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2000/11/22 No.62    週刊メールジャーナル   読者数7896人(前回)
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結局「えせ黒幕」たちに乗せられ踊らされただけ/自民党2世議員らの軽薄
【企業お家騒動】14 三洋電機/欠陥隠しで社長引責辞任と同族経営の弊害
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結局「えせ黒幕」たちに乗せられ踊らされただけ/自民党2世議員らの軽薄
得意顔の三宅久之や渡辺恒雄          ジャーナリスト 川崎 明

 「日本を変える一日」(鳩山由紀夫民主党代表)になるはずであった20日
の衆院本会議は、テレビの国会中継がかつてこれほどの視聴率を取ったことが
あろうかと思われるほど、多くの国民が注視していたはずだ。
 この10日間、多くの国民は、幾人かの選良が、ぎりぎりのところで発揮す
るかもしれない、良心の発露にかすかな期待を込めて、自民党加藤紘一元幹事
長発言に始まった権力闘争のドラマに見入っていたはずだ。
 しかしその期待は、午後9時の開会直前あっけなく裏切られてしまった。

●野中・小里・加藤は国民に説明責任を果たせ

 18、19の両日、マスコミが報じた加藤氏と加藤派、山崎派幹部の発言か
らは、勝敗はともかく政治家としての信念にもとづく投票行動が期待されてい
たのだが、欠席という戦術ダウンには、「がっかりさせられた」という都民の
声が深夜の街録でテレビ画面に映し出されていたのも当然だ。
 いずれその経過、理由については、加藤氏、山崎氏はもちろんのこと、執行
部からも説明責任を果たして貰わなくてはならない。野中幹事長、小里総務会
長、亀井政調会長それに加藤氏、山崎氏との間でどんな話し合いがあったの
か、「国民の知る権利」をしばしば声高に叫ぶマスコミの責任においても、詳
らかにして欲しい。
 ただ、国民の立場からあえて言えば、加藤氏の言葉を借りるまでもなく、こ
こまでは第一幕であって、「長いドラマ」の第二幕はすでに幕が上がっている
と言わねばならないのである。マスコミ(ことに新聞)はこの10日間のよう
な、どっちつかずの評論は止めにして欲しい。
 本来なら、「このままではこの国は沈没してしまう。この国のため、国民の
ために政治を変えなければ…」と大見得を切った加藤氏が、もし自分で書いた
シナリオがあるのなら、まずはそのシナリオどおりに最終幕まで演じきるべき
なのである。しかし今回の妥協によって、少なくとも本人が主役を演ずるだけ
の力量に大きな疑問符が付いてしまった。誠に不幸なことだが、結果としてマ
スコミが評論していたように「コップの中の争い」になってしまった。

●結末の馬鹿馬鹿しさで国民の政治不信が増大

 結果論ではあるが、47票差という数字は、戦略、戦術によっては不信任案
可決の可能性のある数字だった。それだけに、理由はどうであれ自派に24名
もの反乱軍を出してしまったことは致命傷であった。
 今にして思えば、渡辺恒夫讀賣新聞社長や政治評論家の三宅久之氏らに乗せ
られて「口走った」ことから引っ込みがつかなくなり、準備不足で走り出した
ことが、最後までたたってしまった。
 いまこの国の政治家には、加藤氏をはじめとする「二代目」や利権組織につ
ながる「役人出」が多すぎる。これらの「軽い」政治家を舞台裏でおだてあげ
ては得意顔をしている「えせ黒幕」が、マスコミ周辺には多すぎる。
 彼ら「えせ黒幕」は単に自分のためだけでなく、利権に群がる業界関係者と
一緒に、政治家の取り巻き組織をつくる。
 さきに建設省発注工事の指名競争入札を巡る贈収賄事件で、中尾栄一元自民
党代議士の共犯容疑で逮捕された画商・福本邦雄容疑者が取り仕切っていた
「三宝会」には、こうしたマスコミ関係者がきら星のごとく、うじゃうじゃと
名を連ねていたことはよく知られている。こうした有名、無名の集まりが掃い
て捨てるほどある。
 今回の騒動では「乗せられた」「踊らされた」という自覚は、はじめ加藤氏
に無かったかもしれないが、20日の一連の話し合いの中では、指摘されたと
言われる。
 だが、本当に踊らされたのは国民だった。この結末のばかばかしさに、また
もや無党派層が増大したかもしれない。マスコミの責任は重い。

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【平成のお家騒動】第14回 三洋電機   経済ジャーナリスト 中野忠良
欠陥隠しで近藤社長が引責辞任/伝統的隠ぺい体質は井植一族経営支配の弊害

 雪印乳業、三菱自動車、ブリヂストンタイヤに続いて、今度は三洋電機が、
顧客に説明したより低い出力の太陽電池パネルを故意に出荷していた問題が発
覚、近藤定男社長は、「世間を騒がせ、会社のイメージを傷つけた責任を取
る」と10月24日、早々と辞任の意思を表明した。
 俗に「子会社製品の出力不足隠し」といわれるこの問題は、内部告発者によ
り、98年秋に、市民団体「全国太陽光発電所長会」が再三、会社に対して
「事実確認」と「対応策」を求めたにも拘わらず「その事実はない」と否定を
続けてきた。
 近藤社長は「2年前、部下を信用して追及しなかったことを大変反省してい
る」と語っているが、2年間も報告をうのみにしていたことに、消費者無視の
企業姿勢と危機管理の甘さが見える。

◆松下電器産業と同様“創業者の孫”問題で悩む

 こうしたやりとりの最中に、今度は95年2月から96年にかけて製造した
大型冷凍冷蔵庫でも、冷蔵室の扉と本体をつなぐ樹脂製部品に欠陥がみつか
り、10月27日、今までに扉が倒れる事故が88件あり、7人がけがをし
た。販売した約20万台を対象に無償で部品交換を行う。
 だが、三洋電機は、96年に初めての事故が確認されてから4年間も放置し
ていたのである。
 三洋電機は、かつてカラーテレビ発売当初テレビが燃える事故が相次ぎ“レ
ッドサンカラー”と商品名をもじった陰口をたたかれたことがある。
 出力を偽った太陽光パネルといい、冷蔵庫といい「隠ぺい体質」が明らかに
なった。近藤社長は10月27日付で辞任し、問題の子会社「三洋電機クリー
ンエナジーシステム」は、顧客への対応が終了次第、精算することになった。
三洋電機には、一般ユーザーから「うちのラジカセは大丈夫か」といった問い
合わせが殺到しており、信用失墜の責任をとって近藤社長が退陣するのはやむ
を得ないが、後継者問題で紛糾しなければよいがと懸念される。
 三洋電機は、創業者の井植歳男氏の一族が支配してきた“同族会社”で、兄
弟会社の松下電器産業と同様に、“創業者の孫”問題で悩んできたからであ
る。                         (次回は味の素)
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週刊メールジャーナル 2000年11月22日号 第62号(水曜日発行)
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