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2000/6/21 No.41 週刊メールジャーナル 読者数7366人(前回)
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★最近の宮沢蔵相財政発言の混乱で囁かれる「やっぱり自民党は相当苦しい」
★東証マザーズの害悪2/野村証券人脈の重鎮、豊田善一と後藤光男の功罪
★総会屋が株主総会シーズン直前に“微罪逮捕”か?/競売妨害の容疑
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最近の宮沢蔵相の財政発言の混乱で囁かれる「やっぱり自民党は相当苦しい」
ジャーナリスト 川崎 明
「平成の高橋是清」とおだてて蔵相に招いたのは故小渕恵三前首相だが、金
融システム崩壊の危機に際しては、金融国会で野党案を丸飲み込みする決断を
故前首相とともにした以外、さしたる実績も無いまま、影の薄い存在になって
いるのが、宮沢喜一蔵相である。
その宮沢蔵相の、5千億円の公共事業等予備費の使い道を巡る発言が、短期
間のうちにくるくると変わっている。
去る5月21日には、「9月に出る4〜6月期の成長率によっては、補正予
算が必要だという意見も出るかもしれない。その時はまず、予備費をすぐ使う
ことを考える」と述べたかと思えば、6月2日には、「どういう風に予備費を
使う、使わないは、新内閣がきめることだ」と述べている。
ところが、その舌の根が乾かないうちに今度は「4〜6月期を見てからとい
うのは、通りそうもない」(6月14日)と予備費の早期使用の可能性を述べ
ている。
◆選挙対策を求める与党幹部のごり押し
蔵相は、3年ぶりのプラス成長が発表された9日の記者会見で、1〜3月期
の景気は「大変いいということでもないが、十分よかった」として、今年度後
半の財政運営は9月に考えるべきだ、という方針を表明していた。
それが、予備費の早期使用を認めた14日の会見では、「(景気が)もう少
しいいと思っていたが、それほどでもないということを予見できなかった」
と、苦しい言い訳をしている。実は、このような発言の変化は、蔵相本人の意
思に関係なく、選挙対策を求める連立与党・政府内部の実権派グループの声に
押されて、やむなく早期使用を認めた様子がありありである。
蔵相発言の軌道修正をさせる一方で、5千億円の配分額についての与党案を
発表した亀井静香自民党政調会長は、早くも「4〜6月期の成長率によっては
補正予算を組む」と明言をしている。
◆財政再建の道筋をつけたい蔵相だが
6月18日放映のテレビ朝日系列「サンデープロジェクト」に出演した連立
与党の各党首も、補正予算について、この亀井発言を追認していた。
これでは、連立与党の選挙対策に、国の予算を私していると言われてもしか
たがない。
これまでの既得権益に縛られた予算配分をしても、景気回復効果は限られて
いることが明らかなのに、あえて予算をつけるのは、保守体制維持のためのば
ら撒きにすぎない。
宮沢蔵相の頭の中には、財政再建の中長期的な道筋を、国民の前に明らかに
したいという思いがあったはずだ。国民が「平成の是清」に期待しているの
も、冷静で的確な景気判断に基づく財政運営であり、実権派グループのごり押
しに負けて、大盤振る舞いを続ける安易な姿勢ではないはずだ。
いまの選挙情勢は連立与党側にとって、そこまで厳しい状況になっているの
であろうか。
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東証マザーズの害悪(2)/野村証券人脈の重鎮・豊田善一と後藤光男の功罪
暴力団関連企業の上場と株価操作疑惑 経済ジャーナリスト 中野 忠良
リキッドオーディオを上場させ、株価操作疑惑が持たれているKOBE証券
(旧丸起証券)には、今から4年前の平成8年9月、当時、国際証券相談役に
退いていた証券界の重鎮である豊田善一(72)が会長に迎えられた。
このスカウト人事は、日本でのM&A第1号を成功させた「野村企業情報」
の後藤光男が仕掛けたもので、当時は“人材のM&Aと話題になった。
後藤光男(昭和10年3月生まれ)は、野村証券で常務まで栄進、鈴木政志
(会長)酒巻英雄(社長)田渕義久(同)らと同期で、彼らと社長レースを争
った逸材である。
豊田善一は、後藤と同様、野村証券で副社長まで昇進、ひと昔前に田渕節也
(のち社長・会長)らと社長のポストを競った人物で、そのモーレツ営業ぶり
は業界で有名だった。その後国際証券に転身する。
●優れた経営手腕で国際証券を一流企業に育てた豊田
国際証券は、1981年(昭和56)野村投信販売、八千代証券、光亜証券
の3社が合併して発足した“寄り合い世帯”の会社だった。
国際証券の初代社長は野村投信販売社長だった川島章司が就任、異例の速さ
で社内融和が進み、業務体制、店舗網の整備が整い、5年後の86年12月川
島が会長に退き、豊田善一が2代目社長に就任した。
豊田新体制の下で総合金融機関を目指した組織改革と顧客の多様なニーズに
対応する体制が作り上げられ、87年5月には念願の株式上場を果たし、89
年3月、東京、大阪、名古屋の各証券取引所第一部に指定替えとなり、準大手
証券の地位を固めた。短期間のうちに投信、債券、株式のバランスのとれた総
合証券会社に育て上げ、大手4社に次ぐ準大手証券に躍進した豊田の経営手腕
は特筆される。
「好事魔多し」で、豊田社長は働き過ぎがもとで脳血栓で倒れた。しかし、
不屈の闘志で奇跡的な回復を遂げて第一線に復帰する。
「リハビリ後、大きな体駆をステッキに預けて、お得意先を訪問、毎日のよ
うに客を食事に接待する。筆者の事務所にも何度となく足を運ばれたが、不自
由な体にムチ打っての迫力に、思わず涙するような感動にうたれた」(針木康
男「社長ウォッチング」より)
と針木が書いているが、豊田のような突進タイプの経営者は敵を作る。90
年1月、入院療養中の豊田に代わって野村証券OBの石井大和が会長、同じく
松谷嘉隆が社長に就任する。
●KOBE証券の活力を生んだ後藤の人材M&A
だが、社長を退いた豊田は、会長にもなれず、相談役に退かされたのであ
る。後藤光男が豊田に声を掛けたのは、まさにこの時で、恐らく“失意のドン
底”に落ちていた彼は、再び経営の第一線に復帰できることを狂喜したに違い
ない。
後藤光男は野村証券大阪営業部時代に、豊田部長の下で働いたことがあり、
その昼夜をわかたぬモーレツな仕事ぶりを仕込まれた。
「豊田さんにきてほしいというのは、かなり度胸がいりましたよ。何しろ豊
田さんは野村証券グループの重鎮で、国際証券のオーナーのような存在ですか
らね。怒鳴りつけられるのではないかと思いましたが、KOBE証券を軌道に
乗せるには豊田さんにお願いするほかないと思って頭を下げに行きましたよ」
と後藤が後に語っているように、大先輩を地方の小さな証券会社に迎えるに
当たっては相当の勇気が必要だったようである。
豊田を会長に迎えたKOBE証券は、東証マザーズ第一号銘柄となった音楽
配信ビジネスの「リキッドオーディオ・ジャパン」を幹事証券として株式公開
させた。このほか、「ドンキホーテ」のような成長企業の株式公開を手がけ、
エネルギッシュな活動をしている。
後藤光男の「人材M&A」は見事に開花したといって良いだろう。しかしな
がら今日、リキッドオーディオの暴力団関与と株価操作疑惑が上がっている。
(つづく)
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総会屋が株主総会シーズン直前に“微罪逮捕”か?/競売妨害の容疑
経済ジャーナリスト 山根 次郎
5月30日、大手総会屋グループの「山波総研」の代表・林長成(50)と
不動産会社社長の石渡直蔵(83)が、偽の賃貸契約書を作り、不動産の競売
を妨害したとして逮捕された。
逮捕された林は、都内の古参総会屋で、経営破たんした東京相和銀行から
7000万円の融資を受け、芸能プロを経営、当時のアイドルグループ「ピン
クレディー」を育てた総会屋の小川薫(62)の下で総会屋の仕事を修業した
一人で、さきに“野村・一勧事件”の主役として逮捕された小池隆一の“同期
生”だった。
今年の株主総会は、日商岩井、日本航空、富士銀行などで大荒れが予想され
ているが、現在、最大グループとなった小峰伍郎、論談同友会などが問題企業
の総会を手ぐすね引いて待ち受けており、熾烈なサバイバル・ゲームが展開さ
れるだろう。
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