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  2006/4/19  No.330   週刊メールジャーナル  読者数11913人(前回)
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●民主党小沢代表でポスト小泉に変化はあるか
(会員制経済情報誌『現代産業情報』4月15日号より転載)

 メール問題でその信用が地に落ちた民主党だが、執行部総辞職を受けた代表
選挙で、真打ち小沢一郎代表が登場、様相が変わってきた。

 幾多の政界遍歴で批判も根強い小沢代表だが、全国的にはかなりの小沢ファ
ンがおり、代表選での決意表明はかなり迫力があった。

 前原前代表らの若手で自民党の小泉首相以下、政権与党に甘く見られていた
野党第一党の民主党だが、新代表の登場で一転、同党に対する期待が高まる状
況になった。

 当面の千葉の補選が一つの試金石になるが、与党自民党・公明党にとっては
かなり厳しい局面が予想される。

 昨年の衆院選の大勝利で浮かれたままに更に民主党のメール問題で楽な国会
運営が続き、ポスト小泉問題が次のテーマとして浮上していた。

 現段階ではポスト小泉の本命は安倍晋三官房長官だというのが、自民党内外
の一致した見方であるが、9月に向けて小泉内閣の支持率が急落し「死に体」
となれば、総選挙の流れも変わる。

 森善朗前首相が率いる森派「清和会」は、森善朗ー小泉純一郎首相を出し、
今や党内最大派閥になったが、自民党の歴史の中でも三代続けて同一派閥から
選ばれたケースは過去になく、安倍晋三総理総裁となれば他派閥からの不満が
表面化するだろう。

 更に、複雑な状況となっているのは、本命安倍氏に対して、最有力の対抗馬
とされるのが、同一派閥の福田康夫元官房長官だからである。

 しかしながら、圧倒的に国民的な支持を受けている安倍晋三官房長官に、ポ
スト小泉を狙うだけの力量が本当に備わっているのか、極めて疑問である。

 安倍支持の理由として、若さとバイタリティー、反対勢力を恐れない決断力、
改革を軌道に乗せ小泉政権を継承できる、日本のアイデンティティーを明確に
しており、韓国問題を含め対中外交と、拉致問題に対する強硬姿勢を評価する
などがあげられる。

 だが、安倍官房長官はほとんど政治家としての実績はない。幹事長などの党
の役職は経験したが、大臣などの経験がなく「自分の気持と政治家としてのや
るべきことが区別できていない」のではないかという指摘も根強い。

 確かに、麻生外務大臣の冷やかしではないが、安倍官房長官が財政問題やマ
クロの経済問題に強いとはだれも思っていないのではなかろうか。

 小泉総理の側近として、批判を受けない程度の仕事をし、夜には若手議員な
どの会合に連日出席し、支持者を広げる努力をしているようだが、政治家とし
ての実力が試されたことのないこの人に、総理総裁になる資格が本当にあるの
だろうか。

 たまにテレビの報道番組に出ても、同じ日に三つのテレビ局で同一のエピソ
ードをしたり顔で語るようでは、心もとない。ディズニーの香港進出での中国
当局の介入問題だ。

 総裁選に突入し、ライバルたちと、行財政改革、安全保障、東アジア外交、
格差社会の是正などで本格的な論陣を張れるのであろうか。

 大臣歴などがないから、国会でも予算委員会などでの追及を受けた経験もな
く、挑発的な言辞に弱いとされている。

 もし安倍総理総裁が実現しても、それに挑んでくる小沢一郎民主党代表らと
の論戦に、対抗できるのであろうか。

 自民党のベテラン議員の中には、今から「党首討論」「予算委員会総括審議」
などが懸念され、メタメタになる可能性を指摘する声もある。

 そして、問題なのは、側近に信用できる大物秘書などがいないことも心配さ
れている。

 結局、総裁選もその後も、自らの政策能力の弱さを他に求め、安倍を扱いや
すいとみる官僚の応援団や、自民党の中川政調会長、竹中総務大臣や悪評ふん
ぷんの武部幹事長らに担がれ、口先男・出たがり男と酷評される山本一太参院
議院らの調子者の支えだけで総理総裁の重職に耐えられるのであろうか。

 夫・安倍晋太郎氏が果たせなかった夢を、息子である晋三氏に賭けている母
親が、最も積極的な「総裁選出馬論者」であるという。

 毛並みのよさと、若さ、その風貌で国民的人気が高いのは当然だが、強敵小
沢一郎民主党代表の出現は、かなりのインパクトを与えている。

 政権与党も経済界も、ポスト小泉の最有力者である安倍晋三氏の政治家とし
ての力量を、冷静に客観的に、もう一度評価し直す時期にきている。

 安倍氏も、小沢一郎民主党代表の『日本改造計画』に対抗する程度の政策論
を著書として発表する準備が必要だろう。

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【あとがき】

千葉7区補選は、自民、民主両候補の形勢混沌のまま終盤を迎えている。この
補選の本質は、原因と経過に関係なく、「政権交代の是非」を問うことにある
といっていい。

だから、候補の良し悪しに関係なく、投票率が重要になる。マスメディアの責
任は大きい。

少なくとも、投票率が低ければ学会票の影響が高まるとか、高まれば誰に有利
といった枝葉末節の些末な情報を流すべきではない。

いかにすれば、政治に関心の薄い若年層やすでに信頼をなくしてしまっている
有権者が、投票所に足を運んでくれるか。その一点に絞った、啓蒙的な報道が
できるかどうかがメディアの良心を示すバロメーターになるだろう。
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 週刊メールジャーナル 2006年4月19日 第330号(水曜日発行)
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