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2000/6/14 No.40    週刊メールジャーナル   読者数7376人(前回)
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★東証マザーズの害悪/第1号銘柄の暴力団関与とKOBE証券株価操作疑惑
★有名無実に堕す裁判官国民審査と任官拒否判決と守旧派の反民主主義的戦略
★堕落警察のルーツ/パチンコ利権(最終回)かつての警察モラルは何処へ
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東証マザーズの害悪/第1号銘柄リキッドオーディオの暴力団関与と
KOBE証券の株価操作疑惑       経済ジャーナリスト 中野 忠良

 東証マザーズ第一号銘柄となったリキッドオーディオ・ジャパンは、今年
1月末、都内のホテルで芸能人を集めて“上場記念パーティ”を開き、一躍、
全国的な知名度を得た。ところが、株式市場では、リキッドオーディオに対す
る投資家の疑惑のまなざしが寄せられている。さらには、リキッドオーディオ
を上場させた幹事証券のKOBE証券には株価操作疑惑が浮上している。今週
から3回に分けて詳しく報告する。

●売り上げがないのに株価1200万円

 「一時は株価が1200万円台だったリキッドオーディオは、なぜ売り上げ
がこんなに小さいのか。本業の音楽配信事業が本格的に始まっていないから、
収入がほとんどない。米リキッドオーディオ社との独占契約が最大の強みだ
が、事業として軌道に乗るかどうか。現時点での判断は難しい」(兜町記者
クラブ)
 株価1200万円に対して、リキッドオーディオの売り上げはたったの33
万円(当時)だ。当然、こんな会社が、なぜ店頭市場マザーズに上場されたの
かという不審もある。
 「リキッドオーディオは、東京証券取引所マザーズの銘柄だ。資金調達手段
が限られているけど、将来性のある新興企業に、事業を展開する資金を供給す
る目的を持った市場だ。リキッドは株式公開で30億円の資金を得て、これで
事業を本格的に進めていく。うまくいかなければ、株券は紙クズだけど、それ
は承知の上での公開だし、投資家もそのつもりで株を買っているはずだ」
(中堅証券広報室)
 ベンチャー企業の育成を目的とした店頭市場マザーズでは、株価が1億円を
超えたヤフーのような会社もある。だが、リキッドオーディオの場合は、暴力
団の影がチラついているのだ。

●社長が暴力団のフロント企業に勤務していた

 リキッドオーディオの大神田正文社長は、人気女性タレントが多く所属する
芸能プロダクション「B」のS社長(暴力団関与があり賭博で問題を起こした
自民党代議士の元秘書)との関係が深いという。
 S社長はイトマン事件の主犯・許永中被告の逃走資金を作っていたとの噂が
あり、大神田社長自身が、暴力団のフロント企業で“占有屋”の「パパイノエ
ール」に勤務していたこともある。リキッドオーディオの筆頭株主である
「スーパーステージ」の黒木正博社長は、担保物件の占拠にかかわったり、車
庫飛ばしをやっていた人物だといわれている。
 警視庁は東京証券取引所に対して、ベンチャー企業向け新株式市場マザーズ
の上場審査基準について、暴力団関係者を排除するよう基準の強化を求める
“異例”の注文をつけた。
 これを受けて、東証では4月13日以降、上場を予定している企業に対し
て、暴力団との関係がないことを記した「確認書」の提出を義務付けると発表
している。
 だが、新興企業が簡単な審査を経ただけで上場できる現在の仕組みが、暴力
団の参入をたやすく許し、資金源として悪用される恐れが現実問題になってき
たことを、マザーズ上場一号のリキッドオーディオ・ジャパンが証明した形で
ある。                           (つづく)

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有名無実に堕した裁判官国民審査と任官拒否判決と守旧派の反民主主義的戦略
                       ジャーナリスト 川崎 明

 こんどの総選挙でも最高裁判事の国民審査が行われる。「もうひとつの総選
挙」といわれるほど主権者にとっては重要な権利にもかかわらず影の薄い存在
だ。
 任命後最初の総選挙とその後10年を経た後の総選挙のときに行われる。今
回の対象者は9名の予定である。
 罷免を求める票が罷免反対(信任)の票より多い裁判官は、結果の告示から
30日以内に審査無効の訴えが無いと罷免される。
 しかし、過去15回の審査では、罷免を可とする有権者の割合は平均して
8.9%で、実質的に無意味な審査になっている。
 その要因としては、(1)裁判官の実績を有権者が知らないこと、(2)白紙
は罷免不可と解釈されること、(3)○印は無効と解釈されることなど、運用
上の問題があるからだが、国家権力の構造から考えれば民主化の徹底はできる
だけ避けたいという本音が根底にある。
 そんな本音が丸見えになったのが、司法修習生の任官拒否に係わる賠償請求
事件の判決である。

        ◆司法研修所教官が修習生を「肩たたき」◆

 去る5月26日大阪地裁は、裁判官志望だった司法修習生を、最高裁が採用
しなかったことの当否が争われた訴訟で、元修習生側の主張を全面的に退ける
判決を言い渡した。
 この裁判では、最高裁がこの修習生を判事補に任命しなかったことが社会通
念に照らして妥当性を欠いていたかどうかに加えて、司法研修所の教官がこの
修習生に対して裁判官志望の撤回を求めた行為(逆肩たたき)の違法性などが
争点になった。
 判決は、任官拒否の違法性をめぐって、まず「内閣によって任命されるべき
裁判官候補者の指名は最高裁の裁量にゆだねられているが、裁量権の逸脱ない
し乱用は違法となる」と判断を示したが、「本件最高裁の判断は、その判断基
準について、妥当性に異論はあるにせよ、十分合理的で、違憲・違法ではな
い」と述べ、「本人については、こうした判断基準に照らしたもので思想信条
などそのものを理由にしていないことは明らか。裁量権を逸脱したり、乱用し
たとは認められない」と結論づけた。
 司法研修所教官が任官志望の撤回を勧めた逆肩たたきについても「思想信条
による差別を目的とするものではない」として違法性を否定した。

       ◆「箕面忠魂碑訴訟の参加」が任官拒否理由◆

 だが、判決理由にもあるように本人は1993年、司法研修所の教官から、
「君が裁判官になったら危ない」とか「最高裁に推薦状は書けない」などと裁
判官志望の撤回を求められた事実があり、それでも最高裁に採用願を提出、
94年4月、105人の裁判官志望者のうちただ1人、任官を拒否された事実
もある。
 しかも、最高裁は任官拒否の理由を「人事の機密に属することで公表できな
い」としており、本人にも説明していない。この裁判でも、国側は不採用の理
由は明らかにしないという姿勢を貫いた。
 だがこの裁判では、本人が「箕面忠魂碑訴訟」の原告補助参加人であったこ
とが真の争点であったことは、94年4月の判事補任官拒否の際、各地の弁護
士会が抗議声明を出したことでもあきらかである。
 1970年代には、「青年法律家協会」(青法協)の会員に対する任官拒否
が相次いだが、今回の任官拒否は7年ぶりのケース。この後現在まで、6人の
修習生が任官を拒否されているが、今回の裁判を通じてもなお、最高裁の判断
基準は明らかにならなかった。
 このような「秘密主義」は裁判所だけでなく司法制度全般に行き渡ってい
る。
 今行われている司法制度改革の論議では、判事補任用制度をやめ、原則とし
て経験豊富な弁護士から裁判官を選ぶ「法曹一元」制度をとるかどうかが重要
テーマになっている。
 これまでのところ、最高裁は「法曹一元」に反対の態度をとっている。
 その背後には、「防衛・警察・裁判」という「国の箍(たが)を締める
3権」だけは緩められないとする、この国の「守旧派」の政略があることを、
しっかり見据える必要がある。

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堕落警察のルーツ/パチンコ利権漁り恥史(最終回)      中野 忠良
世界に誇った日本警察の高いモラルを、たった10年余で完璧に腐敗させた

 業界規模が拡大するにつれて、パチンコ業界に対する最も取締りの厳しい
“換金業務”の改革が課題となった。パチンコ業界のフィクサー・熊取谷稔
コスモグループ代表(コスモイーシーというパチンコカード発行会社を中心と
した企業グループ。NTTのドン真藤恒との太いパイプで、パチンコ・プリペ
イドカード事業で強大な利権を得た)が「J・NET」(ジャパン・ネットワ
ーク・システム)を平成2年に設立、将来的にはICカードで換金分野を一元
化しようという動きが具体化した。
 現在、各メーカーが実施している会員カード(貯玉、再プレー、景品カタロ
グ販売や景品発送まで)は、ICカードへの伏線として用意されている。会員
だから個人登録のIDカードである。J・NETはそのIDカードによる出玉
貸玉管理、商品提供、換金システムなのである。
 熊取谷は、プリペイドカードの時と同様に日遊協、NTTデータ通信と共に
コスモグループが主要株主になって、現在の貯玉会員カードシステムの第三者
管理会社を作った。最初は、三菱商事、住友商事に三井物産を加えようとした
が、三井はこれを拒否、代わりに遊技機のワンチップROMを一手に製造供与
する「LEテック」(レジャーエレクトロニクステクノロジー)という会社の
利権を三井は手に入れた。

●今後は業界と警察との対立の時代へ

 熊取谷のJ・NET事業には三井物産の代わりにイトマンが参加したが、例
のイトマン事件で撤退、現在はNTTデータが中心的な役割を果たしている。
 熊取谷は、パチンコの最後の利権“換金システム”を牛耳ることによって、
30兆円産業になったパチンコ業界を支配しようと狙っているのだ。彼の背後
には、後藤田正晴、亀井静香、平沢勝栄ら警察庁OBの政界人脈が控えてお
り、彼の構想を支援してきたといわれる。
 警察庁は、変造カード、偽造カード、不正機(セットロム)の被害が増大す
るなか、業界に対して「全台CR機の導入」を要請、カード一体型機−ICカ
ード化でパチンコ業界の管理を徹底しようとの野心を着々と進めている。
 ところが昨年ごろから「日遊協をはじめ業界団体が、警察庁の指導強化に反
発するムードが高まり、パチンコ業界と警察庁の対立が目立つようになった。
 パチンコが誕生して50年。世界に誇った日本警察の高いモラルを完璧に腐
敗堕落させた警察官僚・警察OBの「パチンコ利権漁り恥史」。レポートの連
載は、これでいったん終わりにするが、業界と警察の対立はこれからも延々と
繰り返されてゆくだろう。                    (完)

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