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2000/7/26 No.46 週刊メールジャーナル 読者数7448人(前回)
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★誰のための検察かが歴史的に問われている/血税で処理されたバブルの陰部
★芸能プロダクション最大手「バーニング」周防郁雄社長に近く国税のメス
★問題企業ハザマ救済の愚2/業績低迷と人材流出の裏に経営改革路線の挫折
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誰のための検察かが歴史的に問われている/血税で処理されたバブルの陰部
許永中、竹下登がらみ巨額不良債権の解明なるか ジャーナリスト 川崎 明
建設省発注工事の指名競争入札をめぐる汚職事件で、都内の画商福本邦雄が
逮捕された。
本誌43号(7月5日発行)で指摘したように、なぜかマスコミが実名報道
を遠慮していた人物の一人である。
こんどの逮捕は、すでに逮捕された元建設相で自民党前代議士中尾栄一容疑
者=受託収賄容疑で再逮捕=の共犯容疑である。
1996年8月下旬、贈賄側の石橋浩・若築建設元会長側から提供された
1千万円の授受に関与したとされる。
許永中被告=イトマン事件などで公判中=とともに、元会長らを元建設相に
引き合わせてわいろの提供をうながしたというものだ。
福本容疑者は、産経新聞記者を経て、第2次岸信介内閣で椎名悦三郎官房長
官の秘書官を務めるなどして、「政界に顔が利く」人物として知られる。
中尾元建設相とは古くからの知り合いで、その年5月下旬に都内で開かれた
大臣就任祝いを取り仕切り、許被告とはかり、石橋元会長を出席させた。
この席には、建設省幹部=すでに事情聴取された=をはじめ、故・竹下登元
首相も出席していたとされる。
●政財界とやみの世界とのパイプ役だった福本容疑者
福本容疑者は、経営コンサルタントや美術商の傍ら、中曽根康弘元首相や
竹下元首相ら有力政治家の政治団体代表も務めた。
そうした裏側では、許被告らアングラ人脈ともつながり政財界とやみの世界
とのパイプ役と言われていた。
91年、大阪地検が許被告らを摘発したイトマン事件当時、この事件とも絡
んで地元を騒がせた、近畿放送(KBS京都)の社長を務めていたのが福本被
告、常務取締役が竹下亘氏(元首相の実弟で、今回の総選挙で島根2区から当
選)であった。
当時、KBS京都は経営破たんへの道を突っ走っていた。事実上のオーナー
であった故・山段芳春氏(巨額のアングラマネーを動かしていたとされる、京
都ファイナンス社長=当時=)と、大株主であった許被告(関西新聞オーナー
=当時=)、内田和隆副社長(のちに、事件化した雅叙園観光社長)らとの間
で、軋轢があったからである。
●経営責任が全く明らかにされない大手銀行
去る7月21日、マスコミ各紙は、昨年6月に経営破たんした、東邦生命保
険の清算人が、同社の太田清蔵元社長らに、総額10億円の損害賠償を求め、
東京地裁へ提訴したことを、ベタ記事ながら一斉に報じた。
同生命の太田元社長の人脈に、許永中と福本邦雄が深くかかわり、破たんへ
の道のりへナビゲーターを務めたのである。
そしてその少し前、堤清二西武セゾングループ・オーナーが西洋環境開発の
債権放棄にかかわる責任をとって、私財100億円を拠出し、経営から退くこ
とが明らかにされた。
そしてまた、同社の巨額債務の背景にも、許永中、福本邦雄が深くかかわっ
ているのである。
さらにまた、破たんした生保、銀行を含めた金融機関の不良債権にも彼らア
ングラ人脈と政治家、経営者自らが深くかかわっていたのである。
そして、一部大手銀行だけは、国民の血税によって、経営責任はなぜか明ら
かにされることなく、こうした、汚い不良債権の始末が、許されるのである。
今度の事件は、単に、お馬鹿さんの元政治家の収賄事件なぞではなく、この
失われた10年の間、蓋をされてきた、バブル経済事件の陰部を解明すること
ができるかどうか、国民のための検察権力というものが存在するかどうか、と
いうことを、証明する、歴史的出来事なのである。
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芸能プロダクション最大手「バーニング」周防郁雄社長に近く国税のメス
暴力団関与のリキッドオーディオの盟友 経済ジャーナリスト 中野 忠良
本誌40号(6月14日発行)で紹介した東証マザーズ第1号銘柄のリキッ
ドオーディオ・ジャパン(大神田正文社長)は、暴力団とのかかわりが深い会
社で、株式公開で調達した約30億円の大部分が暴力団のフロント企業に流れ
たといわれている。
リキッドオーディオの筆頭株主である「スーパーステージ」の黒木正博社長
は、担保物件の占拠屋をやったり、“車庫飛ばし”を職業としていた人物で、
暴力団とのかかわりが深いフロント企業である。
さらに、音楽配信を主業とするリキッドオーディオは、芸能プロダクション
の最大手にのしあがった「バーニング」の周防郁雄社長(昭和16年生まれの
59歳)との交遊が深い。
◆郷ひろみ、藤原紀香、中山美穂、内田有紀らが所属
バーニング所属の芸能人は、郷ひろみ、小泉今日子、内田有紀、水野美紀を
はじめ、細川たかし、藤あや子といった演歌歌手を抱えており、藤原紀香、中
山美穂といった人気タレントも所属し“最大最強の芸能プロ”といわれてい
る。
周防社長は、千葉県生まれで県内の高校を卒業後、浜田幸一元代議士の秘書
兼運転手をつとめ、その後、芸能界に転身し、ナベプロに出入り、大手芸能プ
ロの「新栄プロダクション」に勤務したという経歴を持つ。
30代で独立、芸能プロを設立するが、新栄プロを辞めたいきさつは“藪の
中”で「クビになった」という人もいる。
「札幌のクラブ歌手だった細川たかしをスカウトして以来、芸能界の一角に
身を置くことになった」といわれるが、絶頂期にあったジャニーズ事務所所属
の郷ひろみの移籍に成功、次々に有力タレントを引き抜き、レコード大賞新人
賞を受けた細川たかし、内藤やす子、高田みずえ、石野真子など4年連続して
所属歌手が新人賞を受賞した。
◆マスコミや政治家とのパイプでスキャンダルもみ消し
周防社長は、マスコミにパイプをつくり、政治家にも接待攻勢をかけ、バー
ニングとその系列会社(音楽出版社など)を含め、バーニング系タレントのス
キャンダルの“もみ消し”をはかる。
いま、周防郁雄社長は芸能界の巨大なコングロマリット(複合企業)に成
長、巨大な権力を振るいはじめたが、バーニング本体の売り上げは22億円だ
け。系列企業全体でどの位稼いでいるか分からない程だという。
この巨大王国「バーニング」は、いま内部告発により国税の脱税捜査がメス
を入れようとしている。
「サンデー毎日」7月30日号『バーニング帝国の素顔』は10週間にわた
る告発キャンペーンの幕開けである。
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問題企業ハザマ救済の愚(2)業績低迷と人材流出の裏に経営改革路線の挫折
内紛で副社長2人更迭の泥沼の内幕 本誌 大森哲夫
98年7月ハザマでは、岐阜市の特別養護老人ホームの建設をめぐって補助
金を組織的に不正受給していたことが発覚、ハザマの取締役名古屋支店長が逮
捕、起訴され、有罪判決が確定した。これを理由に全国各地の自治体や官公庁
から指名停止処分や営業活動停止処分が下された。
業界関係者は「仙台ゼネコン汚職事件を引き起こした当時のハザマの伝統的
な不正体質は全然変わっていない」と冷ややかに受け止めた。
仙台ゼネコン汚職事件とは、その5年前の93年、仙台市長へ公共工事の発
注の見返りにわいろを贈ったとして贈賄容疑で本田茂会長と加賀美彰社長(い
ずれも当時)が逮捕されたもの。本田会長はハザマの“中興の祖”といわれ、
強引な営業で公共工事の受注を伸ばす一方、「リベート」「裏金」「暴力団」
というキーワードに象徴される同社の体質を形成した実力者だった。
本田氏が社長をつとめた時期にハザマは、広域指定暴力団稲川会の会長だっ
た人物が所有するゴルフ場「岩間カントリークラブ」の会員資格保証金預り証
購入名目で24億円を利益供与したり、北九州市の白島石油備蓄基地建設工事
(96年完成)で暴力団に地元対策を依頼し、巨額の金をばらまいたことが発
覚している。ハザマのこの種の事件は他にも数多くある。
その本田氏の両腕となって公共事業の受注活動にらつ腕を振るったのが、後
に社長となった加賀美彰氏と、当時専務の伊藤達次という人物の2人だった。
加賀美氏は東日本を、伊藤氏は西日本を統括し、本田氏は2人を競わせるよう
に仕向けたという。
●お飾り社長にすぎなかった松本幹生氏
仙台ゼネコン汚職事件で本田氏と加賀美氏が逮捕された後も、伊藤達次氏は
副社長として経営陣に居座り続けた。94年には、自分より若く序列が上位の
副社長で、営業や経営全般の不正体質の刷新を目指し従業員に人望があった二
宮祥修氏と山本忠次氏を、突如として更迭し、経営の主導権を握った。
汚職事件直後の93年から97年まで社長をつとめた松本幹生氏は、かつて
伊藤達次氏の部下、後輩だった。94年の追放人事後の3年間は事実上、伊藤
達次副社長がお飾り社長を操るような経営が行われた。
ハザマの不正な体質が改善されない原因は、この3年間の空白にあったとい
っても過言ではない。
かつてのゼネコン業界は、どの会社も多かれ少なかれ「リベート」「裏金」
「暴力団」問題を抱えていた。しかし92年施行の暴力団新法をきっかけに業
界の雰囲気も変わりつつあった。そうした同業他社の流れに逆行するかのよう
なハザマの経営路線は、公共工事を発注する官公庁や自治体など外部からの冷
ややかな視線にさらされ、ハザマの業績は低迷した。
伊藤達次副社長は社長就任に意欲を持っていたが、結局社長になれず97年
相談役に退き、同年松本社長も退いて、伊藤氏と人脈的に近い大和文哉氏が社
長に就任した。しかしその後も、前述のように不祥事の続発で役所の処分が重
なり、今日、優秀で経験豊富な人材は大量流出するに至っている。
「大和文哉社長が引責辞任しても、後継社長の人材がいない。この会社が立
ち直る可能性がどこにあるのか全く見当もつかない」(ハザマの内部事情に詳
しい関係者)と言われるのも仕方がない。 (次回は最終回)
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