■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2000/7/19 No.45 週刊メールジャーナル 読者数7453人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★亀井静香氏パフォーマンスの裏の欺瞞/長銀の瑕疵担保特約と不良債権隠し ★問題企業ハザマをなぜ救済するのか(1)一勧役員への株主代表訴訟は必至 ★スクープ/アルマーニの偽ブランドをスーパー「オリンピック」が安売り ___________________________________ 亀井静香氏パフォーマンスの裏の欺瞞/長銀の瑕疵担保特約と不良債権隠し 金融再生法見直しで経営責任明確化を ジャーナリスト 川崎 明 そごうが債権放棄を断念して、法的処理に変更せざるを得なくなったのは、 国民の怒りが自民党を動かしたからだと見る世論もあるが、17日に開かれ た、衆院大蔵委員会の集中審議を見ても明らかなように、ことはそう単純では ない。 国民の税金を、民間の、しかも百貨店の救済に投入することなぞ言語道断と いう常識が、政府決定をひっくり返すことになったことは間違いない事実であ る。 だが、このことによって血税=国民の負担増になったこともまた事実であ る。 穴埋めに使われる税金は債権放棄なら1000億円、法的処理なら最低 1240億円、実際にはこれ以上の血税が使われることになるのは間違いな い。 その原因となった「瑕疵担保特約」について、集中審議の中で政府側は「見 直す気が無い」ことを明言しているからである。 ◆アングラ人脈に流れた巨額マネー この「瑕疵担保特約」は政府側が弁明しているように、長銀の譲渡契約を急 ぐあまり、債権内容を十分に吟味して二次損失の分担割合を決定する「ロスシ ェアリング」契約をしなかったことが問題なのである。 なぜ、債権内容の吟味を避け、民法570条を援用した「瑕疵担保特約」に したのかといえば、そごうばかりでなく、ハザマや熊谷組に対する旧長銀不良 債権の発生原因を第三者の目で確認されることを嫌ったからである。 これをいちいち評価すれば、いかに政官業が癒着して不動産案件に対して、 銀行からジャブジャブと金を流させたかが明らかになるからである。 アングラ人脈に流れたマネーの源流が明らかになれば、長銀そのものに対す る公的費用の投入が、国民批判の的になるからであり、これだけは何としても 避けなければならなかった。 ◆「瑕疵」知らないはずない金融再生委 「瑕疵担保特約」では、売買の目的物に隠れた欠陥があった場合、売主が責 任を負うという規定がある。普通、買った家が欠陥住宅だった場合などに適用 されるもので、法の精神は売主も買主も欠陥を知らないことが大前提である。 しかし旧長銀の欠陥債権については、融資を仲介した闇の力と、巻き込まれて いた政治家とその取り巻きらは無論のこと、金融再生委員会も債権の「瑕疵」 について、知らない筈は無いのである。 そごうの一件によって、ハザマの債権放棄も難しくなった。そのため、ハザ マに対する新生銀行の債権は第一勧銀が債権譲渡を受けることになった。しか し、その原資も、結局は政府が第一勧銀に注入した公的資金なのである。 亀井静香自民党政調会長が例によって「国民のために…」と言うパフォーマ ンスも、このような欺瞞の構図に基づくものだと言うことをしっかり認識して おく必要がある。 いま、真に必要な立法は、金融再生法の見直しであり、金融機関の欠陥債権 に対しては税金を使わせないこと。経営破たん企業の再生が必要なら、経営責 任を明確にする再生法に改正する必要がある。 ___________________________________ ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇ 問題企業ハザマをなぜ救済するのか(1)一勧役員への株主代表訴訟は必至 社内モラル低下と有能な人材の大量流出はなぜ起きたか 本誌 大森哲夫 そごうの次は、ゼネコンの債務免除が議論を呼んでいる。 その第1号として、ハザマの借金(連結ベースの有利子負債)約4000億 円のうち、1050億円を第一勧業銀行らが棒引きすると発表する見込みだ。 巨額負債を抱えるゼネコン各社を「借金棒引き」によって救済するか、ある いは「そごう」のように「会社更生法適用、事実上倒産」とさせるか、議論は ある。失業が及ぼす社会的問題や、金融機関の負担がどちらが多いかという問 題などが検討されるだろう。 しかしながら、その第1号に「ハザマ」というゼネコン業界でも名だたる問 題会社が名乗りを上げていることに、業界関係者は驚き呆れ果てている。「い いものは救済し、悪いものはつぶすのが原則だ。ハザマを救済したら、それが 前例となり、すべてのゼネコンを救済しなければならなくなる」と危機感をつ のらせる金融関係者もいるが、その理由を連載で報告する。 ●指名停止処分の事故虚偽報告は氷山の一角 ハザマ広報部や総務部のマスコミ対策が非常に巧みなため、あまり知られて いないが、ハザマは「ゼネコン業界では5本の指に入る問題企業」といわれて いる。 ハザマの内部事情に詳しい関係者は実態をこう語る。 「昔は“土木の名門、技術のハザマ”などと言われたが、3年前ぐらいか ら、現場をよく知るベテランや優秀な技術者が大量に人材流出し、ここ3年間 で社員の4分の1が辞めた。現在も辞めていく人が後を絶たない。残っている のは、辞めても就職口のない質の悪い連中ばかりで、工事現場での事故やトラ ブルも増えている。現場所長が下請け業者にご祝儀を要求するなどの実態もあ り、技術力がある有力下請けからも発注者側の役所からも信用が失墜していま す」 99年4月には、茨城県ひたちなか市内の桟橋工事で下請け作業員の骨折事 故で虚偽報告を行ったとして、建設省が1カ月、茨木県が2カ月の指名停止処 分をハザマに対して行ったが、「こうした現場不祥事は氷山の一角」(関係 者)という。 本業の受注・売上高や営業利益も毎年減少し、今年三月期決算では最終損益 が255億円の赤字を計上した。 ●汚職事件後の経営内紛で副社長2人が失脚 ハザマは、94年の有名なゼネコン汚職事件で会長と社長が同時に逮捕され た。その直後社長に就任した松本幹生氏には人望がなく、副社長同士で次期社 長ポストをめぐり激しい内紛が発生した。その結果、社内刷新を目指し従業員 に人望があった若い副社長2人が95年に失脚するという事態に発展。 この事件を契機に、従業員の愛社精神やモラルが決定的に低下していった。 第一勧業銀行はハザマに対し93年以降、担当幹部をハザマの筆頭副社長と して送り込み、こうした同社の内部情報をチェックしている。 ハザマ内部の実態を熟知しているにも関わらず、なぜ今回のような債権放棄 に応じるのか。ある金融関係者は「政治的な圧力があるのか、ハザマに対し弱 みでもあるのか、単に愚かなだけか、分からない」と言葉少なに語る。 証券界でもハザマのこうした問題は知れ渡っており、株価にそのまま反映し ている。先週のハザマの株価は一時40円を切り上場来最安値をつけた。 ゼネコン銘柄に詳しい兜町関係者は債権放棄にこう疑問を投げかける。 「長引く不況で日本では自殺者が2年連続3万人を超えている。倒産や失業 で自殺するような人は、真面目で責任感の強い人ばかりだ。モラルハザードが 上から下まで蔓延しているハザマのような会社が倒産したところで、深刻な失 業問題がどうなるものでもないだろう」 いずれにせよ、ハザマに対し債権放棄を断行すれば、第一勧銀などの取引銀 行役員に対し株主代表訴訟を提起されるのは必至だ。 (つづく) ___________________________________ ⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔ 【スクープ】アルマーニの偽ブランドをスーパー「オリンピック」が安売り ラルフ・ローレンなどの高級品も 経済ジャーナリスト 中野 忠良 東証2部上場で、首都圏で44店舗を展開する中堅小売業の「オリンピッ ク」(本社・立川市、金沢良樹社長)は、スポーツ・レジャー用品をはじめ家 電製品、衣料品、食品と扱い商品は多岐にわたっている。 各々の商品に“目玉商品”を揃えて、ディスカウントで客を引き寄せている わけだが、衣料品ではアルマーニ、ラルフ・ローレンなど高級品を扱ってい る。 例えば、アルマーニのTシャツは、普通7〜8000円の品物を2900円 で安売りをしている。ラルフ・ローレンなどの高級ブランドも同様に安売りを しているのだ。 高級ブランド品が、信じられないような値段で安売りをされているわけだ が、オリンピックで売られているアルマーニについては、大変なカラクリがあ った。 「品物を中国で作らせて、アルマーニのタグ(名札)を日本でつけて卸して いる」(衣料品仕入れ業者の話)というのである。 オリンピックにアルマーニのTシャツを納入している業者の話によれば「中 国で偽物のアルマーニを作らせて、日本でタグをつけている偽造団がいる」と いうのだ。 ●広域指定暴力団が関係する偽造グループ この偽造団は、広域指定暴力団が関係していて、アルマーニだけでなく世界 的な一流ブランドの偽物を作る偽造グループが存在するという。 オリンピックの仕入れの責任者である高橋修一衣料品部長は「タグを含め て、私どもで書類上の調査をしましたが、100パーセント本物と思って仕入 れています。間違いのない商品です」と説明する。 だが、高橋部長は国際的な偽造団の存在を知らず、オリンピックに納入して いる業者がその手先であることも知らなかったという。偽物だと知っていて、 業者からワイロをつかまされて知らん顔をしているとも考えられる。 日本でアルマーニ製品の代理店をしている「アルマーニ・ジャパン」では、 オリンピックが偽ブランドのアルマーニを売っていた事実を知らず「商標権者 と相談して、商品を鑑定した上で偽物とわかったら警告を出す」(担当者の 話)と語っている。 JTの偽たばこ事件の被害が広がっているが、こちらも廃棄した中古機器を 使って、中国で偽造したものだと判明した。 …………………………………………………………………………………………… このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 配信を希望または中止されたい 方はこちらでどうぞ。 http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2000年7月19日号 第45号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫 東京都千代田区富士見2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールrequest@mail-journal.com 転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |