析・勝敗予想が
「当たって」いるのではなく、有権者をミスリードしているのである。もっと
もらしい当落予想は有権者を白けさせ、投票率を下方誘導する効果しかない。
 これでは民意の反映にならない。
 マスコミ(企業)が市場主義にふり回される弊が目立つようになって久し
い。
 国の行く末を選択する選挙の報道で大切なことは、勝敗の予想ではなく、た
とえ当選見込みの無い少数派の政策でも、重要なことはウェイトをかけて報道
することだ。
 第一線の記者にハッパをかけて当落の根拠どりをする編集姿勢はおぞましい
限りだ。
 政治の現状に愛想をつかしている無党派層の足を、いかにすれば投票所に向
けることができるかに知恵を絞る方が、よほど建設的である。

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右翼の圧力に屈する自治体の弱腰/大物・岡村吾一死去で塗り変わる勢力地図
                    経済ジャーナリスト 山根 次郎

 さる4月21日、武蔵野市の前市民部長ら職員5人を、農地の宅地転用を急
がせるために脅迫した容疑で、政治団体「新和会」会長を名乗る石原利博
(53)と自称会社役員・鶴岡武典の2人が、警視庁捜査4課と武蔵野署に逮
捕された。
 石原は、武蔵野市中町に住む資産家の男性が所有する畑地(1276平方メ
ートル)の用途を宅地に変更させることを急がせようと3月24日、武蔵野市
役所を訪ねた。
 そして「新和会会長」の名刺を出し「27日に書類を出すので、29日まで
にやってくれ。できなければ街宣車を回すぞ」と脅し、宅地への転用は29日
までに終わり、土地は市内の不動産会社に売却された。
 逮捕された石原は、1984年入院中の東京女子医大病院のベッドで射殺さ
れた尾崎清光(当時48歳)が最高顧問をつとめていた「日本同和清光会」の
会長をつとめた過去があり警視庁は背後関係を捜査している。

       ●闇に埋もれがちな右翼がらみ射殺事件の真相●

 殺された尾崎は、当時、八王子の霊園事業を手掛けており、利害関係の反す
る一味の雇ったプロの殺し屋に殺されたと噂されたが、現在まで犯人は挙げら
れず、真相は闇に包まれたままである。
 尾崎の死後、同霊園事業は大日本国粋会の八木沢虎雄に引き継がれ、八木沢
は当時の金で80億円をつかんだといわれる。既に八木沢も死亡しており、尾
崎清光殺害の真相は明らかになっていない。
 だが、石原のような“尾崎の亡霊”が未だにこうした悪行を引き継いでお
り、同和団体に弱い地方自治体が苦しめられている。
 さる5月29日“戦後最大の右翼”と称された岡村吾一が92歳で急性心不
全のため死去した。昨年5月、岡村の自宅に泥棒が入り現金2億円が盗まれた
として騒がれたのが最後で、岡村の死により右翼の世界の勢力地図がまた大き
く塗り変わるだろう。

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堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(9)        中野 忠良
不正機摘発と警察天下りの激増/パチンコ代議士・平沢勝栄氏のウラ献金疑惑

 92(平成4)年、パチンコ業界の売上高は20兆円を突破、堂々たる産業
に成長した。戦後の日本経済を支えた電機、自動車業界と肩を並べたのであ
る。
 パチンコ(遊技)業界は、創成期、名古屋や桐生(群馬県)に集まったパチ
ンコ台を製造するメーカーと、部品を造る工場は通産省の管轄下にあった。パ
チンコ業界が成長するにつれて全国各地のパチンコホールが「風営法」の規制
を受けるようになって、警視庁の管理下に置かれた。

◆他の省庁の介入を排除した警察庁の利権構築

 営業免許は全国の公安委員会が与える仕組みになっており、パチンコホール
は警察が取り締まる形が出来上がった。それは当然といえば当然の成り行きで
もあったのだろうが、業界の規模が大きくなるにつれて、警察庁以外の省庁が
ツメを伸ばしはじめた。通産省をはじめ厚生、文部、自治相あたりもパチンコ
利権に食い込もうとツメをとぎはじめたのである。
 官公庁の“縄張り争い”は、民間の想像をはるかに超えたすさまじい駆け引
きがある。そうなると、パチンコ産業を育ててきた警察庁としてはその利権を
手放したくないから、当然、防御策を張りめぐらせることになる。パチンコ産
業が巨大化したために、各省庁の利権獲得争いも激化したわけである。
 93(平成5)年、メーカー最大手で上場企業の「平和」(本社・桐生市、
中島潤社長)が不正機(違法機)により摘発を受けた。全日遊連は「遊技機不
正改造防止対策要綱」を制定、不正遊技機排除に乗り出した。同時に
「日工組」も遊技機販売自粛措置を決定、業界をあげて不正機撲滅と取り組ん
だ。

◆警察出身政治家への献金やパーティー券購入

 93年以降は、パチンコ台の不正機追放に警察と業界が一体となって取り組
んできたが“いたちごっこ”が繰り返され、パチンコからパチスロに業界のウ
エイトが移行するのと並行して、パチスロの不正機(セットロム)が横行し
た。
 この過程で、警察官僚のパチンコ業界への天下りが激増、警察出身の政治家
への献金も増大した。
 98年に(大東音響)の不正機が摘発されたのを皮切りに、パチスロ最大手
の「アルゼ」(岡田和生社長)の不正機摘発と平沢勝栄衆院議員(元警察庁生
活安全課長、自民党・東京17区)など警察OBの政治家へのウラ献金疑惑が
出てきて、業界はいま大混乱に陥っている。

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 週刊メールジャーナル 2000年6月7日号 第39号(水曜日発行)
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