■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2006/5/31 No.336 週刊メールジャーナル 読者数11808人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●JR東・松田相談役に「空の安全」に関わる資格があるのか? (会員制経済情報誌『現代産業情報』5月15日号より転載) 東・松田昌士、東海・葛西敬之、西・井出正敏の「JR改革三人組」は有名 だが、各社のトップに上り詰めるまでに生じた三人の確執と差異は大きく異な る一方であった。「改革三人組」の差異――その象徴的なものが、労務政策で ある。 JR東海の葛西、西の井出両氏は、国鉄民営化賛成に転じた旧動労であって も、「経営権に踏み込むような要求には応じられない」とするスタンスを貫き 通し、JR総連の中部・関西地区の力を削いできた。 井手氏に至っては、労組を徹底的に無力化し、経営による恐怖政治を実現し て、福知山線脱線事故という未曾有の大惨事の遠因すら作り上げたほどである。 一方、JR東の松田相談役は、対照的な労使協調関係を築き上げてきた。自 ら「核マル派を作った本人」と公言するJR東労組の松崎明元会長との関係は、 「異様なほどの信頼関係」(関係者)であり、JR他社の経営陣や対立組合か らは「JR東の人事は東労組に左右されている」「東労組は経営陣に擦り寄っ ている」との批判を招いてきた。 JR東―東労組の蜜月は「癒着というに等しい」と、内部関係者でさえ指摘。 これが94年の『週刊文春』による「JR東日本に巣くう妖怪」キャンペーン を呼んだことも記憶に新しい。 その「協調路線」の松田氏が、日本航空の非常勤監査役に就任することが明 らかにされた。 経営建て直しに迫られる日航が、国鉄改革で手腕を発揮した松田氏にすがっ た理由は、その労政能力にあるとみるべきだろう。 日航をめぐる労組環境は、かつての国鉄に劣らないほど厳しく、複雑である。 ここを整理しない限り、相次ぐ整備ミスや運行トラブルがなくならず、乗客離 れに歯止めがかからないことは、確かにその通りであろう。 そのためには「対立姿勢」の葛西氏ではだめだった。あくまで「懐柔派」の 松田氏でなければならなかったのである。 だが、松田氏に本当にその資格があるのであろうか――。 5年前、松田氏を脅かした国会質疑が繰り広げられたことがある。01年5 月25日、衆院国土交通委員会。 政府参考人として呼ばれた漆間巌・警察庁警備局長(当時)は、「警察当局 ではJR総連、東労組において、影響力を行使できる立場に核マル派系の労働 者が相当浸透しているとみている」と発言したのだ。 東労組の松崎氏らを念頭に置いた発言とみられ、そうした勢力と「癒着」と まで表現される蜜月の協調路線を展開する松田氏に対する、警察当局としての 強い警告であった。「漆間答弁」を受け、松崎氏は東労組の会長ポストを降り ているのだ。 今回の日航の非常勤監査役就任を受け、松田氏は「日航が衰退していくのを 見るのは忍びない。安全運行と健全経営ができるよう、日航再生に微力ながら 努力を傾注したい」と、意欲をみせている。 しかし、JRウオッチャ―のジャーナリストは、松田氏の怪しげな豹変ぶり を次のように指摘する。 「松田相談役は相当に喜んでいるようです。昨年12月の山形・JR羽後線 の特急脱線事故で引責辞任の意向を表明しながら、今年2月の人事異動で『事 故の責任を取ったわけではない』と、引責を否定する不可思議なコメントを付 して相談役に退いたのは、既に日航からオファーを受けていたためだとみられ ています。 安全運行の助けとなる人物が、事故で引責辞任していたら話しになりません からね。つまり、松田氏は日航から要請を受けて“豹変”したのです」 しかし、安全運行を請われる松田氏は、「円満経営」のために極左過激派を 取り込んでいた疑いが持たれているのだ。 国民の公共輸送機関に重大な脅威をもたらした日本最大の鉄道経営者に、 「空の安全」に関わる資格があるのか、甚だ疑問だと言わざるを得ない。 日航の労組構造は極めて複雑である。旧JAL系6、旧JAS系3の計9の 労組があり、このうち最大労組で連合系のJAL労働組合が経営側と共同歩調 をとるものの、これを「会社寄り」と批判する他の8労組が反発して連携する。 極左と手を取り合った松田氏の登用が、JAL労組関係にどのような作用を もたらすのか。警視庁公安部をはじめとする公安当局が注視している。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』を購読のご希望は本誌が お取次ぎします。お申し出あれば見本誌を無料でお送りいたします。 _____________________________________ このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 配信を希望または中止されたい方はこちらでどうぞ。 http://www.mail-journal.com/touroku.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2006年5月31日 第336号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |