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2000/7/12 No.44 週刊メールジャーナル 読者数7389人(前回)
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★報道されない許永中マネーのゆくえとミサワホーム・三沢千代治社長の悪事
★「省庁統合・新組閣まで政局維持」を何より優先する野中広務の統制と強権
★何かウラがあるのか、北海道の政官業主導の悪質談合事件と公取委の処分
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報道されない許永中マネーのゆくえとミサワホーム・三沢千代治社長の悪事
仕手集団コスモポリタンの担保横流し 経済ジャーナリスト 中野 忠良
中尾栄一元建設相の“受託収賄事件”で、許永中マネーの全容が明らかにな
ってきた。若築建設の石橋浩元会長に対して許永中被告(53)が提供した資
金は計3回で総額21億円。この中から中尾に計7000万円、竹下登に
5000万円以上、亀井静香に3000万円以上が渡されたことが中尾逮捕の
「陳述書」で明らかになった。
だが、これは“許マネー”の氷山の一角であり、未だ解明されない巨額の金
の行方は依然として謎のままである。その一つがここで初めて紹介する「ミサ
ワホーム」(三沢千代治社長)に流れた金だ。
昭和62年夏、証券市場で注目を浴びた仕手集団「コスモポリタン」
(本社・大阪市梅田、池田保次社長)は、雅叙園観光、石原建設、タクマ、金
門製作所、百五銀行、宮崎銀行、徳陽相互銀行、ミクロ製作所、丸石自転車、
日本ドリーム観光、白木金属、オーミケンシの12銘柄を手掛け、計
7913万2600株、株価総額は791億3260万円に及んだ。
コスモポリタンは、新和観光開発(奈良)有馬花之坊(神戸)エハラ観光開
発(福岡)銀杏観光(大阪)東京コスモポリタンなど17の企業グループを構
成していた。
池田保次社長は「上場企業を傘下に収めたい」というのが夢で、雅叙園、
タクマ、石原建設の株を買い占め、いわゆる“M&A”(会社乗っ取り)を仕
掛けたのである。
わずか5年間でこれだけの企業グループを構成し、会社乗っ取りを仕掛けた
のだから、資金作りは大変で、買い占めた株を担保にしては次の買収資金を作
っていた。
◆人の弱みにつけ込む三沢の悪どい手口が告発される◆
この池田が雅叙園観光の経営権を取得、経営陣に乗り込んだ時には、借金の
利子がかさみ、1500億円の資金を調達せねばならず、62年暮れには、ホ
テルニューオータニの屋上から飛び降り自殺を図ろうとしたほど追い詰められ
ていた。
苦しまぎれの資金調達に、池田は許永中から紹介されたミサワホームの三沢
千代治社長に、所有するタクマ株を預け、50億円を借りた。保証人はアイチ
の森下安道社長である。
この時、タクマ株の他にグループ会社のスペックス(森田壮一社長)が白紙
手形をミサワホームに渡した。
ところが、ミサワホームは、63年8月1日、コスモポリタンが不渡り倒産
し、池田保次社長が行方不明になったのをいいことに、担保の株を売り払って
現金化したほか、預かった手形にも金額と日付を書き入れて、手形交換所に回
してしまった。
ミサワホームの、担保として預かった株を売却したこと、白紙手形を使った
ことの2つの行為は“不法行為”であり、人の弱みにつけこんだ悪どいやり方
で、当事者であるスペックスの森田壮一が三沢千代治社長を告発している。
(次号につづく)
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「省庁統合・新組閣まで政局維持」を何より優先する野中広務の統制と強権
ジャーナリスト 川崎 明
総選挙の評価を巡って自民党内の確執が表面化してきた。7月の両院議員総
会で若手議員が執行部の静止を振り切って発言を求めたことが発端だ。
石原氏(加藤派)ら若手議員が集まって派閥横断組織「自民党の明日を創る
会」を立ち上げた。これは、今度の選挙では自民党は明らかに惨敗なのに、こ
れを正しく総括しないのは執行部の責任回避だ、と指摘し、ひいては国民の信
を失い次の選挙ではさらなる敗北は必至と、党内に危機感を訴えている。
若手議員らが言うまでも無く、今回の自民党敗北は国民誰もが認知の事実で
ある。しかし、これを認めれば、小渕前首相入院当時の「5人組」による密談
に遡及して主流派体制の見直しが必要になり、それはできない相談であろう。
第2次森内閣は「密室の談合」以来の筋書きであり、連立与党の絶対安定多
数の確保を含めて、ここまで筋書き通りに運べたのは野中広務幹事長の豪腕あ
ってのことである。これに亀井静香政調会長、青木幹雄前官房長官を加えた主
流派実権グループが失脚すれば、現実問題として旧小渕派ばかりか主流派全体
が統制困難に陥ってしまうこと明らかだった。
このため、説明の仕方はどうであれ、この森内閣は中央省庁統合による第三
次組閣までもたさなければならないと言う筋書きが優先するのである。
その目的のために、物言えない、言わさない統制を強めてきたものの、強権
統制がついにほころびを見せ始めたのである。
●親離れできない自民党若手グループ
「創る会」に依拠した若手メンバーが提案する自民党改革プランに期待をよ
せるのは、実権派グループに近い執行部メンバーにも多い。
派閥均衡、順送りの実態ががあまりにも明らかな今回の森内閣だが、このよ
うな状態を否定するとなると、つまりは、派閥解消と言う、かつての見果てぬ
夢にたどりつくのは明らかである。
国民の中の自民党支持層の多くも、派閥解消には期待をするものの、それが
如何に容易でないかを知っている。
今回「創る会」を立ち上げた若手グループにも根っこの部分では、いまだ派
閥の現実から親離れしていないメンバーは多い。
しかもなぜか、メンバーの中心には親に大物と言われた政治家を持つ二世議
員が多く、親離れしているかどうかに疑問を感じる人物もいる。
親たちが作り上げた今の体制を根っこから変えようと言う意欲は大いに買う
が、それぞれの派閥から除名される前に、打ちそろって飛び出すことを実行し
てはどうか。「親の失敗は繰り返したくない」というメンバーもいるようだ
が、国民が期待している2大政党を実現するために、実力をもった「キャステ
ィング・ボート」ならよどみきった政治の流れに、新たな奔流を生み出すこと
になるかもしれない。
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何かウラがあるのか、北海道の政官業主導の悪質談合事件と公取委の処分
ジャーナリスト 佐藤 進
北海道発注の農業土木事業の指名競争入札で、国会議員や道議会議員、同庁
幹部の主導による大掛かりで組織的な談合が発覚したにも関わらず、5月15
日、公正取引委員会は道内297社の中小零細企業だけを処分し発注者の告発
を見送った問題で、関係者から疑問の声が上がっている。
この事件は、昨年秋までの短くとも3年半にわたって、少なくとも約
2300件、少なくとも総額約610億円の指名競争入札で談合行われ、業者
は不当に高い価格で農業土木工事や測量設計の仕事を北海道庁から受注した。
一方で業者は、同庁の天下り役人を大量に雇用し、また口を利いた政治家に口
利き料を支払っていた。
それぞれの工事の落札者は、北海道庁農政部が各業者ごとの年間受注予定を
もとに恣意的に決められ、農政部が各支庁から業界団体を通じて落札予定価格
をその業者に伝えていた。
●政治家の口利きと天下りで発注を決定
さらに、同庁農政部は発注事業の約1割をマル政枠(政治家の口利き枠)と
し、北海道選出の国会議員や道議会議員の口利きに応じて割り振っていた。農
政部が作成していたマル政リストには堀達也知事による口利きも含まれていた
という。
また農政部は、それぞれの事業の落札者を決めるに当たり、北海道庁職員の
定年退職者の天下りを受け入れた業者にはその人数に応じて落札金額を増や
し、一方で天下り受け入れを渋る会社を冷遇した。
こうした実態を内偵していた公取委は昨年10月20日、北海道庁、業界団
体、主要業者を一斉に立ち入り検査し、今年5月15日、道内の建設業者
203社と測量業者94社、計297社に排除勧告を行った。今後、これら
297社には多額の課徴金納付命令が出される。しかしながら、堀達也知事や
政治家、同庁農政部には処分は行われない。公取委が北海道庁に対して法的拘
束力のない「改善勧告」を行っただけだ。
●5年前の下水道談合より悪質なのになぜ
そうした公取委の対応に対し業者側では、「われわれは役人の指示に従って
やっていただけだ」「弱い者いじめではないか」との不満の声が上がってい
る。
談合事件で発注者側の法的責任を問うことは、公取委による行政処分として
は不可能だが、公取委が独禁法違反として業者を地検に刑事告発し、その
共犯・幇助犯として発注者を刑事告発することが可能だ。
95年の日本下水道事業団発注の電気設備工事をめぐる談合事件では、刑事
告発により発注者側の事業団幹部が起訴され、執行猶予付きの有罪判決が確定
した。
しかしながら、今回の北海道庁の談合事件では、いっそう悪質で根深い政・
官・業の癒着による税金の横領であるにもかかわらず、公取委は刑事告発を見
送ってしまった。公取委側は「談合を行っていた業者は中小零細業者で、1社
あたりの受注額が少ないため」などと的はずれな理由を説明しているが、公取
委の内部事情に詳しい関係者も首をかしげ「何かウラがあるのか」と本誌に語
っている。
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週刊メールジャーナル 2000年7月12日号 第44号(水曜日発行)
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