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2000/12/27 No.67    週刊メールジャーナル   読者数7976人(前回)
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自民党の熾烈な予算分捕り合戦/ODA族議員・鈴木宗男氏のこっけい奮闘記
M資金詐欺と特別背任事件で名門ツムラの信用を失墜させた三代目社長の不徳
住友林業で暴力告発/過去には住銀で上司撲殺事件、グループの懲りない体質
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自民党の熾烈な予算分捕り合戦/ODA族議員・鈴木宗男氏のこっけい奮闘記
亀井静香政調会長の思惑に翻弄される      ジャーナリスト 川崎 明

 2001年度予算の政府案は、結局、森首相が大見得を切ったような、「リ
ーダーシップを発揮する」場面もないまま、24日の臨時閣議で決まった。
 「財政の効率化と質的改善を図るため、リーダーシップを発揮し、新世紀の
スタートにふさわしい予算編成をしたい」。確か森氏は、自ら作った財政首脳
会議の初会合でこう述べたはずだ。
 本来なら、官邸機能強化を柱とする省庁再編に向けて、首相の指導力を発揮
しなければならない場面があったはずなのに、それはまるで見られなかった。
 あまつさえ、省庁再編によって効率化が期待された予算編成にも、ほとんど
自らは手を出さず、党と官僚にお任せだったうえ、お手盛りと言われても仕方
が無い、北陸新幹線の予算獲得にだけ、首相の存在感が目立ったのでは、困っ
たものだ。
 しかし森抜きを見込んだところでは、相変わらずの、族議員を中心にした予
算の分捕りあいが、水面下で激しく行われたのは言うまでも無い。
 そのなかで、ひときわ目立ったやり取りがあったのが、政府の途上国援助
(ODA)予算である。

●「ODA予算3割カット」ブチ上げの裏の思惑

 予算編成の初期段階から、ODA予算の3割カットをぶち上げたのは、例に
よって亀井政調会長だった。
 結果としては、3%カットに落ち着いたことで、一番ホッとしたのは鈴木宗
男総務局長だった。
 亀井氏のねらいは、3年連続で最大規模を保つ公共事業費に対して、事業別
シェアの見直しを提言して、国民の前を繕う一方、最強の族議員集団である橋
本派に揺さぶりをかけ、政調の主導権を確立することにあった。
 そのためには、阿吽の呼吸で通じる、仕事師仲間の鈴木氏とのお芝居を仕組
んだのである。
 善意の学者やボランティアまで総動員して、ODA予算カット反対キャンペ
ーンをぶち上げさせたと言われる。
 実は鈴木氏は対中国経済援助などで党内論議が紛糾するたびに、外務省擁護
に回る「守護神」的存在なのである。鈴木氏は外務政務次官の経験を生かした
れっきとした外交族である。
 しかも鈴木氏の政治資金には、アフリカ各国へのODAがらみのキックバッ
クが有力な資金源になっていると言われる。
 亀井氏は、そこら辺りを飲み込んだ上でのパフォーマンスだったようだが、
万が一にも、ODA予算が三分の一も削られては、鈴木氏の財政的ダメージも
大きい。ハラハラのし通しだったようだ。

●外務省幹部怒鳴りつけた数日後に擦り寄り発言

 その鈴木氏も、その間の精神的動揺を示すかのような、なんとも情けないパ
フォーマンスを演じている。
 さる12月14日に開かれた自民党外交関係合同会議で、外務省幹部を怒鳴
りつけたというのだ。
 そもそも、自分に何の相談もなしに、外務省が出版計画を進めていたことが
気に障ったらしい。
 『我が国の軍縮外交』なるアカデミックな書籍で、今月末に約3000部を
発行、大学などに配る予定だったという。予算は約300万円。
 これに対して鈴木氏が「税金の無駄遣いだ」と猛反発したと言うのだからお
かしく思われても仕方が無い。
 この本の発行については、すでに河野外相が6日の記者会見で発表済み。
 要するに鈴木氏は、自分が外交族のリーダーであることを、官僚に思い知ら
せようと、パフォーマンスをしただけなのだ。
 その証拠に、20日に開かれた同じ会議では、「思いつきで3割削減と言う
人もいたが、間違いだ。外務省は我々を使ってほしい」と、前週のパフォーマ
ンスは忘れたかのような発言をしている。
 はしなくも表れた族議員の生態の一端だが、さきゆき、財政再建のシナリオ
の中では、公共事業予算を巡る族議員同士の対決は、はしたなさを剥き出しに
していくことになるだろう。

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【平成のお家騒動】第19回  ツムラ   経済ジャーナリスト 中野忠良
M資金詐欺と特別背任事件で名門家の信用を失墜させた三代目・津村昭の不徳

 戦後、中小企業が開発した三大ヒット商品といえば、大宅壮一流に言うと、
1,インスタントラーメン、2,マホービン、3,トランジスタ・ラジオ、そ
れぞれ日清食品、象印マホービン、ソニーと今をときめく大企業に成長してい
る。
 東京の名門ご三家といえば、一に三輪、二に小林、三に服部で、三輪は三輪
石鹸、小林はライオン、服部はセイコーを指す。
 こうした名家、名門と並び称されてきたのが「養命酒」の鳩山薫子(鳩山由
紀夫民主党代表の祖母)と「中将湯」の津村重舎である。
 今回の主人公・ツムラは明治26(1893)年に津村重舎によって創立さ
れた津村順天堂の名前で婦人薬「中将湯」を売り出し、大成功を収めたのであ
る。
 重舎は、家に代々伝えられてきた漢方婦人薬を売り出すに当たって、郷里・
奈良県で伝説的な人物だった中将姫に因んで「中将湯」と名付けた。
 当時は、婦人薬としては先発の「実母散」が有名であり、よく売れていた。
重舎は、自ら商品を背負って売り歩き、広告、宣伝にも力を入れ、人気画家・
高亀華宵にデザインを依頼、人気を呼んだ。
 そして、創業4年目に浴用材「バスクリン」の祖になる「浴用中将湯」を発
売して事業を拡大、中国に進出する。また、重舎は貴族院議員に選ばれ、政界
に進出、軍部批判演説で有名になった。

●川柳「唐様で“売り家”と書く三代目」を地でゆく

 昭和16年、初代重舎の死去の後、慶大経済卒の長男・甚太郎が重舎を襲名
、社長に就任すると、戦後の漢方薬ブームに乗って社業を発展させた。
 二代目重舎は、昭和5年大衆浴場向けに発売した浴用剤バスクリンの家庭版
を発売、高度成長期に家庭風呂が普及したことにより、浴用剤は爆発的に売れ
た。
 昭和51年、2代目重舎は十分な成功を収めた後長男・昭に社長を譲った。
三代目は慶大法科を卒業、米国に留学、バスクリンの類似品が出回ったため
に、新製品の開発に力を注ぎ「名湯シリーズ」(昭和61年)を発売してヒッ
トさせ、63年には社名を「ツムラ」と改称、モダンな感覚を経営に取り入れ
た。
 医薬用漢方薬の市場では、ツムラは断トツのシェアを誇っている。だが、
94年秋、三代目・津村昭社長は「M資金」の甘い罠にはまり、会社の信用を
失墜させた。
 97年10月、津村昭社長は子会社ツムラ商事へ70億円の融資を無断で行
い、特別背任罪に問われ逮捕された。
 98年3月期決算で、連続赤字を計上し、風間八左エ門社長が経営再建中で
ある。97年に売り上げは1126億円の最高を記録したが、98年には売り
上げが落ち、24億円の赤字を計上、有利子負債を950億円まで圧縮する計
画と取り組んでいる。
 江戸川柳にある「唐様で“売り家”と書く三代目」を地でゆくツムラの創業
107年目である。                  (次回は京セラ)

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住友林業で暴力告発/過去には住銀で上司撲殺事件、グループの懲りない体質
部下を人前で回し蹴り、支店長室に軟禁  経済ジャーナリスト 中野 中良

 「とにかく暴力的な人です。営業成績の悪い社員は、支店長室に“軟禁状
態”にされ、“いつ辞めてくれるんや”と辞表を書くまで部屋から出してくれ
ない。クレームが来たお客さまに担当者と一緒に謝りに行き、いきなり部下に
“テメー”と叫びながら頭に回し蹴りを入れたこともある……。」
 という内部告発のホームページ(HP)が今年9月中旬から11月初めまで
続けられた。一部上場企業・住友林業(本社・東京都新宿区、矢野龍社長)の
関西地区のA支店長が、内部告発を受けた本人である。
 同社総務部では「A本人を呼んで事情を聞きました。少し血の気の多い人物
ですが、“社員に手を上げたり、支店長室に軟禁したこともない”ということ
で、社員からも、暴力行為があったという報告はなかった」として、A支店長
への処分の必要性は見出せなかった、と説明する。
 だが、社内調査の内容を突っ込んで尋ねてみると、辞めた社員からの聴取は
行われていなかったし、事情を聞いた社員も“後難”を恐れ、本当のことを言
わなかった可能性が十分である。

◆一流、名門企業ほど不詳事隠しは悪質化する

 住友林業は、1948(昭和23)年創立の名門会社であり、木材取り扱い
の大手で、住宅部門の収益が柱になっている。日本の国土の1000分の1を
保有するというとてつもない資産の持ち主でもある。
 年間売り上げ高は6800億円、従業員は4100名、住友グループ直系の
名門会社であり、とても告発にあるような暴力的な支店長が存在することは考
えられない。
 しかし、住友グループでは、住友銀行で新入社員が上司の支店長を待ち伏せ
して、野球のバットで殴り殺すという不詳事件を起こしている。
 住友グループの「学業成績第一主義」の採用方針に問題があると指摘されて
もいる。勉強だけで世間の常識知らずの“片輪の人間”が一流企業に入り、出
世すると自己中心の職場人間が出来上がり、とんだ不祥事を起こす例は多い。
 聞けば、A支店長は学歴が高校卒で、高学歴の部下をいじめるのが生き甲斐
となり、成績(営業の)が悪い社員に暴力を振るうようになったという。
 企業の“不詳事隠し”は、雪印乳業や三菱自動車工業、ブリヂストン、三洋
電機、味の素などのように、“一流”“名門”であればあるほど悪どく、恥知
らずの度合いが深い。

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週刊メールジャーナル 2000年12月27日号 第67号(水曜日発行)
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