■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2007/4/18 No.378 週刊メールジャーナル 読者数10967人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●「大勝」で傲慢が戻った石原都知事の「2年後引退説」を追う (会員制経済情報誌『現代産業情報』4月15日号より転載) 「いろんな誤解が拡大されたのは残念。批判じゃなくてバッシングだった」 「(出張費問題は)都議会の議事録を読んでください。あれに全部書いてある」 「五輪を見直すって、何を見直せばいいのか、具体的に言ってもらいたい」 猫をかぶっていただけだから当然だが、「大勝」を受けての石原慎太郎氏の 記者会見に、反省の色はまったく見えなかった。 いつもの「慎太郎節」の復活。「神妙になった。都知事は変わった」などと、 本気で報じたマスコミはないだろうが、その“神妙”ぶりが「かわいそう」と いう夫人票につながったということだから、手練手管の佐々淳行・選対本部長 の、「おごるな慎太郎」という戦略は、功を奏したことになる。 もっとも、この「大勝」で信任を得た石原氏が、4年後の78歳まで知事を 続けると思っている人は意外に少ない。 「石原さんは、年齢からくる限界をすでに感じている。頭にあるのは、当然、 長男・伸晃氏への禅譲。浅野(史郎)さんに大差をつけて勝利したことで、息 子への『地位継承』がやりやすくなったと感じているはず。タイミングは、2 年後の五輪招致失敗を受けてとなるだろう」(自民党都連幹部) 2016年の夏季五輪が、東京に限らず、アジアで開催される可能性は薄い。 北京大会が2008年。次の次がアジアでは、バランスを欠く。もちろん石原 都知事は、百も承知で五輪誘致をぶち上げた。三選を狙うには、このぐらいの 理由付けが必要だった。 狙いはあたった。浅野氏との最大の違いは五輪招致で「夢とロマン」を訴え たことだ。 当初、賛成か反対かわからなかった浅野氏は、優柔不断の印象を残したうえ に、最後、「見直し」に回ったことで、顔同様の“暗さ”を有権者に与えてし まった。 「誘致に失敗すれば責任は取ります」 石原氏は、選挙前から何度もこのセリフを繰り返している。「伸晃への禅譲」 を、意識したものと考えれば非常に分かりやすい。 当選の日、石原氏は港区新橋の選挙事務所で、典子夫人をかたわらに置き、 伸晃氏夫人の理紗さんを左に、三男・宏高氏夫人の彩さんを右に、満面の笑み を浮かべて写真を撮らせた。 「石原王国の復活かよ……」 その様子を、しらけた思いで眺めていた記者は少なくなかった。バッシング の中で封印していたが、石原都知事の狙いが、次男の良純氏を今夏の参院選で 議員にしたうえで、伸晃氏を知事後継に指名、石原ブランドが通用するうちに、 一気に「石原王朝」を築くことにあることを、知らない記者はいない。 そのためには二期8年では足らず三期目に突入したが、任期満了ではパワー にかげりが出るしサプライズもなく、「老醜」が漂うばかりである。 そこで、2009年10月の五輪候補地決定を機に、「やり残したことはな い」と、潔く身を退くというシナリオには説得力があるのだ。 この2年で石原都知事が心がけるのは、「利権の確立」だろう。 側近の浜渦武生副知事(現参与)が退任に追い込まれたのは、議会実力者の 内田茂都議など既存勢力とのケンカが原因である。 浜渦氏の「やらせ質問」と議会では問題となったが、実際は「浜渦VS内田」 の形で、大手町再開発をめぐる主導権争いが繰り広げられていた。 「調整・仕切り役」をもって任じていた内田都議に、知事側近とはいえ “新参”の浜渦副知事が切り込み、反撃を受けたという構図。 それがわかっているから石原氏は、「泣いて馬謖(ばしょく)を切る」の言 葉で副知事を解任。だが、1年後、「余人をもって代えがたい」と、参与とし て復活させた。 以降、大手町再開発はもちろん、築地市場の移転、五輪施設構想と、浜渦参 与のもとで大プロジェクトは仕切られ、ゼネコン、設計事務所などの「浜渦詣 で」が活発だ。 靖国神社近くにあった、独立行政法人の都市再生機構は横浜に移転、跡地は 東京理科大学が買収した。同大学は、名古屋に本社を置くフタムラ化学と深い つきあいがあり、同社は「中部石原慎太郎の会」を設立した石原氏の後援者が 創業した。そして都市再生機構は、浜渦氏と親密な関係にある。 都市再生機構のような事例の続出で、「大規模再開発は浜渦さん抜きには進 まない」と、業界関係者が発想するのも無理はないが、都政から放逐された1 年を含め、利権基盤をここまで強化するのに、石原都知事でさえ「二期8年」 の時間がかかったということである。 この「利権体制」を息子に引き継ぎたいと思うのは“人情”で、その「移行 期間」には最低でも2年はかかろう。 だが、地盤と人気と利権の引渡しを2年後に行なうという、石原氏の「都政 私物化の極地」を放置してはならず、それには別項にあるような「田原総一朗 流の甘え」を石原都知事に与えないよう、マスコミは傲慢知事をこれまで以上 にチェックすべきだろう。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎいたします。お申しであれば見本誌を無料でお送りいたします。 ■社内コミュニケーションと社内広報 その8■ (ナナ総合コミュニケーション研究所が運営する「Commu-Suppo.net」のWebコ ラム「社内広報を考える」から転載) http://www.commu-suppo.net 前回のこの欄の内容について、数人の読者から、「実際に現場で応用しよう とすると、どのように対応してよいのか、よくわからない」という感想を頂い た。 たしかに、そのとおりであろう。私は、普遍的な実践論を書こうとしたあま り、抽象的な経営論を書いてしまったかもしれない、と反省している。 しかし私はこの10数年来、社内誌編集担当者の悩みごとを聞き続けてきた のだが、恐らく私ほど、編集者の具体的な悩みごとを、数多くの担当者から直 接聞き続けてきた人間は、他にはいないのではないかと自負している。 そして、わたしのアドバイスが、どれほど役に立ったのか、100%フォロ ーしているわけではないが、いわゆる編集プロダクションや社内誌の審査だけ を経験してきた人にはできないような、具体的なアドバイスをしてきたと、自 負もしている。 実際、限られた時間のアドバイスの後、いまだに、毎号社内誌を送ってくだ さる編集者が大変な数に上っており、現状では、いちいちフィードバックする ことが不可能になってはいるのだが、アドバイスしたことが、脈々と息づいて いることを確認すると、うれしくなる。 そもそも、このような経験と現状が、私に、このシリーズを書かせる原因に なったことを釈明しておきたい。 ところで、多くの社内誌担当者は、「良い社内誌を作りたい」と思って私の アドバイスを求めに来るのだが、この「良い」という意味が、必ずしもひとと おりではない。 社内誌が100あれば、100通りの良さを探すアプローチがあるといって も良いだろう。 ただし、その良さを決める根源に、どうしてもなくてはならないものがある。 それは端的にいえば、経営トップの会社経営への思いが、強くかつ明快であ るということだ。 これがなければ、いかに良い社内誌を作ろうとしても、つくることはできない。 この、経営の思いとは、本質的には、経営の目的(これは、単に収益をあげ ることだけではなく、会社の社会的な存在価値としての経営ミッション)に対 する思いである。 この思いが、明確でかつ強ければ強いほど、良い社内誌は作りやすい。 なぜなら、この思いが強ければ、経営トップは、なんとしても、その思いを 実現するために、会社の隅々にまで、自分の思いを伝えようとするからだ。 これが、社内コミュニケーションの動機であるる。 社内コミュニケーションを良くしようと思えば、社内広報の業務にも自然に 力が入る。 トップの経営哲学や目的実現のために、経営戦略としての社内コミュニケー ションが必要になり、これを支援するために、社内広報が必要になるからだ。 ところが、社内誌編集の現実は、経営トップや編集者の自己満足をでない、 情報誌づくりがあまりに多く、こうした社内誌の存在が“本物”の社内誌づく りに、よろしくない影響を及ぼしてきたように思えてならない。 バブル経済の崩壊以来、著名な大企業がいくつも姿を消した。今も、引き続 き会社再編の嵐が続いている業界も多い。 このような経営環境の中で、社内誌は“無為な存在”であっても良いものか どうか、「会社が吸収合併されようと、無くなろうと、それは、社内誌の責任 ではない」といっても良いのだろうか。 いまや、このことについての考え方を、社内誌の“存在意義”として明確に するべきではないか、これが、私のこれまでのアドバイスの眼目だったのであ る。 結論を言えば、「社内誌は、会社の存続を“決定”する存在とはいえないま でも、存続を“左右”する存在であるように、経営の意思が反映するような発 行目的を持つべきだ」、ということだ。 ただし、社内誌は社内広報業務の、ひとつのメディアに過ぎないことも事実 であり、他のメディア、すなわち「ウェブ社内報、映像社内報、社内通知・通 達、社内放送・掲示板、会議・打ち合わせ、教育・研修など」と、いかに、協 調、協働するか、役割分担するか、そこに、社内誌の存在意義がある。 こうして利用される社内誌は、社内のあらゆる社内広報メディアの中で、最 も経営戦略的に使えるメディアになりうる。 社内誌の編集者が、コーポレートガバナンスの視点を軽んじ、私的な視点の メディアコンセプトを主張したら社内広報はどうなるか、そのような状態を放 置するようなトップマネジメントは、会社の存在そのものまで危うくすること は、目に見えている。 トップマネジメントの社内コミュニケーションと、そのなかで、一定の役割 を果たすべき社内誌、そのリレーションシップをしっかりわきまえて、社内誌 編集をしてほしいものである。 【お知らせ】 「今後、社内誌はどうなるのか?」 〜 社内誌の実状がわかる 『社内誌白書2007』発売! 〜 2006年10月、社内誌を発行する全国の企業に、社内誌の発行状況や組織、 意識などについて「第3回社内誌実態調査」を実施。317社による回答を、 「社内広報全般および組織について」 「印刷社内誌について」 「Web社内報について」 「グループ広報について」 の4章に分けてまとめています。 社内誌の「いま」と「今後」がわかる『社内誌白書2007』 詳細とお申し込みは、 http://www.commu-suppo.net/hakusho.html 注、4/1、事務所移転しました --------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail : toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net --------------------------------------- ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2007年4月18日 第378号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |