■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2006/8/9 No.346 週刊メールジャーナル 読者数11759人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【お断り】 7月19日付本誌N0.344に引き続き、「ナナ総合コミュニケーション 研究所」が運営するウェブサイト『COMMU−SUPPO』(コミサポ)の コラム「社内広報を考える」を掲載します。 『COMMU−SUPPO』は、社内広報担当役員・社内報担当者のための 専門的コンテンツで構成されていますが、経営者向けの広報アドバイスとして も、他のメディアの追随を許さない内容があります。 ご関心の向きは下段の【お知らせ】に記載した『COMMU−SUPPO』 のURLからアアクセスしてください。 ◆内部統制システムと社内広報 その3 ジャーナリスト・広報アドバイザー 川崎 明 去る7月27日開催の「第4回社内広報サロン」で私は、大きな社会問題と なっている日本経済新聞社とパロマ工業の事件を引き合いに出し、「社内広報 の本質」である「ICM」(インターナル・コミュニケーション・マネジメン ト)の重要性について少し話をした。 時間の都合でその場では言及しなかったが、両社の企業不祥事は、本質的に 似たような企業体質から発生している、ということを言いたかった。 両事件とも、実行動機が私的な目的か、組織的な目的かは別として、「何か おかしいことをしている」という、職場内の認識はゼロではなかったようだ。 むしろ、オフ・ビジネスの場では、「その内おおごとにならねばいいが」とい う懸念が、同僚などの口の端にのぼってもいたという。 職場の人々の懸念は、言うまでもなく「コンプライアンス」の問題であった。 ところが、このような明らかな「反コンプライアンス」の行為に対して、なぜ、 職場での有効な抑止力が働かなかったのであろうか。 ひとことで言えば、両社の企業文化は「職場のコンフィデンス(内緒ごと) を温存する」、あるいは「ひとごとについては無関心を装うが上策」とする企 業体質になっていたのである。 こうした企業の体質を、実は“対岸の火事”とはいえないのが、この国の企 業の「圧倒的多数の現実」といわざるを得ないのではないか。 実際この数年間、じつに数多くの企業不祥事が発生している。しかもその多 くは、幹部社員も加担した反社会的といわざるを得ない行為である。 そしてそのほとんどは、社内で少なからず認知されていた事案にもかかわら ず、「それはおかしい」「やるべきではない」という「内部牽制」を、あたか も押し潰すような共通の社風があったことが、いずれも不祥事発覚後に明らか になっている。 問題は、まだ社会的に表面化こそしていないが、表面化するまで、反コンプ ライアンスの事案が放置されかねない状況に置かれている企業が、少なくない 現実があるということだ。 近ごろの企業を取り巻く社会経済情勢は、一旦それが表面化すれば、企業の 信用は大きく傷つき、企業存続の危機にまで発展する可能性がある。 このようなリスクを避けるために、どこの経営者も社内のコンプライアンス を強化しようとしている。その結果、経営のリスクマネジメントとして、「内 部統制システム」の策定、強化をはかるようになってきたのである。 今回の会社法の改定(5月1日施行)は、国の法制面から、こうした企業努力 を後押ししたもの、と言えばわかりがいいかもしれない。 企業におけるコンプライアンスが、共通の経営課題として認識されるように なり、各社とも、社内広報によってその徹底をはかるようになってきたことも トレンディーな現実である。 だが、これまでの実態をみると、「コンプライアンスの掛け声」ばかりが先 行し、企業体質の変革にまで至っていない企業実態が多いのも現実のようだ。 本来、内部統制システムを機能させる中核的なバックボーンがコンプライア ンスであるはずなのだが、それがいまだに職場に根付かず、「建前」としかみ ない価値観が、社内にはびこっている可能性がある。 その原因の一つは、行政と企業経営との関係がパラダイム変換したにもかか わらず、経営者側にその理解が進んでいないため、従業者に対して上から下へ、 トップダウンの指示命令にとどまっているケースが多いこと。 いまひとつは、「コンプライアンスの概念」が社会的にいまだ徹底していな いことがある。 マスメディアにおける「外来語(カタカナ用語)の表記規制」がすすみ、コ ンプライアンスを、「法令順守」と漢字表記する例が増えていることも原因の 一つにあげられよう。 しかし、コンプライアンスの語源からもわかるように、守らなければならな いのは、単に、企業社会の法令・法規ばかりではない。一般社会での、人びと の間の願いを聞き入れること、幅広い約束事を守ること、いわば、形而上的な 倫理観も含まれると理解するべきなのである。(以下次号) 【あとがき】 7月27日、金融庁は日本生命保険に対して業務改善命令を発出した。 これは、同社の給付金支払査定担当社員が、長年にわたって違法な契約解除 をしていたことを、経営陣がガバナンス機能を発揮していなかったために、見 逃していたことを理由にした行政処分である。 しかし、この担当社員は、16年間同一ポジションにい続けるという、異例 中の異例の人事がおこなわれていた。 これは、この社員が、給付差益の職務目標を長年にわたって達成し続け、他 のセクションへの移動を拒否し続けていたことによる特例とされる。 このような特例が特認された背景には、本文の日本経済新聞、パロマ工業と 似た企業文化があったのではないかと推測される。 事実、この社員を巡る職場の噂はあったとされ、単なる企業ガバナンスの機 能発揮不十分では説明できない要素がある。 同社には、コンプライアンスを「建前」とする価値観が浸透していたのでは あるまいか。 【お知らせ】 ◆『社内広報サロン』 好評開催中◆ ナナ総合コミュニケーション研究所 http://www.nana-cc.com/commu-suppo/comuncation.html では、社内広報・社内報担当者による、社内広報・社内報担当者のための、 定期的な会合【社内広報サロン】を開催しています。 社内報編集者のみならず社内広報を担当される皆様に、自由に参加して頂き、 自由な雰囲気の中でリレーション、知識、ノウハウを深めていく場です。 過去4回開催し、大変好評を頂いております。 次回開催は 10/19木曜日 18時30分です。 開催・詳細については、下記でご確認ください http://www.commu-suppo.net/salon/060727salon.pdf 皆さまのご参加をお待ちしております。 -------------------------------- ナナ総合コミュニケーション研究所 「Commu-Suppo」 コミサポ http://www.commu-suppo.net/ 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 社内広報事業部 豊田 健一 Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail : toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com -------------------------------- ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2006年8月9日 第346号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |