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  2007/3/14 No.373   週刊メールジャーナル  読者数11180人(前回)
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【お断り】
 本誌2月28日号に続き、「社内コミュニケーションと社内広報」を転載し
ます。これは、「ナナ総合コミュニケーション研究所」が運営する、
「コミサポ・ネット」の社内広報コラムに3月12日にアップされた記事です。
社内広報に関心のある方はこちらもあわせてご覧ください。
http://www.commu-suppo.net/

■社内コミュニケーションと社内広報・その7■
(社内コミュニケーションと社内広報の違い)
 
 ここまで具体的に説明をすれば、社内コミュニケーション(インターナル・
コミュニケーション=以下IC)は、トップマネジメントであることが理解で
きたと思う。

 くどいようだが、もう一度、繰り返しその意味を説明しておきたい。

 しばしば激変する経営環境のもとでは、経営トップの方針を直ちに末端まで
浸透させる必要性が起きる。仮にそれをネグれば、意図する方向に会社のポテ
ンシャルを仕向けることが不可能になるからだ。

 具体的にいえば、トップの思い、経営哲学、経営方針を、経営目標の達成に
向けて、ぶれることなく、組織内の隅々にまで、伝達することができる会社だ
けが、いまと、これからの市場競争で勝ち残ることができるのである。ここに
こそ、IC戦略の重要性がある。

 いまなぜ、このようなガバナンス(企業統治)の基本原則を改めて強調しな
ければならないのか、それを考えると、広報アドバイザーとしては実に悲しい
企業ICの現実があることに気づかされる。

 多発する企業不祥事の背景を取材してみると、このガバナンスがあまりにも
無視、軽視されている現実が浮かび上がってくる。

 いま、一見正常に経営活動を続けている企業でも、社内誌、社内報の編集発
行担当者は、専任、兼任を問わず、ほとんど例外なく忙しすぎる。

 それゆえ経営学はおろか、コミュニケーション学やメディア学を系統だって
勉強する暇さえ、ほとんどないのが現実ではないのか。

 それは、経営のためになり、かつまた読者に受け入れられるICメディアを
発行するということが、いかにたいへんな業務かということを意味している。

 しかも、編集発行担当者は、経営トップから期待され、ICマネジメントを
一身に背負っているかのような錯覚をしているからではないか。

 だが、ICメディアは社内誌、社内報だけではない。通知・通達もあれば掲
示板や放送もイントラネットもある。社内文書も溢れんばかりにあるはずだ。

 ただ、そうしたICメディアが、各セクションの独自判断によって無秩序に、
無統一に発行されれば、経営戦略としてのICの役割を果たすことはできない。

 社内の各種会議や打ち合わせ、研修・教育、就業時間内外のサークル活動や
文化活動も、もともとは、事業ミッションの価値観やアイデンティティを共有
するためのアイテムであった。

 それらの何をどう活用するかが、IC戦略担当者の基本的職務なのである。
 企業規模によっては、CCO(コーポレート・コミュニケーション・オフィ
サー)を置く必要もでてくるだろう。

 つまり、IC戦略の担当者と社内広報のメディア担当者とは、必ずしも同一
セクションでなければならないという理屈は全く無いのである。

 IC戦略の担当者は、社内のありとあらゆるコミュニケーション・メディア
を、経営戦略として統合してコントロールすることが職務である。

 そのなかで、IC戦略の中核的メディアとして、印刷物の社内誌や電子媒体
の社内報などを、定期的に発行する必要性をガバナーが認識するならば、それ
を編集・発行する担当者と責任セクションを任命しなければならない。

 ただし、これには相応の経営資源を投入しなければ、中途半端なメディア戦
術しか展開できないという根源的な隘路があるのだが、この国のマネジメント
では、そのことが一般に認識されていない。

 要因のひとつは、この国の経済が特殊な発展をしてきたために、その恩恵を
受けて成長してきた会社では、IC戦略を欠如したままの社内広報業務が一般
化してしまったからである。

 すなわち、経営戦略としてコントロールされていない、いわば、戦略効果に
乏しいICメディアを、業界他社横並びで発行し続けることが、通常化してし
まったのである。

 しかし、「勝ち組」「負け組」といわれるような経営格差が顕在化するよう
な時代になり、はじめて、IC戦略の的確性と効率性が見直されるようになっ
てきたのである。

 社内広報メディアの編集発行者だけではどうすることもできない、トップマ
ネジメントとしてのICのガバナンスが、ようやく求められる時代になったと
いえよう。

 今年に入ってからも、次々企業不祥事が明らかになったが、それらの会社を
みると、それなりの社内誌が発行され、社内広報も機能していたにもかかわら
ず、結局、経営者、幹部社員、現場社員のコンプライアンスが問題化してしま
った。

 その意味するものはなにか。
 社内誌や社内報を中核とする社内広報活動は、トップマネジメントのIC戦
略としてガバナンスされたとき、はじめて、その有効性が期待されうるのであ
る。

 IC戦略の欠如した経営では、CSR(企業の社会的責任)もコンプライア
ンスも形式的、表面的なマネジメントしかできず、結果、リスクマネジメント
が機能せず、永年かけて築き上げてきたコーポレート・レピュテーション(企
業の信頼性)を一気に失ってしまうような原因を、経営プロセスのなかで、み
ずからつくりあげてしまうことを、近ごろの不祥事や事故は見事に証明してい
るのである。

 「生き残り」「勝ち組」を目指す経営ならば、IC戦略と社内広報業務の関
係を改めて再確認してほしいものである。 

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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 社内広報事業部  豊田 健一
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 週刊メールジャーナル 2007年3月14日 第373号(水曜日発行)
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