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  2006/3/1 No.323   週刊メールジャーナル  読者数11311人(前回)
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マスメディアは民主党批判一色だが、
果たしてそれだけでいいのか?
            本誌編集発行人・ジャーナリスト 川崎 明

 「ホリエモンメール」をめぐる国会内の乱闘は、28日、マスメディアの異
常なまでに熱を入れた報道の結果、当の永田寿康民主党衆院議員と、同党・鳩
山由紀夫幹事長、野田佳彦国会対策委員長の「謝罪」で、局面転換がはかられ
た。

 だが、異常なまでの加熱報道を続けてきたマスメディアは、「あれで謝罪と
いえるのか」と、引き続き民主党攻撃の手を緩めそうにない。

 その理由は二つある。
 一つは、今年9月の自民党総裁選挙まで小泉政権を延命させ、無事、与党内
政権交代を実現させることにより、これまでの「構造改革路線の継続」をはか
ろうとする自民党一部勢力に加担する、マスメディア内の報道思潮があること。

 対する二つ目は、この国のジャーナリズムの底流にある、「2大政党による
政権交替の実現」をリードしてきたマスメディア内の一部報道思潮のなかに、
民主党の体質改善を求める動きがあるからだ。

 前者のメディア思潮は、商業主義のもとで巨大企業に成長したマスメディア
の現体質を温存し、自民党権力との共生をはかる動きだ。

 後者のそれは、マスメディア内の権力批判と脈絡する動きだが、残念ながら
体制内ゲバルト(権力闘争)の域を出ていない。

 このような背景が、永田議員と民主党に向けられたマスメディアの大合唱に
なっているとみればわかりいい。

 だが、これらマスメディアによる批判は、いずれも国民の認識・意識をほと
んど無視しているといってもいい。

 例えば、NHKをはじめ、マスメディアがこの数日内に実施した世論調査で
は、多くの国民は永田議員の「謝罪」の必要性は認めているものの、「辞任」
までは求めていないことが明白だ。

 その背景には、マスメディアが報道していない、「報道し得ない真実」があ
るのではないかと、敏感に嗅ぎ取っているからに他ならない。

 加えてマスメディアでは、この数年、一般企業に負けないほど「不祥事が続
発」しているのに、その責任の取り方は、いま、彼らが民主党に求めている責
任の取り方と、余りに乖離していることに国民は違和感を持っているからだ。

 現に、つい先日発覚した、この国の資本主義市場の根幹を揺さぶるような、
日本経済新聞社広告局社員の「インサイダー取引」は、これこそ、ライブドア
決算偽装と同じくらい重大なできごとだった。

 にもかかわらずその報道も、責任追及も、「メディアは合い見互い」とばか
り、あまりに温情的だったといっていい。

 多くの国民は、本誌が前号で指摘したように、永田議員個人の「勇み足」に
ついてはとうに認めている。民主党の現執行部が、このような情報の議会内で
の処理に、「あまりに幼稚」であったことも事実。

 しかしそれ以上に、先の衆院選でホリエモンをことさら大袈裟に支援した自
民党には、もっと大きな責任があるはずだ。

 それをまた、これでもか、これでもかというほど報道したマスメディアに責
任は無いといえるのか。

 そういう認識が、国民の中には、はるかに深く、広く浸透しているのだ。

 そもそもあの選挙では、「自民党を勝たせすぎ」という大きな反省が、多く
の国民の気持であることを、マスメディアは過少評価している。

 その原因もまた、マスメディアの報道自体にあったことは明白であり、その
根っ子には、マスメディアが、本誌のいち早い予測と裏腹に、衆院選の勝敗を
読み違えていたことがある。

 いずれにせよ、いまマスメディアには、民主党の責任だけを大声で問う資格
は無いといっていい。

 週刊誌などの報道によれば、自民党有力幹部、派閥代表らの子弟が、東京銀
座の高級倶楽部で先ごろ「札びらを切って遊びほうけていた」とされる。

 しかも、そのうちの一人は、「ホリエモンとは家族ぐるみの付き合い」を自
分の彼女に公言し、スポンサーとしてのホリエモンの存在を誇示して憚らなか
ったともいう。

 多くの国民は、このような報道と、「にせメール」による国会内乱闘とのか
かわりを、報道されない「闇」の部分として、早く明らかにしてほしいという
願望を持っている。

 それが、永田議員の「辞任不要論」の背景にあることを、マスメディアは悟
るべきである。

 仮に「にせメール」の仲介者・元記者を、永田議員が明らかにし得ないとし
ても、すでにネット社会でほとんど明らかになっている情報の裏を取れば、マ
スメディアが報道できない理由はない。

 国民の、率直な、知りたい疑問に応える義務がマスメディアにはあるだろう。
それが単なる民主党叩きに終始しては、まさに「片手落ち」だ。

 実は本誌も、読者からいただいた情報をもとに、目下、真実探求のため精力
的に動いている。にもかかわらずマスメディアが、この報道に熱意を示そうと
しないのはなぜなのか、このようなことでは、国民のマスメディア不信は募る
ばかりである。
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 週刊メールジャーナル 2006年3月1日 第323号(水曜日発行)
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