■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2007/4/4 No.376 週刊メールジャーナル 読者数11084人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●「不二家の改革」への関与で問われる兼元前内閣情報官の見識 (会員制経済情報誌『現代産業情報』4月1日号より転載) 内閣情報調査室(内調)は、内閣官房内の組織として、内閣の重要政策に関 する情報の収集と分析を行なう。 他国のインテリジェンスと比較した際の実力不足を指摘されることはあるも のの、日本有数の調査分析機関として政府の意思決定に重要な影響を与えてお り、その役割は無視できない。 この組織を率いるのが内閣情報官。現在は前警察庁警備局外事情報部長だっ た三谷秀史氏が務めているが、2001年4月から06年4月までの5年間、 この要職にあったのは兼元俊徳氏だった。 警察庁キャリアだった兼元氏の経歴は輝かしい。在仏日本国大使館一等書記 官、警察庁国際刑事課長、熊本県警本部長、警察庁国際部長、国際刑事警察機 構(ICPO−INTERPOL)総裁を務めたうえで、内閣情報官に就任し た。 「華やかな対外活動、海外情報の分析に熱心なわりに、地に足をつけたよう な国内情報の収集と分析には弱かった。そこが同じエリートでも、その前の内 閣情報官の杉田和博氏、さらに前の内調室長の大森義夫氏とは違う。でも優秀 な官僚であったことに違いはない」(警察庁関係者) 優秀さを裏づけるように、東大法学部卒で弁護士資格を持つ兼元氏は、昨年、 弁護士登録して「民間活動」を開始した。 その兼元氏が、「外部から不二家を変える」改革委員会のメンバーに就任、 「不二家改革」に“お墨付き”を与えた。 委員長が道路公団改革で名を売った田中一昭・拓殖大学教授で、委員長代理 がニッポン放送の社外取締役を務めるなど企業のコンプライアンスに詳しい日 比谷パーク法律事務所代表の久保利英明氏。兼元氏は委員の一人である。 だが、「改革請負人」の田中氏や企業法務の第一人者である久保利弁護士と、 ほんの1年前まで、機密を含めた国家情報の全てを握っていた兼元氏とでは、 立場が違う。 兼元氏の名は、まだまだ「国家」を感じさせるのであり、「弁護士として依 頼があったから」と、仕事を簡単に引き受けてはなるまい。 そもそも、「外部から不二家を変える」改革委員会とは何であろうか。 株式会社が株主のものであることは厳然たる事実であり、資本主義社会の根 幹である。もちろん、それが「株主原理主義」となると危険で、資本主義の叡 智は、地域社会や従業員といったステークホルダーへの配慮を求め、それを内 在化させることで、株式会社を“モノ”ではなく、血も涙もある存在にする。 それにしても、株式会社の重要事項は株主総会が決めるという原理原則を忘 れてはなるまい。 杜撰な品質管理の責任を取って、不二家の藤井一族が経営を去り、桜井康文 氏が創業家以外で初めて社長に就任した。 その桜井社長が、「不二家ブランド=ペコちゃん」を毀損させない体制作り を訴えて改革委員会を設置、取締役会に代わって経営を担うという「執行委員 会」を設立、不祥事の原因究明にあたる「信頼回復対策会議」を発足させて、 議長にもと検事の郷原信郎・桐蔭横浜大学法科大学院教授を招いた。 まるで国難における超法規措置だが、単なる中小の菓子メーカーで、不祥事 に加えて展望も見えない中で、株式時価総額が300億円にまで落ち込んだ不 二家を、どうして特別に救済する必要があるのか。 それも大学教授、弁護士、ヤメ検などを招いて、「批判」を封印、価値ある 会社だと錯覚させる。 あげくに桜井体制が選択したのは、山崎製パンへの身売りである。名士たち は菓子屋とパン屋のM&Aに名前を使われたに過ぎない。 これで、不二家ブランドが復活するならまだしも、山崎製パンも「認められ た範囲内とはいえ、防腐剤が多すぎるのでは」と、疑問を呈されることのある メーカー。 しょせんは紙一重の品質管理ゆえ、同じような問題が発生する可能性は十分 にある。 そこに登場した前内閣情報官。仕事を制限せよという気は毛頭ないが、国家 を担ってきた人に相応しい見識と品格が求められると言っておきたい。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申し出あれば見本誌を無料でお送りいたします。 【あとがき】 不二家の経営革新体制や社外委員会の設置は、「ブランドを復活するために、 ここまでやりました」という、“これ見よがし”なバックアップ体制であるこ とは衆目の一致するところだ。 だが、ブランドを愛し、お客様のために、「良いものを作りたい」と思って いた従業員は多数いたはずだ。 顧客に信頼され、愛され、ブランドを守るためには、どうしたらよいか。一 番良く知っているのはこうした従業員である。 少子化をはじめ、変化するマーケットで、「こんなことをしていても良いの だろうか」、そう思っていた従業員も多数いたことを、永年、社内広報にかか わってきた筆者は知っている。 こうした従業員の気持ち、声を結集して力に変え、社内から改革の渦を巻き 起こしていくことが本筋なのである。 “上目遣い”でオーナー経営者を見上げる“平目族”の役員や上司が増えだ して、言いたいことが言えない淀んだ空気が充満してきたため、従業員の声は 萎んでしまった事実を、まず反省しなければならないのではないか。 ここ数年、不祥事を引き起こしてきた会社に共通するのは、社内コミュニケ ーションを意図的に軽んじてきたことである。 顧客やファンはもとより、地域社会、消費者とのコミュニケーションも含め て、「ほとんどの問題はコミュニケーション障害にあるといっても過言ではな い」。 そう言い切ったのは、かつて「ユニクロ」の総合デザインを担当したことの ある、アートディレクターの佐藤可士和氏であった、というような記事を、何 かで読んだ気がする。 ほんもののブランディングとは、「明るく、元気で、いいものを作り、売る ことに働き甲斐を感じる」従業員づくりとイコールなのである。 残念ながら、不二家の経営革新をバックアップする体制には、もっとも大切 なステークホルダーである従業員の意識と行動を変える、社内コミュニケーシ ョンに目をむける専門家が誰もいないのではないか。 これでは、「ペコちゃん」はまだまだ戻ってこないと思われる。 【お知らせ】 ◆◆第8回社内広報サロンのご案内◆◆ ■今回のテーマ■ 予算がない、人手がない、時間がない、 その時、社内報はどうすればいいの? 1人で広報室の仕事を担当していて、今は社内報がないため、社内報 またはイントラネットなどを使った社内の情報共有をやりたいのだが、 「人がいない、お金がない」状況でどうすれば良いのか・・・ を参加者皆さんで考えるグループディスカッションです。 ◇日 時 2007年4月19日 木曜日 18時30分〜21時 ◇場 所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階 ◇18:20 開場 ◇18:30 挨拶 ◇18:35〜20:00 グループディスカッション ◇20:00〜21:00 ミニ交流会&マジックショー (軽食を取りながら) ■詳細とお申し込みは■ http://www.commu-suppo.net/salon/20070419salon.pdf ◆◆第6回 全国社内誌企画コンペティション 募集開始◆◆ Challenge! あなたの企画を見せてください いよいよ、恒例の社内誌企画コンペティションが始まります 社内誌の専門家による客観的な審査が受けられ、 今後の社内誌制作を変える大きなきっかけとなります 詳しくは ⇒http://www.commu-suppo.net/competition.html ------------------------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 社内広報事業部 豊田 健一 Tel 03-5312-7471 Fax 03-5312-7475 E-mail ;toyoda@nana-cc.com URL ;http://www.nana-cc.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2007年4月4日 第376号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |