■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2000/9/6 No.51     週刊メールジャーナル   読者数7612人(前回)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
★景気回復効果のない10兆円バラまき補正予算提唱する亀井静香氏の無節操
★【平成のお家騒動】3/セゾングループの崩壊で長年の兄弟ゲンカが決着
___________________________________
景気回復効果のない10兆円バラまき補正予算提唱する亀井静香氏の無節操
業者・族議員・天下り高級官僚のためだけ    ジャーナリスト 川崎 明

 本誌前号(8月30日付・第50号)で、来年度予算を巡る分捕り合戦の実
態をお知らせした。その結果として、来年度一般会計当初予算の概算要求が固
まったのが29日。そして翌30日、まったく異例の早さで突然ぶち上げられ
たのが、「10兆円超」とする今年度補正予算の総事業規模である。
 ぶち上げたのは、いつもの通り亀井自民党政調会長である。
 早さも異例だが、事業内容も示さないまま、総事業規模を言い出す無節操ぶ
りも異例。異例ずくめを承知でこんな事態を演ずる理由はどこにあるか、と言
えば、先のマスコミ世論調査で明らかになった、森喜朗政権に対する支持率
20%という低さにある。が、そればかりではない、政府による景気回復のア
ナウンスとは裏腹に、回復実感のない経済実態に苛ついている国民感情を無視
できない状況にあるからだ。
 「景気回復重視」を内閣の看板にしているものの、このままでは看板に偽り
ありの実態であり、来年の参院選が戦えないという思惑が背景にあるのは明ら
かだ。

      ●宮沢蔵相も補正には慎重姿勢、亀井氏だけが独走●

 本来、本予算の編成時に議論すべきことなのに、これをせず、足元の景気回
復策を唐突に打ち出すところに、自民党のあせりがある。
 だが、このような大型の補正予算を組むことで、果たして景気回復の実質的
効果があるのだろうか。
 事業量の確保で利権を確保したい官庁と業者、族議員にとって「おいしい」
予算であっても、国民にとっては無駄に見えるだけだ。
 景気回復のカンフル剤として打ちつづけてきた在来型の公共事業は、もはや
効き目がないことが明らかなことから、その見直しに取り組んだのが、亀井政
調会長だと、国民は理解していた。
 その人が、大型補正予算で在来型の公共事業予算を上積みしようとしている
のはどういうことなのか。国民に理解のできる説明が必要だ。
 やはり、あの公共事業の見直しは、新たなバラマキのための見直しに過ぎな
かったのか。
 見直し財源を餌に、与党内の権力構造を再構築するための手がかりにしたい
だけなのか、と思われても仕方がない。
 政府・与党内にも、宮沢蔵相はじめ4−6月期の経済成長率の発表を待ちた
いとする意見もある。なぜ、亀井氏が独走するのか。

    ●国の予算や利権にぶら下がり構造改革を拒否する守旧派
                   その筆頭が亀井静香氏だ●

 経済成長率を左右するのは個人消費の動向である。いま、景気回復に現実感
が伴わないのは、雇用情勢が厳しいからだ。古い産業が崩れ新しい産業に取っ
て代わられる過程で起きている社会現象だ。
 いま必要なのは、構造改革をすすめること、と、その中で発生する改革難民
に対する国家的手当てである。これら新型難民は、単なる社会的弱者ではな
い。一時的敗者であり、彼らに対しては正当な敗者復活戦を国家的に用意する
必要がある。経済的・社会的セーフティーネットが構築されることで、始めて
バランスの取れた貯蓄と消費が実現できる。
 このようなグローバル・トレンドを無視して、旧権力の利権をいくら保護し
ても雇用の回復には繋がらない。
 旧権力の中でも、国の予算にぶら下がってきた官庁と業者の利権が、最も構
造改革の波に翻弄されているいま、彼らもまた延命に必死なのである。
 彼らの願望にのみ、耳を貸しているのが、亀井氏ら与党内の守旧派であり、
彼らに繋がっていることでのみ、第二の人生が広がっている官僚トップの守旧
派なのである。
___________________________________
⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔⇔
【平成のお家騒動】第3回 西武     経済ジャーナリスト 中野 忠良
父親の墓参りも別々の堤義明と堤清二だったが経営破たんで兄弟ゲンカに決着

 鉄道を敷設する用地を買収するために“こえだめ”をぶちまけて地主に対す
るいやがらせをしながら、路線を延長していた“強盗・慶太”(五島慶太・東
急電鉄の創業者)に対する“ピストル・堤”の異名を取った堤康次郎も
1970(昭和45)年に死去。枕頭に日商会頭の永野重雄を呼んで後事を託
したのだが、この臨終の席に堤義明は呼ばれたが、実質的に兄に当たる堤義明
はメカケの子ゆえに呼ばれなかった。これが、今日の西武鉄道・堤義明と西武
百貨店・堤清二の確執の原点である。

◆対称的な性格だが「父ゆずりの好色」が唯一の共通点

 戸籍上・兄の堤義明は西武鉄道を継承し、戸籍上・弟の清二(実質は年齢が
上で兄)は新しく開拓した西武百貨店を継いで、父・康次郎の死後は、それぞ
れ別の分野で事業展開することになった。
 東大出の清二は、文学青年で小説、詩を書き、デビュー早々マスコミにもて
はやされた。早大卒で頭の悪い義明は、西武鉄道を継いで実質的に西武グルー
プ総帥の座につき、あり余る資産を自由にできる立場なのだが、万事に目立た
ず、控え目(清二に比べて)に振る舞ったから、マスコミの餌食になることも
少なかった。
 しかし、異母兄弟の二人は、父ゆずりの好色で、義明はスポーツ愛好の少
女、清二は芸者、女優など玄人好みで“女漁り”をやり、相当な破廉恥漢であ
る点で共通している。
 赤坂の料亭の下足番の書いた本で暴露された清二と女優・大空真弓の情交は
すさまじいものだった。
 義明の方は、清二に劣らぬ色好みで、こちらはスケート選手の少女を20歳
まで毎年手当を父親に払って自由にする一種の変態である。

◆西洋環境開発の破たんで清二が義明に助力を乞う

 さて、親の墓参りもお互いに顔を合わせないようにしてきた義明・清二の兄
弟が、西洋環境開発の破産で5538億円の借金を抱え、清二が義明に頭を下
げて助力を乞う場面になった。
 西洋環境開発はセゾングループの不動産開発会社で、同社は7月18日東京
地裁に特別清算を申請し受理された。関係会社を含む負債総額は5538億
円。清算に伴って西武百貨店など5社が約900億円の損失を穴埋めし、清二
は経営責任をとって、個人保有のグループ各社株約90億円を売却し私財提供
することになった。
 鉄道という資産を持った義明に対して、流通部門(セゾングループ)を率い
た清二は資産がなく、借金に借金を重ねて事業展開を図ってきたが、ついに刀
折れ、矢尽きて、兄(清二)が弟(義明)に頭を下げざるを得ない局面に立ち
至ったわけである。
 西武百貨店は本社を池袋サンシャインから所沢の西武鉄道に移しているが、
百貨店は西武鉄道に“吸収”される状況に追い込まれている。
 異母兄弟の“確執”は、兄(清二)が弟(義明)の軍門に降るという形で決
着を見たのである。                   (次回は三共)

……………………………………………………………………………………………
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
行しています。( http://www.mag2.com/ ) 配信を希望または中止されたい
方はこちらでどうぞ。 http://www.mail-journal.com/touroku.htm
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 週刊メールジャーナル 2000年9月6日号 第51号(水曜日発行)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
       発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫
東京都千代田区富士見2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193
ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールrequest@mail-journal.com
転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■