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2000/12/13 No.65    週刊メールジャーナル   読者数7997人(前回)
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森降ろしと亀井はずしに向け風雲急、自民党どたばた劇第3幕の裏のカラクリ
東証一部「黒田電気」がオウム真理教の青山総本部ビルを取得した奇々怪々
【企業お家騒動】17/佐川清の息子がクーデターに失敗で大混乱の佐川急便
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森降ろしと亀井はずしに向け風雲急/自民党どたばた劇第3幕の裏のカラクリ
行革か税制か予算か、焦点は野中の今後の発言  ジャーナリスト 川崎 明

 「加藤政局」の第1幕は11月21日早暁の衆院本会議場で幕が引かれたと
すれば、第2幕は第2次森連立改造内閣の認証式まで。そして早くも第3幕が
はじまったのである。
 舞台は“いつものように幕”は開かないまま「政局」の主役たちは緞帳の陰
に隠れて“粛々と”シナリオを進行しているのである。
 舞台装置は経済財政諮問会議という、中央省庁再編で内閣府に設けられる、
言わば「行革」の目玉中の目玉とも言われる新組織。その舞台装置がまだ出来
上がらないうちに、その構成メンバーや人数をどうするかという派閥間の主導
権争いが始まっている。
 主役は森喜朗首相を始めとする福田康夫官房長官など森派の面々と橋本竜太
郎行革担当相や額賀福志郎経済企画庁長官など橋本派の面々。
 これに脇役として各派閥のリーダーがシナリオも無いのにアドリブで舞台に
飛び出すと言う、いつもながらのどたばた劇がはじまった。
 しかし今度の舞台回しは、これまで主役を務めてきた強面のおじさんが、急
遽主役を降りて裏方に回ったことから、新しいディレクターとして活躍し、観
客を楽しませてくれるのではないかと、期待も高まっている。
 今度の舞台の最大のたのしみは、主役から裏方に回った野中広務前幹事長が
いつ、森首相に引導を渡すかということ。
 あるいは、主役ではないのにアドリブで舞台に出てくる厄介者たち、なかで
も、「森首相を始めから支えているのは俺たちだけなんだぞ」という自負があ
ることから、これまでも政局の節目節目で主導権を発揮してきた亀井静香政調
会長ら江藤・亀井派の面々に対して、表舞台から降りるようにと、野中ディレ
クターがいつ演出してくれるかと言うことである。

●橋本龍太郎も単なるあやつり人形に過ぎない

 さて、たとえ話はともかくとして、この経済財政諮問会議が新設されること
に、最も危機感を持ったのは大蔵省であり、大蔵官僚の必死の根回しによっ
て、森首相が設けたのが、政府・与党の財政首脳会議であることは、これまで
に本誌が繰り返し指摘してきたところである。
 森改造内閣の目玉として説得入閣させられる橋本氏にしてみれば、どうせや
るなら行革担当相として、自分が描いた行改のシナリオからはずれた路線の修
正を目指すのは当たり前のこと。
 しかし、橋本氏の思いどおりに動かないのも政治の本質。橋本氏の思いを後
ろからコントロールしている力があるのがこの世界の常識。
 いまのままでは参院選は戦えないと考えているのは若手の議員だけではな
い。そこで影の力が内閣支持率アップの狙いで目玉閣僚を考えるのは当然とし
ても、森氏が始めから橋本氏を目玉に描いていたとは考えにくい。側近の誰か
か、森氏に入れ知恵可能な戦略家かが吹き込んだ可能性が高い。

●政局の本質を見損なっている大マスコミ

 田中真紀子氏を入閣候補として森氏が側近に打診したとされる話も実は全く
同根の政治戦略であり、この影には、橋本派の知恵袋が動いた可能性がある。
 つまりは、森氏がいつこけても、与党で首班指名できる体制として首班候補
者をすべて入閣しておくアイデアを、別の大義で実行したまでである。
 ここまでくれば、経済財政諮問会議と財政首脳会議とがどんな綱引きをしよ
うと、自民党税制調査会と与党税制協議会とがどんな綱引きをしようと、ある
いはこれに政務調査会がどんな横槍を入れようと、「どうぞご自由におやりな
さい」なのである。
 影の力は、予算の大綱をどこで決めようと、税制の大綱を誰が決めようとそ
こまで言い募る国民は少ないと言う読みをしている。
 憲法調査会と同じように、国民の支持率を反映した論議になるのは明らかで
あり、少なくとも自民党の支持率低下の歯止めにはなるという読みがある。
 そんな政治戦略が見て取れるのである。
 「加藤政局」の第3幕は開いたばかりだが、狡猾な政治戦略に乗せられては
いけない。多くのマスコミも政局の本質を見損なっている。
 キングメーカーとしての地歩を固めたかに見える野中氏が「行革」か「税
制」か、あるいは「予算」か、何をキーワードに「政局」を動かすかでポスト
森の姿がはっきり見えてくると言っていいだろう。

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東証一部「黒田電気」がオウム真理教の青山総本部ビルを取得した奇々怪々
許永中の「新井組」も関係        経済ジャーナリスト 中野 中良

 東証一部上場の「黒田電気」(本社・大阪市、勝田朝夫社長)という独立系
の電子部品商社がある。
 何とこの会社が、5年前までオウム真理教(現在はアレフ)の総本部が使っ
ていた東京・青山七丁目のビル(地下一階、地上五階)の所有権者になってい
る。
 黒田電気が同ビルを取得したのは、今年10月末、自己破産した大阪市の電
子部品輸入商社の「台和ホーユー」から債権のカタに手に入れたものだ。
 だが、同ビルを91年3月に建設した大阪の不動産会社は、翌92年12月
に倒産。ビルの建設代金が払えなくなり、新井組が代物弁済で取得した。(所
有権移転登記済み)
 ところが、建設費を融資していた安田信託銀行が競売にかけたところ、都内
に住む個人が落札、資金を出していた不動産会社に所有権が移った。
 そして、この不動産会社から同ビルを購入したのが台和ホーユーだった。し
かし、台和ホーユーの取締役個人が所有権者で、この取締役は台湾出身で会社
の金40億円を流用、その金でオウム真理教の入居していた青山のビルを取得
していた。
 最終的に台和ホーユーに債権を持つ黒田電気が代物弁済で取得したわけだ
が、どうもウラがありそうだ。
 疑惑の第一は同ビルの建設を担当した「新井組」は、イトマン事件の主犯・
許永中とかかわりの深い会社であること。第二は競売で取得した個人に金を出
していた不動産会社に台和ホーユーが金を出していたこと、第三に台湾出身の
取締役が何物かということなどである。
 黒田電気は、これだけの疑惑が持たれている青山七丁目のビル取得の経緯を
ディスクローズする必要があるだろう。

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【平成のお家騒動】第17回  佐川急便  経済ジャーナリスト 中野忠良
佐川清の息子らのクーデターが失敗/解任動議連発で大混乱の役員会一部始終

 佐川急便は今年6月19日に開かれた株主総会後の取締役会で、創業者・佐
川清氏の次男で副社長の佐川光氏(47)の代表権を剥奪すると共に、湊川泰
生副社長(57)境保副社長(62)の2人を解任、代表権を持つのは栗和田
栄一社長(53)だけとなった。
 実は、6月3日の取締役会で栗和田社長の「解任動議」が可決されていた。
その後、社長派が巻き返しを工作し、栗和田社長の解任動議に賛成していた3
人の権利を剥奪すると共に解任したのである。
 佐川急便の社内では、栗和田社長派と湊川副社長派が激しく対立しており、
完全な“お家騒動”の様相を呈していた。
 副社長2人の解任までのスッタモンダについて、佐川急便関係者はこう語っ
ている。
 「解任が事実上決まったのは今年3月の取締役会。まず、閉会直前に、湊川
派から栗和田社長の解任動議が出され、1票差で可決され解任が決まった。直
後、栗和田派から湊川、境の副社長解任動議が出され、ことらも1票差で可決
された。続いて行われた次期社長の選任では、佐川光氏が推されたものの賛否
同数で決まらず、今度は栗和田氏の再任が可決され、結果として、副社長2人
の解任だけが残る形となった」

◆創業者で大株主の佐川清氏の今後の出方に注目

 つまり、湊川、境副社長の2人が起こしたクーデターが失敗に終わり、栗和
田派の返り討ちにあったというわけである。
 「栗和田氏は旧国鉄から佐川急便に入ってきた“外様”である。ところが、
メインバンクからはかえってそれが気に入られ、ヤミ献金疑惑で汚れたイメー
ジを回復するために、銀行の後押しで社長になった。栗和田氏は、これまでの
“いけいけドンドン”のやり方を改めて、債務縮小に努め、経営再建を進めて
いた。そのやり方に不満を持った。創業時代からの番頭役をつとめてきた湊
川、境の両副社長が“本家”の光副社長をかついで復権を図ったが失敗したと
いうのが真相」(佐川急便役員の話)
 佐川急便は、91年(平成3年)7月、東京佐川急便の渡辺広康社長が暴力
団・稲川会系企業に500億円の債務保証をしていたことが発覚、さらに東北
佐川急便のヤミ献金疑惑が出て経営危機に見舞われた。
 東京佐川急便は6000億円の不良債権を抱え、佐川急便本社(京都市)は
経営破たん寸前まで追い込まれた。そこで、メインバンクの三和、住友が緊急
融資をして、不渡り倒産はまぬがれた。
 創業者の佐川清氏は病気療養中だが、大株主として影響力は残しているの
で、今後どのような行動に出てくるか注目される。    (次回はフジタ)

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