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2000/10/4 No.55     週刊メールジャーナル   読者数7685人(前回)
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★矛盾だらけ年金制度改革を政争の具に用いる加藤元幹事長と公明党神崎代表
★【企業お家騒動】8/伊藤淳二日本航空元会長の怨念と山崎豊子の偏向小説
★「日経新聞は損害賠償せよ」サギまがいベンチャーMTCI株投資家が怒る
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矛盾だらけ年金制度改革を政争の具に用いる加藤元幹事長と公明党神崎代表
「児童年金」案の裏に厚生官僚の利権の思惑   ジャーナリスト 川崎 明

 参院比例区選挙に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐって与野
党のごたごたが続いている。しかしこれは本誌前号(9月27日付第54号)
でお伝えしたように、与野党ともに自党の主張をアピールするだけのパフォー
マンスにおわる可能性が強い。
 3日には自民党総務会で公職選挙法改正案が承認され、参院に提出されるこ
とになっており、今週中には本会議で趣旨説明。参院選挙制度特別委員会で実
質審議に入ることになる。

◆国会のゴタゴタとあっせん利得法案つぶしの思惑

 非拘束名簿式といっても実質は以前の全国区と変わらない内容であり、これ
が自公連立の党利党略であることは明らかだ。
 マスコミによる政策討論会などでも、与党側の説明はまったく分が悪い。国
民多数はこのことは十分判っていると、与野党ともに見ている。
 にもかかわらず、おきまりのごたごたパフォーマンスをして見せるのは、実
はその裏のどろどろした政治取引を、国民の目から隠すための煙幕に他ならな
い。
 5日には、与野党それぞれが提出したあっせん利得処罰法案が衆院に提出さ
れ、本会議での趣旨説明が決まっている。
 ごたごたが影響して、この日程を狂わせた方が国民のひんしゅくを買うこと
になるという読みがあリ、与野党ともにその責任を問われたくないという判断
がある。
 さらにその奥に、自民党の派閥抗争に起因するそれぞれの読みとそろばんが
ある。

◆ポスト森にらんで加藤・神崎の「KKライン」が結束

 先の衆院選に自民党が大敗し、来年の参院選に対する不安が台頭したとき、
いち早く非拘束名簿方式に変更を提起したのが加藤紘一元幹事長(加藤派)で
あった。
 これは、自公連立に正面から批判の声を上げていた加藤氏と神崎公明党代表
との関係を改善させる必要を感じていた派閥幹部による政治戦略によるもので
ある。
 これによって、ポスト森のヘゲモニーを握ることのできるKKラインが復活
したのである。
 こんどは公明党の出番である。公明党は「バラマキ批判」を浴びた「児童手
当」に替えて「児童年金」を打ち出すことにしてきた。
 この財源案としては、基礎年金(国民年金)の保険料に上乗せして集めるこ
とを提案している。
 これは、加藤氏が幹事長時代、公的年金制度は社会保険によって維持すべき
とした政府案(正確には厚生官僚による利権維持)を支持する意志をあらわし
たものだということができる。

◆公的年金制度の矛盾が固定化し将来に重大な禍根

 「児童年金」の財源として、国民年金の保険料を値上げするという考え方は
年金財源をめぐる「税か保険か」の論議にも終止符を打とうとするもので、こ
れは、本誌前号で指摘した年金制度改革の後戻りを意味するものである。
 厚生官僚による巻き返しが成功するかどうかは、与野党を問わず政治家が、
保険制度の本質と在り方を良く勉強して、行政改革の狙いであった政治主導を
取り戻すことが出来るかどうかということと裏表なのだ。
 保険制度は(1)収支相当の原則(2)公平な保険料算定(3)透明な資産
管理が保障されなければならない。
 にもかかわらず、現在の公的年金制度は、これらのいずれも担保されていな
い。
 せめて野党の政治家は、官僚によって完全に洗脳されてしまった「社会保障
構造の在り方について考える有識者会議」のメンバーに対して、もっときちん
と議論するように求めるべきである。
 さもないと、公的年金制度は国民の信を失ったまま、にっちもさっちもいか
ない矛盾を固定化することになる。


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【平成のお家騒動】第8回 日本航空   経済ジャーナリスト 中野 忠良
伊藤淳二元会長の怨念が書かせた偏向小説「沈まぬ太陽」と伝統的な内紛体質

 山崎豊子の「沈まぬ太陽」で、日本航空の派閥抗争がはからずも暴露され
た。国策会社として設立された日航は、重要事項は全て運輸省によって決定さ
れ、日航の経営陣は何ら権限のないお飾りにすぎない、初代社長の柳田誠次郎
以来、岡崎嘉平太、松尾静磨、高木養根、伊藤淳二、金子鋭ら歴代トップは、
民営会社に移行した後も役人、政治家に気を使わねばならなかった。
 その“半官半民”の企業体質に総会屋、暴力団がツケ込み、さまざまな利権
を得ようとした。そして、かつての笹川良一、現在の糸山英太郎のように、同
社の株を買い集め、経営陣の一角に座り、経営を支配しようとする者まで現れ
た。
 昨年2月には、関西が拠点の広域指定暴力団直系組織の組長が突如、100
万株の大株主として名義書き換えを行い、さらに株を買い増している。
 さらに「日航のタン壷」の異名を持つ平野聰常務は、パチンコ業界のフィク
サー・熊取谷稔が設立したプリペイドカード専門の輸送会社に出資、役員に名
を連ねている。

●運輸省天下り派・生え抜き派・労働組合の三つ巴対立

 同社はかつて総会屋の上森子鉄に株主総会の進行役をまかせ、その子分を自
称した小池隆一にいいようにあしらわれ、総会屋に巨額のカネをばらまいた。
 日航社内には、運輸省天下り派と生え抜き派の根強い対立があり、これに労
働組合が介在し、複雑な派閥抗争を繰り返してきた。
 山崎豊子の「沈まぬ太陽」は日航をモデルとした企業小説といわれるが、か
つて日航会長としてトップの座につきながら追放された鐘紡会長の伊藤淳二か
ら一方的に吹き込まれた話を下敷きに書かれた“偏向的”な読み物であり、と
ても小説の域に達した作品ではないのである。
 日航に怨念を抱く伊藤淳二が、山崎豊子の筆によって“仕返し”をしたとい
うのが真相である。このような書き物が堂々と出版されてベストセラーになる
所に日本の出版界のゆがみがある。それにも増して、日本航空の内紛体質に問
題がある。                    (次回は三菱自動車)

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「日経新聞は損害賠償せよ」サギまがいベンチャーMTCI株投資家が怒る
もてはやし記事を再三掲載し株価あおる  経済ジャーナリスト 中野 忠良

 インターネットの接続会社「エムティーシーアイ」(MTCI)は、99年
10月、額面5万円の未公開株を256万円で公募し、約24億円の資金を集
めた。額面の50倍の高値で公募したエムティー社は、たちまち話題を集め
“第2のソフトバンク”ともてはやされた。
 ところが、8月末の株主総会で決算報告ができない大失態を演じ、早川優会
長は引責辞任し、1年も立たないうちに256万円の株は紙クズ同然となり、
約700人の株主たちが「詐欺だ」と騒ぎはじめている。
 さらに、9月25日にはNTTコミュニケーションズなどに対する回線使用
料約1億5000万円が未払いで、回線使用が差し止められた。

◆代表者に倒産・破産宣告の経歴、日経は調べもせず

 同社の株主には山東昭子元科学技術庁長官や女優の浅野ゆう子の母親らが
“広告塔”をつとめ、派手な宣伝をしており、早川会長は連日、銀座で豪遊し
ていた。
 もっと悪いのは日本経済新聞で、この海のものとも山のものとも知れないエ
ムティー社の記事を、株式公開前後に22回も載せて、1株250万円の新株
の公募をあおり立て得たのである。
 早川優会長は、91年に機械製造会社「キャスパ」を倒産させており、79
億円の負債を抱いて“破産宣告”を受けた前歴がある。
 日経は、経営者の経歴も調べず、ただ未知数の会社を取り上げてもてはや
し、投資家たちに多大の被害を与えている。「日経に損害を弁償してもらいた
い」という株に氏の声が日増しに強くなっている。

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 週刊メールジャーナル 2000年10月4日号 第55号(水曜日発行)
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