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2000/11/15 No.61    週刊メールジャーナル   読者数7857人(前回)
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コップの中の嵐に済ませたい自民党主流派を応援演説する腐敗堕落マスコミ
【企業お家騒動】13/更正法か破産か解体か、Xデーは来年2月のダイエー
マザーズ上場1号リキッドオーディオ前社長逮捕/東証はどう責任を取るのか
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コップの中の嵐に済ませたい自民党主流派を応援演説する腐敗堕落マスコミ
                       ジャーナリスト 川崎 明

 “策略は密なるをもって良しとす”とは言うものの、今回の加藤紘一元幹事
長の発言は、派閥内ですらかなりの驚きをもって迎えられた。
 しかし、森喜朗内閣がこのまま無事に越年できる筈が無いことを、本誌をは
じめ心有るジャーナリズムはみな一様に指摘していた。
 マスコミだけが相変わらず、ハッキリしない物言いで、臨時国会の動向と、
主流派による党内人事の戦略を、面白くもなく、伝えていたことが、その堕落
振りを象徴的に示していた。
 一部のマスコミは、10日付朝刊ですら、9日の加藤派総会の模様を伝える
記事で、加藤派がジレンマに悩んでいることを取り上げて、「自民(党内に)
奇妙な『なぎ』」と伝える有様だった。
 そんな調子だから、11日の朝刊でも加藤氏のホームページに書き込まれ
た、10日での小泉純一郎森派会長との電話のやりとりを中心に、あたかも加
藤氏の独断専行、一人芝居であるかのような報道であった。

●中曽根亡霊政治家の発言を繰り返し流すテレビ報道

 12日の報道また然り。「加藤氏反旗 吉か凶か 予想される4つのシナリ
オ」、とくるに至っては、「一体 何を考えているんだ」と言いたくなる。
 国民の気持が全く反映されていないではないか。
 国民の気持は、あなた方がまとめた世論調査で明らかである。
 いまどき、内閣支持率が15%とは、何を国民が言おうとしているか、如実
に示しているはずだ。
 こんなマスコミの体たらくだから、亡霊政治家がでしゃばって来る。
 「困ったことだ。コップの中の騒ぎは、コップの中でおさめるように」と、
中曽根康弘元首相が大見得を切れたのは、明らかにマスコミによるミスリード
である。
 中曽根氏を、もはや政治家と呼ぶのもおこがましい。ある民放TVが「20
世紀最後の“怪物”」と名づけていたが、本意とは別に、ある意味で、言い得
ている。21世紀に対しては、余計な口出しをすべきでない。
 冬柴鉄三公明党幹事長が「党内問題として片付けてくれ」という要望をだし
たのも、この空気の流れであり、神崎武法代表の発言より、一歩中曽根発言に
寄った言い方に変わっていることにも、注意が必要だ。マスコミの責任は極め
て重いと言わざるを得ない。
 そうした空気づくりが、「コップの中の争いは、コップの中で」に利するこ
とは、火を見るより明らかだ。

●20世紀最後の、最大の、政治改革のチャンスだが

 一部の利権がらみの支持者を除けば、国民の大多数は、この森内閣を支持す
るはずがない。
 この国の宰相選挙は完全な間接選挙になっている。だからと言って、「密室
で決めても良い」と付託した覚えはない。
 この臨時国会に上程されている重要案件は、ほとんど守旧派にとって都合の
いいように決まりつつある。
 このことは何を意味するのか。「自民党が政権を握る限り、構造改革のスピ
ードは上がらない」ということだ。
 加藤氏はもとより加藤派の支持者でなくとも、この騒ぎを、「コップの中で
納めて」しまったら、国民としては、20世紀最後の、最大の、政治改革のチ
ャンスを取り逃がしてしまう。「チャンスの神様には後ろ髪が無い」という諺
は、こんな時のために残されていたのかもしれない。

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【平成のお家騒動】第13回 ダイエー(下)経済ジャーナリスト 中野忠良
更正法か破産か解体か、Xデーは来年2月/主要取引4銀行の抗争が始まった

 いま、流通業界では、来年2月にダイエーが会社更生法の適用申請をすると
いう噂でもっぱらだ。つまり、倒産が確実視されているのである。
 なぜ、こういう最悪事態を迎えたか。その理由の第1は、中内功会長と鳥羽
董社長が意見衝突し、ことごとに経営方針をめぐって対立、経営トップの内紛
状態に陥ったこと。
 第2は、経営陣のインサイダー取引疑惑が発覚し、鳥羽社長、次期社長候補
の佐々木博茂副社長が辞任したこと。
 第3は、メインバンクのないダイエーは、住友、富士、三和、東海の4行が
経営再建をめぐって足並みが揃わず分裂したこと。
 第4は、ダイエーから取引先離れが始まったこと。商品の仕入先から一つで
も商品の納入がなくなったら終わりである。
 そして、経営悪化、内紛、インサイダー疑惑が相次ぎ、株価が600円台か
ら200円台に下落、200円台割れが時間の問題になっていること。株価が
100円台になったら、あの山一証券でさえ2週間でアウトになってしまった
のだ。

◆アンチ中内の「三和」「東海」と、中内シンパ「住友」の対立

 「今夏のボーナスは一部現物支給がありました」(ダイエー社員)
 といわれるが、インサイダー取引疑惑で鳥羽社長が引責辞任、中内会長の辞
任、長男・潤の取締役辞任を第一幕とするならば、内部抗争劇の第2幕は、中
内ファミリーと三和、東海、住友、富士の並行メイン銀行との争いである
 「三和と東海はアンチ中内で鳥羽前社長と近い関係にあった。住友は中内
派。富士は中間派という位置づけだった。中内が代表権を捨てたことにより社
内での影響力が低下、今後は従来の勢力図に変化が起きる」(銀行関係者)
 と予想され、ダイエー社内の派閥抗争ばかりか、並行メイン4行の対立とい
う構図も描かれる。
 「鳥羽前社長は、ダイエー再建のためには、中内ファミリーの中核企業であ
るダイエーホールディングカンパニー(DHC)などの聖域にメスを入れざる
を得ないと考え、その線で動いた。これが中内会長に嫌われ、社内的には処理
済みのインサイダー疑惑をリークした」
 という会長、社長のドロ試合。今後は並行メイン4行が「破産」か「解体」
で争うことになり、どちらにせよダイエーは100%銀行の管理下に置かれ
る。                        (次回は三洋電機)
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マザーズ上場1号リキッドオーディオ前社長逮捕/東証はどう責任を取るのか
                    経済ジャーナリスト 中野 忠良

 東京証券取引所の開設した「マザーズ」の第1号銘柄となった「リキッドオ
ーディオ・ジャパン」の前社長・大神田正文(32)が、10月25日までに
警視庁捜査四課に逮捕された。容疑は同社の役員・山下哲夫(32)を監禁、
現金を奪った強盗容疑である。
 本誌は40号(6月14日発行)42号(6月28日号)で、大神田社長が
暴力団のフロント企業とかかわりがあることを告発、警告を与えたところ、東
証は大神田社長を退陣させ、大蔵省キャリアの山本哲夫(九州財務局長を経て
名古屋銀行副頭取)を同社の社長に送り込んだ。
 東証、大蔵省幹部連は「メンツにかけてもリキッドオーディオはつぶさぬ」
と背水の陣を敷いて、支援体制をとったのである。
 だが、時すでに遅く、株価は1221万円(2月)の高値から現在は31万
円(5万円額面)に下落した。

◆株式公開で得た巨額の利益が暴力団に流れた

 リキッドオーディオは株式公開で30億円の資金を集めたが、浜田幸一元代
議士の秘書兼運転手をして現在は最大の芸能プロ社長をつとめる周防邦雄、リ
キッドオーディオの筆頭株主・スーパーステージの黒木正博社長、暴力団のフ
ロント企業、などに流れた。
 株式公開時の幹事証券だった野村は早々に降り、大和も断って、日興証券が
主幹事の役を引き受けたため、いま批判の矢おもてに立たされているのだ。
 東証マザーズは、ベンチャー企業を育成するという“錦の御旗”を掲げてい
るとはいえ、リキッドオーディオのような暴力団がらみの会社を株式公開し、
市場に登録するというのは、あまりに無責任である。
 大神田前社長の逮捕で、リキッドオーディオが実態のない暴力団のフロント
企業で投資家を欺したことが明確になった。東証はこの責任をどう取るつもり
なのか。

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週刊メールジャーナル 2000年11月15日号 第61号(水曜日発行)
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