■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2007/3/21 No.374 週刊メールジャーナル 読者数11092人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●「あるある問題」を生むテレビ局の構造的腐敗体質 (会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載) 資本主義の抱える“病”を、テレビ局ほど抱え込んでいる業界はあるまい。 社員は30代になると年収1000万円を突破、全上場企業の中でも最高ラ ンクの待遇を受けているのに、制作現場では露骨な搾取が繰り返されている。 番組の大半は制作会社に発注、ここで第一次のピンはねが行なわれ、孫請け、 ひ孫請けの制作会社に発注される過程で、さらなるピンはねが実行されて制作 費は削られ、その少ない予算の中で「受ける作品」を作ろうとするから、 「やらせ」や「ねつ造」が起きる。 さらにテレビ局員を縛っている視聴率は、当然のことながら「テレビを視る 層」によって支えられており、ヒマをもてあます主婦層、若年層、老年層にお もねっているうち、食欲、性欲、所有欲など個人の欲望を満たし、単純に楽し める娯楽番組が多くなる。 番組から品性や品格が失われるのは当然で、それが社会の第一線で活躍する 層のテレビ離れを生み、ますます番組は劣化する。 それでも視聴率さえ稼げれば、広告代理店やスポンサーとの関係は良好で、 経営は安定する。 平日の接待ゴルフ、割烹、料亭、高級クラブでの接待など、他の業界ではす でに終焉した「法人資本主義」が、ここでは平然と続けられており、電通、博 報堂などの大手広告代理店と組み、スポンサーを海外旅行に連れて行くなど、 尋常ではない大盤振る舞いがまかり通っている。 それは電波法や放送法に守られた、新規参入のない閉じられた世界だから成 り立つ話で、「寡占が腐敗を生む」という独占禁止法の精神がここには生きて いる。 かつては孫正義氏が、最近では堀江貴文被告や三木谷浩史氏が戦いを挑んで、 孫氏は撤退、堀江氏は獄に落ち、三木谷氏は苦境に立たされた。 下請けを搾取、視聴率の罠にはまって良心を忘れ、寡占の中で広告代理店と ともに栄華を続け、新規参入組に対してはマスメディアとしての権力を用いて “異物”を排除する。 孫や堀江や三木谷が乗り込んできたら、国家権力の検察や警察に彼らの“ア ラ”を売り、存続を図ろうとしてきたテレビ界のどこに公共性があるだろう。 したがって、「あるある大辞典」はひとり関西テレビの問題ではない。それ がわかっているからテレビ局は口をつぐみ、問題の沈静化を待とうとしている が、どんな世界にも「火事場泥棒」はいる。 菅義偉総務相は、今回の不祥事を機に、放送法の改正を目論み、政界のテレ ビ局に対する権限強化を企んでいる。 「公の電波で、事実と違うことが報道されるのは極めて深刻なことだ。いま までも行政指導しているが、次々と出てくる。再発防止策を考えないといけな い」 こう記者会見で述べた菅総務相は、業務改善命令のような措置を新設したい 考えだというが、「納豆を食べると痩せる」といった、どうでもいいような虚 偽への「命令」を考えているのではなく、業務改善命令をもとに政界のテレビ 局支配を強め、場合によっては政官財界に発生したスキャンダル封じにも使え ると見込んでいることは明白で、「テレビ局の自業自得」と放置してはおけな い問題である。 それにしても、テレビ局の報道に対する使命感はどこにいったのだろうか。 彼らは、IT企業や政界から攻撃を受けた時だけ「公共性」や「報道の自由」 を口にするが、資本の走狗として視聴率に奔走する姿との落差はあまりに大き い。 マスメディアの範疇には入らず、社会的評価は低く、影響力もないとテレビ 界が内心ではバカにしているのが、雑誌の世界である。 確かに、「雑」の「誌」である雑誌は、エロから政治までのごった煮で、羊 頭狗肉や「売らんかな」の企画が少なくない。 だが、その一方でゲリラ性を発揮して社会の病巣に切り込み、警鐘を鳴らそ うという意気込みもある。 先ごろ、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」が決定、大賞は本間正昭税 調会長のクビを切った『週刊ポスト』と、日興コーディアルグループの粉飾決 算を暴いた『月刊現代』の町田徹氏のレポートだった。 他に、溝口敦氏の「細木数子研究」や西岡研介氏の「JR東日本研究」が並 ぶ。 テレビに比べれば、関わる人数や予算がはるかに少なく、限られたライター が劣悪な労働条件で働く雑誌の世界で、「安倍政権の本質」を炙り出す本間問 題や、日本市場の歪みの象徴である日興コーディアル問題を暴けたのは、ひと えに編集者や記者が問題意識を磨きつつ、取材を重ねる努力を怠らないからだ ろう。 雑誌発売日の早朝から、その雑誌スクープをパクリ、平然と放映、自らの努 力をする意識が、テレビ局にはほとんど感じられないところに、このメディア が抱える構造的問題があり、崖っぷちに立たされているという自覚を業界関係 者は持つべきである。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎいたします。お申しであれば見本誌を無料でお送りいたします。 【あとがき】 「あるある」問題では、関西テレビと同じメディアグループの『産経新聞』 が3月2,3,4日の3日間にわたり「捏造の深層――その連鎖」と題して企 画記事を連載した。 2年前に捏造が発覚して再発防止策を取っていたテレビ東京では、今年1月 に放映した番組にまたもや捏造があったこと、TBS、フジテレビでは、「あ るある」発覚後にも捏造まがいの制作事実が見つかったこと、その原因につい ても分析していた。 そして、「テレビ局やスポンサーが視聴率を、視聴者が面白さや刺激を、そ れぞれ我慢しない限り、捏造の“連鎖”は断ち切れないかもしれない」とも。 この記事では、本誌・川崎も取材を受けた。 (以下記事のまま) <「不二家問題と構図が同じ」。企業の危機管理に詳しい広報アドバイザー の川崎明さんは「テレビ局も制作会社など非正社員が多数加わっており、マネ ジメントが困難になった。何が許されて何が許されないかという価値観がバラ バラで、競争が激しい部門ほど風通しが悪く、正しい報告を上げられなくなっ ている」と説明する。 そして、こうも指摘する。「結局、コンプライアンスを声高に叫ぶマスコミ が最も理解していない」> と、この記事は結んでいる。 放送法改正案の審議過程では、政府、自民党はNHKだけでなく民間テレビ への介入も企てたが、結局、今回は具体策を盛り込めなくなったようだ。 あるべきテレビ放送の実現と、権力者にとって都合の良い狙いがくい違って いては、まだまだ、心あるテレビジャーナリズムも、視聴者も浮かばれない。 【お知らせ】 ◆第8回社内広報サロンのご案内◆ ■今回のテーマ 予算がない、人手がない、時間がない、 その時、社内報はどうすればいいの? 1人で広報室の仕事を担当していて、今は社内報がないため、社内報 またはイントラネットなどを使った社内の情報共有をやりたいのだが、 「人がいない、お金がない」状況でどうすれば良いのか・・・ を参加者皆さんで考えるグループディスカッションです。 ◇日 時 2007年4月19日 木曜日 18時30分〜21時 ◇場 所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階 ◇18:20 開場 ◇18:30 挨拶 ◇18:35〜20:00 グループディスカッション ◇20:00〜21:00 ミニ交流会&マジックショー (軽食を取りながら) ■詳細とお申し込みは http://www.commu-suppo.net/salon/20070419salon.pdf ◆◆第6回 全国社内誌企画コンペティション 募集開始◆◆ Challenge! あなたの企画を見せてください いよいよ、恒例の社内誌企画コンペティションが始まります 社内誌の専門家による客観的な審査が受けられ、 今後の社内誌制作を変える大きなきっかけとなります 詳しくは ⇒http://www.commu-suppo.net/competition.html ------------------------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 社内広報事業部 豊田 健一 Tel 03-5312-7471 Fax 03-5312-7475 E-mail ;toyoda@nana-cc.com URL ;http://www.nana-cc.com ------------------------------------------------------------------- ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2007年3月21日 第374号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |