■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2000/9/27 No.54 週刊メールジャーナル 読者数7677人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ★無責任政治と厚生省官僚の強力な巻き返しで社会保障制度改革が崩壊の危機 ★【平成のお家騒動】7/三和銀行トップ交代の裏に激しい内部抗争と怪文書 ___________________________________ 無責任政治と厚生省官僚の強力な巻き返しで社会保障制度改革が崩壊の危機 官僚組織と族議員利権と参院票田の死守が狙い ジャーナリスト 川崎 明 21日から始まった臨時国会は、斡旋利得罪処罰法案、外国人地方選挙権法 案、参院比例区選挙法改正案など、与野党激突の法案が目白押しであり、活発 な論戦がたたかわされる、という報道がある。 ところがその論戦たるや、「政策の是々非々を論じるのではなく、自党(自 民党ではない、わが党)の政策をアピールするだけの薄っぺらな論戦におわっ てしまう可能性が強い」(民主党職員)ようだ。 最大の原因は自民・公明の連立しか選択肢の無い与党側の事情にあるという ことだ。 この3法案はいずれも自公連立によって、政権を維持することを前提にした 政策であり、すべて与党の賛成多数によって成立が確実になっている。 しかし、守旧派議員たちの本音としては、そう易々と通させてはならない法 案だから、自分の主張は明らかにしておかなければならないというわけだ。 ことに自民党内では、ポスト森の座席指定確保、来年の参院選後の発言権確 保などの思惑が複雑に入り乱れ、党内論議が一筋縄ではおさまらない。 ところが、野党側でも似たような事情がある。 民主党内では、旧所属政党時代のしがらみから、素直に党議に従えない議員 が、これまでの支援者向けの発言を繰り返すことが予想されている。 加えて、参院選後の政局をにらんだ野党各党の政治戦略は、政権との距離感 の違いから、この臨時国会でもまとまりを欠くことになるという。 このため、マスコミ向けの談話やら、国会での発言メモづくりに振り回され ている党職員・秘書らはぼやいている。 こうした無責任政治家のお陰で、ひそかに喜んでいるのが官僚たちである。 ◆小渕政権の制度改革路線を森首相が守旧派主導に転換 来年度予算案の概算要求を巡っては、大蔵官僚の巻き返しによって、財政首 脳会議が立ち上がったことは、先にお知らせしたとおりだ。 こんどは、厚生官僚の巻き返しによって、社会保障制度の改革が逆戻りする 可能性が濃くなってきた。 先の通常国会で廃案になった医療保険制度改正関連法案(高齢者の自己負担 法案)を、この臨時国会に提出することが先の「事務次官会議」で決まった。 しかし本来は、医療、年金、介護については縦割り行政の弊害を排し、総合 的な社会保障制度を構築するために、国民的な議論をすることになっていた。 小渕恵三前首相による政治主導で、ことし1月には、首相の私的諮問機関と して、「社会保障構造の在り方について考える有識者会議」(座長・貝塚啓明 中央大教授)を立ち上げていたのである。 小渕氏は、この会議について、「社会保障に関する最後の検討機会」と表明 してきわめて意欲的だった。 ところが森首相に変わってからは、政治主導どころか、社会保障制度の改革 については、守旧派主導に立場を変えてしまったのである。厚生官僚をはじめ 体制側の学者らが、与党・派閥の勉強会に進講して歩いたからだ。 この13日明らかになった「有識者会議」の「座長メモ」では、「世代間の 不公平感をなくすため、高齢者を一律に弱者とは見ない」こと、さらに「社会 保障の費用は主として社会保険方式で賄うべき」などの要旨を盛り込んだ報告 書を、10月下旬にもまとめることにしている。 この臨時国会で森首相は、施政方針演説で、社会保障制度に関しては、自己 責任原則と社会保険方式を基本に考えていくことを表明した。 こうした一連の流れは、政治の潮目を読んだ厚生官僚の巻き返しによって起 きている。 政党を巻き込んだ「税か保険か」という社会保障の財源論争は、社会保険方 式を死守したい厚生官僚を悩ませてきたが、この報告書をもとに終止符を打つ ことができると考えている。 社会保険庁や支払基金という官僚組織も温存されるし、膨大な積立金の自主 運用も当初計画どおり実行に移せる。 こうして、族議員の利権は保護され、参院選の票田も守れると守旧派は皮算 用するのだが… ___________________________________ ∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇ 【平成のお家騒動】第6回 三和銀行 経済ジャーナリスト 中野 忠良 会長と頭取が同時に退任、異例なトップ交代の背景に血で血を洗う内部抗争 三和銀行は、昨年6月29日の株主総会で、会長、頭取、副頭取、専務など のトップ交代人事が決まった。渡辺滉会長、佐伯尚孝頭取が同時に退任という 異例のトップ交代であったが、背景には、佐伯派と渡辺派の血で血を洗う抗争 があったとされる。 それを裏付けるような「怪文書」が流布した。その内容は、佐伯派の人事案 だった。それによると、頭取・信原啓也、副頭取・村尾弘毅、専務・土田進、 伊藤宣博、森嶬というものだったが、実際は、会長・内藤碩昭、頭取・室町鐘 緒、副頭取・信原啓也、村尾弘毅、専務・藤本公亮、望月高世、藤原暁男、寺 西正司、高倉民夫である。 この人事を解説すると、佐伯派の信原啓也専務は頭取にならず、中間派の室 町鐘緒が頭取に昇格したわけで、渡辺派の松浦功常務、中村明常務が退任し、 佐伯派は主導権は握れなかったが、渡辺派が一掃されたことになる。 ●頭取派の不祥事と怪文書攻撃で中間派が主導権 佐伯派は、信原副頭取と杉山淳二常務が残ったが、中間派の室町頭取と望月 高世専務のコンビが経営の主流派を形成することになろう。 中間派が勢力を増やして経営の主導権を握れたのは、94年に大阪市の贈収 賄事件が発覚し、関口警察庁長官(当時)がモミ消しに動いたといわれている が、これは佐伯派のスキャンダルだった。 さらに、藤田観光株の仕手戦にも佐伯派が関与したといわれ、こうした佐伯 派のスキャンダルが、中間派を台頭させたと見られる。 三和銀行を巡る怪文書は、99年4月5日付の第1報のあと第2、第3と相 次いで流れた。 「今回の、会長、頭取、退任は、監督官庁、からの、圧力により、責任を、 取らされた、ためである。三和と、東洋信託の、両支店間で、預金と、貸し出 しを、双方で、行い、粉飾を、H4年ごろより、していたことが、露呈、した ためである。顧客の、名前を、勝手に、使い、二行に、またがる、歩積み、両 建てで、250〜800億円を、粉飾、大蔵は、前から、知っていた」(三和 銀行怪文書・続報、原文は全てカタカナ) この種の怪文書が三和銀行周辺に4月以降各種流された。一連の怪文書は三 和銀行内部の者が作成したと思われる。 (次回は日本航空) …………………………………………………………………………………………… このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 配信を希望または中止されたい 方はこちらでどうぞ。 http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2000年9月27日号 第54号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 発行人:メールジャーナル社 代表 大森哲夫 東京都千代田区富士見2-10-11-3F 電話 03-3234-1191 Fax 03-3234-1193 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールrequest@mail-journal.com 転載・再配布・引用等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |