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  2006/6/28  No.340   週刊メールジャーナル  読者数11785人(前回)
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【お断り】
 本号は本誌編集日程の都合により、26日に予約配信させていただきました。
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●村上・福井事件で沈黙するオリックス宮内会長の罪
(会員制経済情報誌『現代産業情報』6月15日号より転載)

 企業に必要なのは「ヒト」「モノ」「カネ」である。どれだけ才能のある人
間も、この三つが揃わなければ事業を成功させることはできないし、起業すら
覚束ない。

 設立7年でファンド規模を4445億円にまでした村上世彰容疑者は、その
弁舌とパフォーマンスの巧みさを含めて、稀有な才能を持つ人といって差し支
えないが、官僚上がりのこの人に「ヒト」「モノ」「カネ」は用意できなかっ
た。

 すべて整え、才能を見込んだ村上容疑者に縦横無尽の活躍をさせたのは、オ
リックスの宮内義彦会長である。

 そういう意味で、上場企業の心胆を寒からしめ、事件化によってマーケット
を混乱させた村上容疑者の罪は、宮内会長の罪でもあるのだが、厚顔にもこの
人は沈黙を貫いている。

 M&Aコンサルティングの創業の地は千葉県船橋市のオリックスの研修施設
で、休眠会社を村上容疑者に譲ったもの。

 同社とファンド運営会社のMACアセットマネジメントには、オリックスが
役員を派遣していた。またMAC社に45%を出資、当初の運用資金もオリッ
クスが出している。

 さらにオリックスは、投資銀行本部が募集窓口となって、MAC社に資産運
用させるためのファンドを立ち上げている。

 統合アクティビストファンドといい、200億円近い規模に膨らんでいる。
村上ファンド全体からすれば20分の1でしかないが、海外機関投資家の巨額
資金ではなく、国内一般投資家が1000万円単位で投資しているものだけに、
オリックスには販売責任が生じる。

 つまり、宮内会長は村上ファンドそのものだった。市場原理主義といってい
い村上容疑者の主張は、同容疑者の個性が織り成す過激なパフォーマンスを除
けば宮内会長と一体であり、政府内で規制改革の旗振り役を務めて、何かと制
約のある宮内会長は、村上容疑者をダミーの実践者にして、自分の代弁者とし
て活用したと見ることもできよう。

 それだけではない。自分の人脈も村上容疑者に紹介、使わせた。その代表が
福井俊彦日銀総裁である。

 福井総裁は、ファンド設立当初からアドバイザリーボードメンバーに名を連
ねていたが、村上容疑者は、まだファンドが無名だった頃、「福井さんも退職
金(日銀副総裁の時のもの)をウチに預けてくれています」ということを“売
り”にしていた。

 その福井総裁のファンドへの投資問題が発覚した。小泉純一郎首相や与謝野
馨金融相は「民間人の頃の話」と、軽く考えているようだが、この問題の根は
深い。

 例えば、なぜ福井総裁が2月に解約を申し出たかである。ファンドの締めは
6月と12月であり、解約の場合は100日前までにそう申告する必要がある。

 05年に巨額の報酬を得た村上ファンドは、2月の時点でシンガポール脱出
を決めており、その意向を村上容疑者から伝えられての解約ではなかったか。

 もしそうなら、他の一般投資家に比べた場合の特別措置は明らかで、含み益
の20%といわれる成功報酬を、村上ファンドが福井総裁からキチンと徴収し
ていたかどうかもチェックする必要がある。

 この福井総裁問題も、種を蒔いたのは宮内会長ということになるのだが、同
会長はいつまで無言を貫くつもりだろうか。

 規制改革・民間開放推進会議の議長として宮内会長は、ハローワーク、社会
保険庁、学校法人、医療機関など数々の規制緩和に関わってきた。

 その路線に沿う形で、例えば証券取引所の民営化論議が盛り上がる時、それ
を先取りするように、村上ファンドが大阪証券取引所や日本証券金融を買い占
めていることに違和感を持つ証券関係者は少なくない。

 「オリックスの社長室には野村證券出身の幹部がいて、村上ファンドのパー
トナーである丸木(強)氏と親しい。銘柄選定において両者は連動しているの
ではないか」(大手証券幹部)

 規制緩和時代の“鬼っ子”として逮捕された村上容疑者の“生みの親”が、
政府の規制緩和推進役であったという皮肉。

 小泉政権の経済政策の根幹にかかわることであり、福井問題も含めて、宮内
会長はすべてを明らかにすべきだし、小泉首相はそうさせなければならない。

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