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  2007/1/31 No.368   週刊メールジャーナル  読者数11428人(前回)
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【お断り】
 会員制経済情報誌『現代産業情報』2月1日号の発行が若干早まったため、
本誌2月7日号に予定していた前号の続報を、1週早めて、今週号に転載する
ことにしました。

●マスコミが報じない日興不正会計処理事件の本質(下)

 不正会計処理の責任を取って、金子昌資会長と有村純一社長が退任、新体制
での再出発を図っている日興コーディアルグループだが、社内の動揺は治まら
ない。

 「全ての日興従業員・怒りを示せ!」

 こんなタイトルの怪文書が、今年に入って本支店に流れ、そこには「金子ー
有村」体制の経営私物化の証拠として、有村氏の「社宅問題」が記されていた。

 「有村の豪華な六本木泉ガーデンヒルズの社宅家賃60万円 家具類は全て
会社負担(500万円)(新宿区に持ち家があるにもかかわらず) 辞任した
にもかかわらずハイヤー出勤・SP雇用(月100万円)」

 この怪文書がほぼ事実であることは、1月22日発売の『週刊ポスト』で明
らかになった。

 社長退任後も、ホテル並みのサービスを受けられる泉ガーデンヒルズを社宅
として利用していた。家賃は150万円と、怪文書の3倍近い。もっとも退任
に伴って、1月末で退去する予定だという。

 広報部は有村氏の「社宅入居」をセキュリティーのためと言うのだが、ここ
にこそ弊紙が前号(No.568)で報じた、「米流経営」という名の経営陣の「い
いとこ取り」がある。

 金子ー有村体制が行なったのは、大胆な機構改革とリストラ、資産の売却、
シビアな成果主義の導入である。ベテランも新人も給与を一列に並べ、成功報
酬という果実で尻を叩く。

 信賞必罰は悪くないが、そのため社内では会社への忠誠心、仲間との連帯感
が失われ、「自分さえ良ければいい」という利己主義がはびこり、それが結果
的に野村や大和に水をあけられ、振り返るとすぐそこに銀行系証券会社が迫る
業績につながっている。

 また企業業績を役員報酬に連動させ、それを開示すると03年度決算で発表。
一部マスコミは快挙と報じたが、それは結局、高報酬に理屈づけをしただけで
あることは、社宅を含むすべての福利厚生施設を売却しておきながら、有村氏
自身は会社のカネで、「施設」という名の「社宅」に住んで恥じないところに
証明されている。

 有村氏に対する反発はこれだけではない。

 そもそも不正経理を、「子会社社員のやったこと」にして逃げようとした有
村氏だが、問題となった特別目的会社の連結外しを、強引に押し通したのは彼
自身だった。

 2005年4月18日に開かれた経営会議の中で、社外取締役らは「この会
計処理には疑義がある」として、反対したのだという。だが、有村氏は「会計
処理は適正」と押し切っている。

 理由は「監査人が問題ないと言っているから」というものだったが、この決
算で日興コーディアル経営陣は、有無をいわせぬ勢いで、中央青山監査法人に
了承を迫ったといわれており、「組織ぐるみ」である可能性が高い。

 もっともこうした一連の経緯は、今月末に発表の「特別調査報告書」で明ら
かにされる。

(東京証券取引所は1月31日付で日興コーディアルグループの上場廃止を決
定した=本誌注)

 今回の事件の経営責任については、この「報告書」と2月末に完了する「訂
正有価証券報告書」に基づいて決定する。

 経営陣の報酬とストックオプションは利益水増し分に応じて返上、5億円の
課徴金については、「報告書」の結果をみながら金子、有村の両氏を中心とし
た当時の経営陣が、責任に応じて分担、個々人が支払うことになる。

 「お手盛り」で社宅に入居するなど、有村氏のワンマン経営は目にあまり、
弊紙にも幾つかの「有村疑惑」が寄せられた。

 第一に指摘された問題は、シンプレクス・インベストメント・アドバイザー
ズという不動産ファンドを、シンプレクス・ホールディング組合とともに日興
コーディアルグループが持つのは、シンプレクスのオーナーである三上芳宏氏
との特別な関係からではないか、というものだった。

 シンプレクスについては、ほかにも新川トレーディングルームの一角を低料
金で転貸している問題、シンプレクス・テクノロジーへの高値情実発注などが
指摘され、確かにソロモンブラザーズの伝説のトレーダーであった三上氏がシ
ンプレクスを設立、今の規模になるにあたって日興・有村氏の“支援”が欠か
せなかったというのは業界の常識ではあるが、そこに「情実があったのではな
いか」という弊紙の質問に対しては、「そのような事実はございません」(広
報部)と回答した。

 また、リストラ時の資産売却において、有村氏のかつての上司だった浜平裕
行元常務(証券不祥事で退任)の親族企業が関与していたのではないかという
質問についても、「ご指摘されているような事実はございません」(同)と、
否定するのだった。

 有村氏の後を受けた桑島正治社長は、東工大出身で営業経験に乏しいITの専
門家。実力者の小笠原範行、渡辺英二の両役員に託さなかったのは、影響力を
残しておきたいという有村氏の思惑だといわれており、仮にも日興コーディア
ルが今後も有村氏のコントロール下に置かれるようなら、このグループが崩壊
に向かうことだけは間違いない。

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●東国原宮崎県知事を選んだ有権者への期待
                 政治ジャーナリスト 布野 一郎

 “永田町”が“軽く”見ていた東国原英夫(そのまんま東)氏が、宮崎県知
事選で巻き起こした“永田町ショック”はかなり深刻である。

 地元出身で先の衆院選前に引退した元自民党江藤・亀井派代表の江藤隆美氏
は、「この国でもっとも政治のしわ寄せがいっている地方の人々が反乱を起こ
したのさ」という。

 しかし、それほど単純な要因ではあるまい。安倍首相も同様の発言をしてい
るが、いずれも身びいきの強がりに聞こえる。

 一方、東国原知事就任以来、テレビメディアを中心として“そのまんまフィ
ーバー”の報道が続いている。

 これまた、タレント出身知事の誕生を囃す、身びいきのご祝儀報道のように
も見える。

 だが、まもなくこれらの喧騒は収まり、普段の地方行政に戻ったとき、政治
家として未熟なこの知事を支援し続けるメディアがあるとは思えない。

 そのまんま東氏に1票を投じた有権者には、さまざまな思い、期待があった
のであろうが、これから先、この知事をどのようにサポートしていくつもりか、
他県の有権者が注目していることを承知してほしいものだ。

 その意味で、今回東国原知事に1票を投じた有権者の責任はかなり重いとい
ってよいのではないか。

 「しがらみの無さ」を“売り込んだ”そのまんま東氏を、“買った”有権者
は、それぞれ地元の「しがらみ」の中で選ばれてきているはずの、現職県議会
議員や市町村議会議員のこれからをどうするのか、考えてみる必要があるので
はないか。

 東国原知事の「お手並み拝見」だけでは、少々無責任に過ぎるだろう。過去
のタレント知事がたどった足跡がそれを教えているように思われる。

 さしあたり、4月8日(統一地方選)には宮崎県議選を始め、いくつかの市
町村議選が行なわれる。

 ここで、知事選同様に、「しがらみの無い」地方議員を選ぶことができるの
かどうか、宮崎県の有権者の政治センスが試されるのではないか。

 知事選と、県議選・市町村議選とは違うという議論もあるだろうが、「その
まんま東を選んだ見識」は、過去の宮崎県知事選とは、大いに異なる政治行動
であったことを、再認識してほしいものだ。

 ただし、目下のところ、あなた方の同志は、全県有権者の4分の1程度に過
ぎないはずであり、立候補者の「しがらみ」をみきわめ、同志を増やす手立て
を考えないことには、その見識を形にすることはできない。

 もし、宮崎県の素人知事が、あなた方の付託にこたえて、マニフェストのい
くつかでも実現することできたならば、この国のいまの政治が、ガラリと、音
を立てて変わっていくように思えてならない。

 それこそが、あなた方が考えた、大きな大きな政治的な狙いではなかったか。

 そのためには、せめて統一地方選では、宮崎県が全国最高の投票率を実現し
てほしいものだ。

 そうすれば、あなた方の起こした“そのまんまショック”が、全国的な“政
治ショック”に拡大する可能性がある。

 そしてそれが、7月の参院選に大きな大きな影響を及ぼすことになるだろう。
全国の有権者は、宮崎の地方選を固唾を飲んで見守っているはずである。

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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 社内広報事業部  豊田 健一
 Tel      03-5312-7471
 Fax      03-5312-7475
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 週刊メールジャーナル 2007年1月31日 第368号(水曜日発行)
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