■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2006/9/20 No.352 週刊メールジャーナル 読者数11643人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【まえがき】 本誌は今回、自民党総裁選の結果を確認してから、その分析を書こうと思っ ていたが、昨18日、新潟県新発田市に住む叔母が亡くなり、20日その葬儀 に参列するため、それができなくなった。 安倍長官の総裁選出は揺るがないものの、麻生外務相、谷垣財務相の善戦が 認められることになるだろう。 今回の総裁選では、TVの特別番組は軒並み視聴率が低かった。小泉ウェー ブに湧いた01年4月と様変わりだ。 それが今日19日締め切りの、107万人の党員票の投票率にも反映するは ずだ。おそらく50%を切る都道府県が続出することになろう。 それが何を意味することになるか、おそらくは、安倍政権に対する国民のニ ュートラルな民意を反映するものであることを、本人はもとより自民党がどの ように受け止めるか、見物である。 ●安倍政権「警察国家構想」が生み出しているもの (会員制経済情報誌『現代産業情報』9月15日号より転載) 小泉政権から安倍政権への移行が、官僚政治を復活させると予測させている 中で、特に警察官僚の政治力が増大するであろう観測が、永田町・霞ヶ関で強 まっている。 小泉政権下でその影響力を完全に封じられていた経済官庁の幹部が、「警察 政権になる」と自嘲気味に予測するように、「安倍政権は官邸、内閣官房の中 枢ポストを警察庁出身者で固める意向のようだ」(関係者)との見方が強い。 象徴的な観測が、官房副長官に警察庁の漆間巌長官を起用するというものだ。 「旧自治省出身の二橋正弘官房副長官を代えるとみられています。皇室典範 改正問題で全くソリが合わなかったことに加え、中国公安当局から外交機密提 供を強要され、在上海日本領事館員が自殺した問題の調査結果を報告してこな かったことに、安倍氏は強い不満を持っています」(関係者) 「漆間官房副長官」が実現すれば、これまで自治、厚生両省で独占してきた 官房副長官ポストを、警察官僚が初めて手にすることになる。 「さらに、首相秘書官には順送りの年次を二期飛び越えさせ、警備局外事情 報部外事課長の北村滋氏を抜擢するとみられています。 公安・外事に強い警察庁エリートで、長官候補と目されている逸材。財務省、 経産省出身の秘書官より重視する意向なのではとみる向きが、もっぱらです」 (関係者) 官邸は4月、安倍氏が後押しする形で内閣情報官に三谷秀史・警備局外事情 報部長を抜擢している。 かつて森首相の秘書官として、酔った状態で首相番記者を殴るという不祥事 を起こした人物のうえ、しかも三段飛び以上の抜擢人事に、安倍氏の警察重視 人事の姿勢が見て取れた。 この後、安倍氏は国家としての情報機能強化のため“日本版CIA”ともい える「国家安全保障会議」(NSC)の創設を明らかにし、その政治姿勢にお ける警察重視の意味を示した。 NSC構想は安倍政権の目玉ともいうべきものだが、関係者の間では、NS Cの初代広報官に安倍氏サイドは、ジャーナリストの桜井よし子氏に白羽の矢 を立てたと囁かれている。 とはいえ、こうした安倍氏の警察偏重姿勢が、当の警察官僚の集団に微妙な 圧力をかけていることを見逃せまい。 何よりも、警察庁の中では「問題児」「困り者」の三谷氏の抜擢は、“良心 的”な警察官僚の意欲を削ぎ、厭世観を充満させた。 公安・外事の現場は三谷氏を忌み嫌い、報告を拒む。内閣情報官に重要情報 が上がらない、即ち官邸が裸の王様になるという実害が生じているのである。 漆間氏が官房副長官になれば、入庁年次が二期上である元警視総監の野田健・ 内閣危機管理監が後塵を拝するという逆転現象が起きる。 関係者によれば、警視総監を退官した奥村万寿雄氏が野田氏の後任として危 機管理監就任を打診されたが、「警察庁の年次を無視した官邸の一本釣り人事 が役所の士気を下げている現状を快く思わず、固辞した」といわれる。 安倍氏の警察偏重が、警察官僚組織の中に新たな“利権”を生み出し、組織 としての機能を阻害しかねないことを憂慮した固辞だとみられている。 上位の権力が下位の権力機構から“一本釣り”で人材を引き上げる場合、そ の人選が広く納得を得られるものでないと、人心が離れ、“乱”を引き起こし やすい環境を生み出すことは、古今東西の歴史が証明している。 安倍氏が「警察国家構想」の布石として打った三谷氏の抜擢人事が、下位の 権力機構である警察庁の厭世観を醸成し、早くも人心が離れつつある現状を強 く指摘しておきたい。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申しであれば見本誌を無料でお送りいたします。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2006年9月20日 第352号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |