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  2007/5/9  No.381   週刊メールジャーナル  読者数10901人(前回)
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●安倍首相が激怒した『週刊朝日』報道の真贋
(会員制経済情報誌『現代産業情報』5月1日号より転載)

 「『週刊朝日』の広告を見て、ビックリしてキヨスクまで買いに行きました
よ。安倍首相秘書の飯塚(洋)氏とは、私も因縁があるだけに気になった」

 こう語るのは、「飯塚攻撃」を仕掛けたこともある右翼団体の幹部である。

 確かに、4月23日(月曜日)に発売された『週刊朝日』(5月4日・11
日号)の新聞広告は刺激的だった。

 週刊誌では一番の売りの「右トップ」に続く「左トップ」。見出しは、
「長崎市長射殺事件と安倍首相秘書との『接点』」である。

 飯塚前秘書(3月31日で政策秘書を退任)は、大人しい実務派が多いとい
われる安倍事務所において、首相の父の「安倍晋太郎時代」からの生き残りと
して、人脈が広く、清濁併せ呑むタイプでもある。

 それが、首相の後援会である「安晋会」の世話役という立場につながり、ヒ
ューザーの小嶋進社長(当時)から相談を受け、国交省幹部に口利きしたとい
う疑惑を生んだ。

 その飯塚前秘書が、ここ2年ほど、ある「案件」をめぐって複数の右翼団体
から攻撃を受けていた。

 千葉県習志野市に昨年9月に開設した「ボートピア習志野」という場外舟券
売り場の利権に関与したのではないか、というものである。

 『週刊ポスト』(2007年4月13日号)が既に報道しているが、飯塚氏
が親しく出入りしている異業種交流会の「くすのき会」のメンバーが「ボート
ピア習志野」の一部工事を受注していたのは確かである。

 その選定に飯塚氏が関与していたわけではないものの、「くすのき会」の会
長を務める建築会社から、飯塚氏は日産の高級車・フーガを購入、また妹は建
築会社名義のフォルクスワーゲン・ゴルフを乗り回していた。

 疑惑を指摘されるのも無理はなかった。

 その「飯塚疑惑」が、複数の右翼団体に流れ、過去には習志野市役所に「街
宣」がかけられたこともあった。

 安倍氏が首相になってから「宣伝効果が増した」と考えたのか、新規参入す
る組織もあった。

 そうした攻撃が今回の退任につながったかどうかは定かではないが、この3
月にも期限を切った「質問状」が右翼団体から飯塚氏に送られ、そこには「民
族運動活動家として黙視看過する訳には参りません」と、書かれていたのだか
ら飯塚氏にはプレッシャーとなっていただろう。

 右翼団体には、それなりの情報ネットワークがあり、他団体の動静はある程
度は伝わるものだ。

 そういう意味で「ボートピア習志野」と飯塚氏の関係は、右翼団体間で知ら
れており、攻撃に加わった冒頭の団体幹部にしてみれば、「長崎市長射殺事件
と秘書がどうつながるんだ」と、週刊誌を買いに走るほど衝撃だったのである。

 結果として、『週刊朝日』の記事は、その右翼団体幹部を落胆させた。

 「『接点』と書いているのに、長崎市長殺害事件と飯塚氏の接点については
何も書いていないじゃないですか。なにより『接点』などないと思う。習志野
の利権話に九州のヤクザがクビを突っ込むはずがない」

 安倍首相が激怒したのは、発売翌日の24日夜である。

 首相官邸で記者団にこう語ったという。

 「まったくのでっち上げで捏造だ。こんな記事を書いた記者は恥ずかしくな
いのか。私や私の秘書が犯人や暴力団の組織と関係があれば、首相も衆院議員
も辞める考えだ」

 「『週刊朝日』の広告を見て愕然とした。私や私の秘書にも家族や親族がい
て、子供もいる。これは言論によるテロではないか。報道ではなく政治運動で
はないか」

 ここまで政治家が怒るのも珍しい。安倍首相と『朝日新聞』との従軍慰安婦
問題などをめぐる確執を考えても尋常ではない。

 それだけ、「誤報」だということに自信があるのだろうし、発売から24時
間以上経っての発言は、情報担当セクションを総動員して調べさせたに違いな
く、安倍事務所がほのめかしている「刑事告発」といった事態も考えられる。

 2ページにも満たない短い記事が、日本を代表する新聞社を大きく揺さぶろ
うとしている。

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■社内コミュニケーションと社内広報その9■
 
「内部統制と社内広報」

 社内コミュニケーション(以下IC:インターナルコミュニケーション)と社
内広報とは、似たような言葉ではあるが、その意味するところははっきり違う
ということを、これまで何度も述べてきた。

 しかし、過去経団連社内広報センターの委員会で一緒に仕事をした仲間たち
との間でさえ、いまだに共通の認識はできていない。

 私自身、そんな言葉の定義ぐらい「目くじらを立てるほどのことではない」
と思ってきたせいもあるが、ここへきて、もう少し厳密に区別しておかないと
困ったことになると、考えるようになってきた。

 今、多くの上場会社が頭を痛めていることのひとつに「内部統制」という経
営課題がある。

 実際、こうした会社向けのセミナーで、もっとも関心の高いテーマがこの内
部統制であることが、それを裏付けている。

 顧客開拓をねらって監査法人などが開く無料勉強会がいずこも満員の盛況だ
というが、2泊3日で受講料40万円以上の合宿研修もあるそうだ。

 昨年5月に施行された改正会社法、今年9月に施行される金融商品取引法
(日本版SOX法とも呼ばれる)では、罰則を強化してまで、上場会社などに粉飾
決算や違法行為を排除するように求めているからだ。

 セミナーで教える内容は――会社の業務が適正に行なわれているかどうか、
日ごろからチェックを怠ってはならないということ。

 それには社内手続きを透明にし、だれでもわかるように文書化しておくこと
が決め手――と、そんなことらしい。

 では、社内広報の中核を受け持つ社内誌やWEB社内報は、経営が求める内部
統制の実をあげるために、どんなことをすればいいのか、あるいはできるので
あろうか。

 会社が進めている内部統制の仕組みづくりや現状、課題を、こと細かに社内
に伝達すればよい、のであろうか。

 実は、法律で強制されるまでもなく、これまでも、ステークホルダーに不測
の迷惑を掛けるような事故や不祥事を引き起こさないために、社内広報の担当
セクションは、コンプライアンスやCSR(会社の社会的責任)の共通価値観を
社内に敷衍(ふえん:言い換えたりしてわかりよく説明)することに努めてき
たはずであり、いまさら直接的に内部統制の“片棒”を担ぐ必要はいかがなも
のか、という思いが広報担当者にはあるようなのだ。

 実際、私が「ナナ」のメディア(『月刊総務』『月刊コミ・サポ』など)の
誌上で内部統制への広報対応の必要性を取り上げるようになってから、社内メ
ディアの編集者からは、そうした意見や相談が相次いでいるのである。

 たしかに内部統制は経営にとって重要な課題ではあるが、組織内への徹底、
従業員への意識付けは、それを社内広報担当の責任や、業務評価の対象にしな
ければならない問題なのであろうか。

 そういう疑問が起きてきても不思議ではない。

 これまでも社内広報は、事故や不祥事を起こさないことを念頭において、社
内メディアや社内教育・研修のアイテムを動かしてきたにもかかわらず、マス
メディアを騒がす事故や不祥事は、トップマネジメントの周辺から起きてしま
った事例は、限りがない。

 それらは、社内広報の責任とはいいがたいケースであるが、社内広報の役割
否定につながりかねないという意味で、会社統治の視点から看過できない。

 しかし、社内広報でやらなければならないことと、できることには、おのず
と限界があることは自明である。

 だからこそ、いま、ICで必要なことは何かということは、会社統治の観点か
らトップマネジメントとして決断しなければならないことなのだ。

 そのIC目的達成のために、社内広報は、どんなことを、どの程度やればいい
のか、部門の権限と責任において決定すればよい。

 こうした手続きさえ不明確な会社は、いくら内部統制のセミナーに人材を派
遣しても、勉強の成果を活かすことはできない。

 また、社内広報に関してトップから大幅な権限を委譲されている広報担当セ
クションも、トップのICマネジメント(ICM)が不明確なままでは、明確な目的
をもったIC統治の支援はできっこない。

 いまどき、そのことが社内広報セクションのジレンマになるような、はっき
りしないトップマネジメントの現況は珍しくないはずだ。

 私流のコンサルティングは、ここのところのソリューションに重点を置いて
いるのである。

 つまり、ICMと社内広報の関係を明確にするための社内手続き方法をコンサル
するのである。

 考えてみれば当たり前のことだが、内部統制で何よりも大切なことは、不正
を許さない経営陣の決意であり、なんでも文書にすればよいのではない。

 やっていいこと悪いこと、許されること許されないこと、その判断基準を、
経営者自身が日ごろの言動をとおして、みずから社内に浸透させることなので
ある。

 「文書を整えるのは、不正が紛れ込まないようにするための手段に過ぎませ
ん」というのは、『内部統制とは、こういうことだったのか』(日本経済新聞
出版社07年3月刊)を、二人の同僚と著した小澤徹夫弁護士だ。

 経営トップは、みずからの経営姿勢を、経営理念、経営哲学、経営方針など
をつうじて組織の隅々にICすることが、内部統制のガバナンスとして、最重要
のマネジメントなのである。

 こうしたトップのICのマネジメント(ICM)を、どのように支援するかを考
え、実行することが社内広報担当の知恵と手練手管を活かす業務課題なのであ
る。

 そうであれば、社内広報担当者の能力や責任を業務評価されても仕方がない
し、おのずと編集業務のやり甲斐もでてこようというものだろう。
(以下次号)

【お知らせ】

「今後、社内誌はどうなるのか?」

■■ 社内誌の実状がわかる『社内誌白書2007』発売!■■

2006年10月、社内誌を発行する全国の企業に、社内誌の発行状況や組織、
意識などについて「第3回社内誌実態調査」を実施。317社による回答を、
「社内広報全般および組織について」
「印刷社内誌について」
「Web社内報について」
「グループ広報について」
の4章に分けてまとめています。

社内誌の「いま」と「今後」がわかる『社内誌白書2007』
詳細とお申し込みは、
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注、4/1、事務所移転しました
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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail : toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
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 週刊メールジャーナル 2007年5月9日 第381号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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