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2000/11/08 No.60    週刊メールジャーナル   読者数7813人(前回)
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長野冬季五輪の使途不明25億円を解明せよ/堤義明VS田中康夫知事の対決
芸能レポーターに堕した大マスコミの政治報道/国民の知る権利に全然応えず
【企業お家騒動】12/犯罪疑惑の陰謀も、中内会長と鳥羽社長の道伴れ退陣
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長野冬季五輪の使途不明25億円を解明せよ/堤義明VS田中康夫知事の対決
                    経済ジャーナリスト 中野 忠良

 長野県でいま一番ホットな話題は、堤義明の西武王国と田中康夫知事の対決
がどう展開するかという問題である。
 長野県新幹線に8700億円、上信越道には6800億円の税金が投じられ
た。軽井沢駅南口は、西武グループのために、わざわざ20億円を投じて新設
された。
 軽井沢駅南口前には、西武グループの5つのゴルフ場、2つのホテル、スキ
ー場、ボウリング場、ショッピングプラザなど一大拠点が広がる。
 信州中野インターから志賀高原プリンスへ一直線につながる「オリンピック
道路」を1000億円を投じて建設し、碓氷軽井沢インターから軽井沢プリン
スや西武が経営する軽井沢72ゴルフ場に直結する「バイパス」を150億円
の税金を使って整備させている。
 堤義明はJOC(日本オリンピック委員会)の名誉会長として、吉村午郎前
知事と二人三脚で「長野冬季五輪」を誘致した。

◆県と白馬村に巨額借金でドン底不況/「堤栄えて長野滅ぶ」と言われる

 長野冬季五輪誘致のため、堤義明は国際オリンピック委員の接待やエージェ
ントへの報酬に25億円ものカネを使い、疑惑が持たれると、細かな使途を記
載した会計帳簿を関係者が焼却してしまった。
 また、冬季五輪誘致に中心的な役割を果たしたサマランチIOC会長が来日
した時、わざわざ仕立てた特別専用列車に乗せ、戸倉上山田温泉の名門旅館を
借り切って接待し、同伴した夫人に高価なプレゼントが贈られた。
 他のIOC委員が視察に訪れた時にも、同様の接待をしている。こうして使
われた使途不明の25億円は、いまだに明らかにされておらず、吉村前知事と
JOCの役員連がモミ消しに躍起となっていたのである。
 長野冬季五輪開催のために、税金で周辺整備をした後、長野市民は1世帯当
たり350万円、白馬村民は560万円もの借金が残された。五輪の後、長野
県は不況のドン底にあえいでいる。
 「堤栄えて長野滅ぶ」という県民の怒りの声が、田中康夫を知事に押し上げ
た。さあ、これから堤義明VS田中知事の対決はどういう展開になるか興味深
い。
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芸能レポーターに堕した大マスコミの政治報道/国民の知る権利に全然応えず
中川スキャンダルの録音テープ垂れ流しの愚   ジャーナリスト 川崎 明

 森喜朗内閣の支持率がマスコミ各社の世論調査で一様に15%前後に落ち込
んだ。首相は記者会見で「中川さん(官房長官)の辞任が影響していると思
う」という図々しい見解を公言して憚らない。
 マスコミはこの発言を事実として報道してはいるが、この発言の意味すると
ころを国民に判りやすく解説しようとしていない。「任命権者としての責任を
深く感じている」とする、マスコミの求めるコメントを真っ先に言わせただけ
で、本当に人事のミスであったかどうか、国民の知りたい要求に応える報道を
していない。
 このことについて、マスコミ内部でどのような議論がなされているのか、明
らかにしてほしい。 

●本質的な政治問題を深く追及すべきだ

 中川官房長官を辞任に追い込んだ女性問題の報道姿勢は、本質的な政治問題
を追及することが本来の使命である一般紙が、芸能誌並みのスキャンダリズム
に犯されていることをみずから証明し、近ごろの民放テレビでやたら大きな顔
をしている芸能リポーターと少しも変わらないことを示してしまったといえ
る。
 中川氏の元愛人は、10代から水商売に身を置き、金満家や有名人をたらし
こんで財をなす“やり手”であり、中絶承諾書や相手との親密写真を持ち歩い
たりするてくだで、将来に渡ってなにがしかの代償を得るのが常套手段とも言
われている。
 『FOCUS』編集部が民放各社に公開した録音テープも彼女自身が持ち歩
いていたブツの一つであったとされる。
 この女性、今回の騒動では週刊誌、月刊誌に積極的に“証言”しているが、
中川邸での写真をあたかも中川氏が撮ったかのごとく語り、覚せい剤捜査の情
報のやりとりでは、中川氏に誘導尋問的に聞き出そうとするなど、半端な女性
ではないのである。
 こんな報道手法で、中川氏の尻尾きりならぬ胴体切りをさせておいて、どれ
ほど森内閣の本質追求ができたのであろうか。
 この国のマスコミは、官房長官のスキャンダル報道には熱心だが、内閣の仕
事振りの報道には熱心ではない、と言われても仕方がない。

●女性の背後に政治勢力があるとの妄想報道も

 このスキャンダルに関連してもう一つ。
 この女性の背後に右翼とかある種の政治勢力が存在するのではないかと、意
図的に匂わせる報道があること。
 そもそも、いまのマスコミは真正右翼と暴力団の区別もつかないほど不勉強
なのだが、女性のバックに森政権を快く思わない政治勢力の存在があると妄想
するに至っては、取材者としての資格さえ疑わしく映る。そんなマスコミの極
みが、何の裏づけ取材も無く同業者提供の録音テープを流す民放各社である。
 ジャーナリズムとは何か、もう少し真剣に考えた報道姿勢を見せて貰いたい
ものだ。
 それにしても、森首相の周りのばらばら振りは目に余る。本誌前号で指摘し
た、官房長官の後任人事を巡る小泉純一郎森派会長と野中広務幹事長との確執
をはじめ、加藤紘一元幹事長を攻撃する亀井静香政調会長、マスコミの中川攻
撃に積極的に手を貸したといわれる小泉氏周辺、などなど、もともとの求心力
の無さがここに至れば、もはや堕落したマスコミが動かなくとも、泥舟森丸は
みずから沈没するのであろうか。

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【平成のお家騒動】第12回 ダイエー   経済ジャーナリスト 中野忠良
犯罪疑惑の陰謀も、中内会長と鳥羽社長の確執/道伴れ退陣で再建の道遠のく

 来年2月にダイエーは「会社更生法」の適用申請を出すだろうと囁かれてい
る。99年1月、味の素社長からダイエー社長に転身した鳥羽董社長(70)
は、当初こそ中内潤氏(45)が社長を継ぐまでのつなぎ役とみられていた
が、業績悪化の責任を取って潤氏を降格させ、鳥羽社長は40年かけて中内会
長が蓄積した資産を切り売りすることに手をつけ、かつて川島博氏(ヤマハ元
社長)がやったように、経営再建の重責を一身に背負った。
 その課程で中内会長(78)との“確執”が表面化、さらにグループ会社
「ダイエーオーエムシー」(DOMC)の株式を購入、売却益を得ていたこと
が“インサイダー取引”疑惑に問われ中内会長と鳥羽社長が“道伴れ退陣”す
ることになり、次期社長候補の佐々木博茂副社長も株取引問題で辞表を提出、
ダイエー社内は大混乱に陥った。
 ダイエーの株価が10月11日231円まで落ち込み、1月の株価600円
の3分の1に下がった。山一証券は株価が100円台になって2週間で倒産し
た。ダイエーも200円台割れは時間の問題になってきた。

◆予想される仕入れ業者の離反、銀行団はどう動くか

 第2に、ダイエーは住友、富士、三和、東海の4行が並列メインで、本当の
メインバンクがないのが弱点である。
 第3に、日本シリーズまではもつだろうがシリーズ終了後に仕入先業者が離
れることが予想され、取引先の1社でも品物を納入しなくなったら、その時点
でおしまいだ。鳥羽氏にかけられたインサイダー疑惑は、中内会長が鳥羽社長
を辞めさせるために仕掛けたといわれている。財務のエキスパートである鳥羽
氏が、こんな幼稚な間違いを犯すはずがないからだ。
 中内氏は、ダイエー会長のポストから退いたが、ローソン最高顧問、リクル
ート会長にとどまっており、「引き続き最高顧問としてグループ全体をみてゆ
くつもりだ」と語っている。
 だが、銀行団は中内氏が退かない限り、有利子負債2兆円の債権放棄に応じ
ないだろう。人員削減、赤字店の閉鎖、ハワイ・アラモアナショッピングセン
ター売却など、“敗戦処理”(有利子負債を1兆円に圧縮)を進めてきた鳥羽
氏の退陣で、ダイエー再建の道のりはさらに遠くなった。
 このままでは自滅(倒産)しかない。        (次回は三洋電機)

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週刊メールジャーナル 2000年11月8日号 第60号(水曜日発行)
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