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  2006/12/27 No.364   週刊メールジャーナル  読者数11441人(前回)
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●無認可共済を監督する保険業法改正の裏に外資の圧力
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月15日号より転載)

 ペット医療費や賃貸アパート経営者の家賃収入などを保障する無認可共済は、
特定会員を対象にしているというものの、現実には入会金を払えば誰でも入れ
る手軽さもあって、会員数10万人と保険業者並みの規模を持つ大手業者もあ
る。

 総務省の調べによると、「共済」の名を使用している業者は700社弱。
「無認可」の名の通り、どこからも規制を受けることなく自由に営業している
ため、その実態は闇に包まれていた。

 この無認可共済を金融庁の監督下に置くべく保険業法の改正が行なわれ、2
年の移行期間を経て既存業者は、(1)株式会社、相互会社の設立により「小
額短期保険業者(登録制)」に移行、(2)株式会社、相互会社の設立により
「保険会社(免許制)」に移行、(3)既存の保険会社等に契約を移転して譲
渡、のいずれかを選択することになった。期限は平成20年3月31日である。

 無認可という言葉もさることながら、過去にオレンジ共済のような例もあっ
て、無認可共済は一般にあまりいいイメージを持たれていない。

 ただ、実際のところ少ない掛け金で安心を買う互助システムとして重宝され
ており、「契約通りの保障を受けられない」「マルチのような強引な勧誘があ
った」といったトラブルがなくもないが、オレンジ共済のような詐欺紛い商法
は稀である。

 にもかかわらず、今年4月1日に改正保険業法が施行され、9月30日まで
に「特定保険業者」の届出を迫られ、20年3月末までに金融庁の監督下に置
かれることになったのはなぜか。

 業界関係者によれば、ここにも米系を始めとする「外資」の圧力があったの
だという。

 例えば、「無認可共済を保険業法および金融庁の監督下に」と、題する次の
レポートである。この意見書を提出したのは在日米国商工会議所。

 最初にこう提言している。「共済と総称される相互扶助組織の多くは、監督
機関や法による規制を受けていない。在日米国商工会議所は、金融庁が規制を
制定して、これらの共済が金融庁の監督に服し、保険業法に基づく規制および
ガイドラインを遵守すべきことを定めるよう提言する」

 そのうえで、「認可共済」と「無認可共済」の違いを説明、無認可共済が民
間保険会社と競合し、準備金積み立て、支払い能力、保護機構への負担金支払
い、コンプライアンスなどについて、民間保険会社のような規制を受けないた
めに、「不公平な競争条件の恩恵に与っている」と、指摘する。

 そのうえで、無認可であるがゆえの規制の欠如、情報開示の欠如、準備金積
み立ての不足、支払い能力の欠如など、あらゆる危機に契約者がさらされると
訴え、「無認可共済は保険業法の規制下に置かれるべきである」と、主張する
のである。

 いずれももっともながら、要は日本の生保業界を侵食した米系外資が、無認
可共済というゲリラを退治してくれと、いっているのである。

 提言は2004年8月を期限に出され、前述した今年に入ってからの動きに
象徴されるように、ほぼその通りになった。

 改正保険業法では、契約者保護の観点から保険業法の適用範囲を見直し、特
定の者を相手に保険の引き受けを行なう事業には、保険業法が適用されること
になった。

 また、一定の事業範囲で小額短期の保険の引き受けを行なう事業者について、
登録制の新たな規制の枠組み(小額短期保険業者)を創設することになった。

 つまりすべて金融庁への届出が必要なわけで、在日米国商工会議所の「意見
書」にほぼ沿っている。

 規制が悪いというのではなく、「意見書」に書かれているのも正論。しかし
そこに、「ルール」を自分の有利なように改変させることで市場を制覇しよう
という、シビアな国際金融の傲慢があることを忘れてはなるまい。

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【あとがき】


 今年はパソコンの故障があったりして、「週刊」を全うすることができなか
ったけれども、多くの読者のご声援、ご叱正に支えられ、なんとか創刊7周年
を乗り越えることができた。

 日本の社会経済は、小泉前首相の禅譲による安倍政権が誕生し、新しい局面
を迎えたのだが、おそらく小泉氏の思惑をも大きく超える不人気に、永田町全
体が戸惑いに包まれているようにみえる。

 安倍政権に対する当初の高い支持率にもかかわらず、永田町内には「お手並
み拝見」といった覚めた空気があったのには、そもそも小泉政権誕生以来の、
潜在的な「小泉批判」があったからだ。

 「教育基本法」「防衛省」などの重要法案の処理は、まずは「小泉の置き土
産」を無難に処理できた、というのが町内の評価である。

 しかるに「郵政造反者の復党問題」では、どうやら、処理方法を間違えてし
まったようだ。

 「復党」させるのであれば、安倍政権誕生と同時に、早々と意思表明すれば
よかったものを、次々続いた補欠選、知事選にとらわれ、中川(秀)幹事長に
丸投げの結果、安倍氏のリーダーシップが不鮮明になったと、いうのが自民党
内の「潜在的批判派」の弁だが、それは違う。

 多くの国民は、依然として「復党反対」である。つまりは、「議会制民主主
義」の原則はどうであれ国民は、「小泉の郵政解散」を支持したのであり、そ
の気持ちは今もって変わりはない。

 政権を禅譲された安倍氏が、「若さ未熟さ」をどう克服して、「自民党(と
この国を)を変えていくのか」、国民はその一点に、いまだに、注目している。

 それができないのであれば、ひたすら支持率は下がり続けるだろう。

 3カ月が経った今、当初の目論見であった「官邸主導」は混迷している。マ
スメディアは、その点を大いに批判しているのだが、これまた、国民の目は全
く違う。

 「3カ月ぐらいは大目にみてやろう」と国民は、最初からそう思って見てき
ている。

 「道路族」しかり、党内の族議員が、小泉以前に逆戻りし、「地元建設業者
らとべたつき始めた」いま、これをどうやって引き剥がすのか、そこに注目を、
している。

 ものすごい抵抗があるだろう、そこで、広報担当補佐官や官房長官のメッセ
ージが、ものすごく大きな役割を果たすことになる。

 筆者は、「広報の世界」に永年身を置いてきたので、「広報の重要性」が身
にしみて分かっているつもりだが、「官邸主導」が軌道に乗るかどうかは、
「官邸広報」が、力を発揮するかどうかにかかっていると思う。

 これがうまく機能しないと、来夏の参院選は民主党の圧勝になる。これは、
民主党に政権担当能力があろうとなかろうと、無関係のことだ。

 国民は、「変化」に期待しているからだ。

 小泉氏はそこをうまく捉えた。安倍氏はまだ、小泉氏の力の源泉をよく理解
していない。

 親父さん、爺さんの時代からいわれてきている「政治の世界」のはなしは、
いまの国民には通用しない、はなしである。

 正月は、10日号から配信させていただこうと思います。引き続きご購読を
お願いいたします。

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 週刊メールジャーナル 2006年12月27日 第364号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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