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  2007/5/30  No.384   週刊メールジャーナル  読者数10913人(前回)
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■社内コミュニケーションと社内広報・その10■
「内部統制と社内広報・2」

【お断り】
 今回は、ナナ総合コミュニケーション研究所が運営する「コミサポ・ネット」
にアップした、本誌編集発行人・川崎明の定例コラムを転載しました。
http://www.commu-suppo.net

 このシリーズは、本誌の編集ポリシーにいささかそぐわないテーマかもしれ
ませんが、永年「社内広報」のレベルアップに取り組んできた社内広報担当の
OBグループと、「社内コミュニケーションマネジメント」に関心のある本誌
一部読者の熱心な求めに応じて、コミサポWebに掲載の都度転載しています。

 しかし、このテーマは、現今この国のあらゆるコミュニティーに欠落してい
る、重大なことがらを浮き彫りにしている、とも思われるのです。

 いまこの国で、「家庭」を原点に「会社」はもちろん、「役所」「学校」
「地域」「自治体」など、あらゆるコミュニティーの人間関係を束ねる重要な
要素であるにもかかわらず、もっとも欠けているのが「コミュニティー成立の
根本となるコミュニケーション」ではないでしょうか。

 その原因は、本来、コミュニケーションをマネジメントするはずの「リーダ
ー」と「メディア」が、どのコミュニティーにも存在しないからではないでし
ょうか。

 例えば、「地域」「社会」の正常なコミュニケーションをマネージすること
ができるのは、「地域」「社会」の善良な構成員が、その「地域」「社会」の
「言わずもがな」の約束ごと、「ソーシャルコモンセンス」(社会常識)によ
って、構成員の意識と行動を律することの大切さを、ジャーナリスティックに
コミュニケートできる「リーダー」と「メディア」だと思われますが、それは
いま、どこにも存在しないと、いわざるをえません。

 「会社の事故や不祥事」の増加と並行して、「地域社会の犯罪や不祥事」が
近ごろ目立っている原因は、それぞれの構成員の意識と行動に、帰属意識や忠
誠心が、深く欠如してきたからに他ならないと思われます。

 いまのコミュニティーでは、欠けているコミュニケーションをスポイルして
おいて、「統制」や「管理」だけを強めても、良好な人間関係を柱とするコミ
ュニティーを正常に維持することはできないだろうと、思うのです。


■社内コミュニケーションと社内広報・その10■
「内部統制と社内広報・2」
 
 去る4月13日、金融庁が「金融商品取引法」を今年9月に完全施行すると
発表するとともに、財務報告にかかわる「内部統制」の評価・監査に関する
「実施基準」が明確になったことから、日本の上場会社は、いわゆる「日本版
SOX法」に対応するための具体的な準備作業に入った。

 いまや上場各社は、内部統制システムの構築とともに、財務会計のチェック
システムづくりに大童といったところだ。

 もちろん、こうした現象は、上場会社にのみあらわれている影響ではなく、
上場会社と取引のあるすべての会社にも影響するのである。

 このため、「内部統制やSOX法対応のセミナーが大盛況」らしいと、前回
書いたが、セミナー参加者の感想を聞いてみると、その内容には、いまひとつ
ピンとこないらしい。

 その一つは「文書化」の問題だ。

 「社内手続きを透明にし、だれでもわかるように文書化する」というのが、
内部統制の命題なのだが、現実の社内では、何を、どのように文書化するのか
が良くわからないらしく、各部門に下ろすと、「業務マニュアル」のような文
書が出てくるという。

 よく知られているように、従業員が職務をまっとうするための「マニュアル
的」な文書は、いまどこの職場にも溢れている。

 業務用マニュアルをはじめとして、OJT(社内教育)用、ISO(標準化
機構)認証基準用、職務評価(人事考課)用などがある。

 したがって、内部統制の文書化を求めると、やはりマニュアル的なものが出
来てきてしまう、というのもわかるような気がする。

 なぜ、内部統制に必要な「行動基準」の文書化ができないのであろうか。

 近ごろ明らかになった粉飾決算の根本原因を例に、考えてみよう。

 推定だが、不正会計につながるような経理操作を防止するための、内部統制
基準を文書化しようとしても、善良な一般従業員のかかわる余地はほとんどな
い、といってもよいのではないか。

 あるいは、不届きな従業員が、公金を詐取する目的で、意図的な伝票操作な
どができないよう、チェックシステムをつくるのは、トップマネジメントの問
題であろう。

 あるいはまた、食品製造過程において、使用原材料の消費期限が後先になら
ないよう、現物の保管・管理の手順を文書化するのなら、業務マニュアルで済
む話だ。

 ところが、上司の意図的な判断で、消費期限切れの原材料をあえて使用する
命令が下されたとき、現物出庫を担当する従業員は「どうすべきか」、そんな
こと、はたして文書化できるのであろうか。

 さらにまた、トップ判断によって、在庫調整を目的に、関係会社から架空の
発注伝票が回ってきたとき、事情を知らない担当者は、どうして出庫を止める
ことができるのであろうか。

 要は、「守るべきこと」「してはいけないこと」というのは、「会社は社会
的な存在」であることを前提として、すべての従業員が「常識の範疇で判断」
できるようにすることこそが、経営の「そもそも論」ではないだろうか。

 やって「良いこと」「悪いこと」の判断基準は、日ごろの「トップの背中」
に書いてあるはずである。トップマネジメントで決まるのである。

 その昔、「日本的経営」といわれた経営では、「経営の理念」や「創業者の
事業哲学」のようなものがあり、これが「社内コミュニケーション」によって
組織の隅々にまで浸透し、従業員一人ひとりの判断や行動を「言わずもがな」
の倫理で律してきたはずである。

 仮にそれが、近ごろの「グローバリゼーション」によって、「経営の異質化」
が進行してきたというのであれば、それは、個々の経営内において、それがど
のような「経営リスク」の増大を招いているのか、その差異を、社内コミュニ
ケーションによって、あらためて明確に説明すべきなのである。

 その説明がなされていないからこそ、内部統制の「文章化」が、経営にとっ
てむずかしい現実を招いているともいえる。

 近ごろ盛況をきわめているといわれる「内部統制セミナー」には、各社の内
部監査、コンプライアンス、リスク管理、広報など、各セクションの内部統制
担当者が主として参加しているという。

 しかし、日本全国どこのセミナーでも、「内部統制の要諦は社内コミュニケ
ーションのトップマネジメントいかんである」ということを、明確に指摘する
講師はどこにもいないらしい。

 ここにこそ、グローバリゼーションによって、日本的な特徴のあるコーポレ
ートガバナンスを見失いかけている、トップマネジメントの実態をみることが
できるのである。

 日本的コーポレートガバナンスの特徴とは、一体なんであろうか。

 それは、従業員の会社に対する帰属意識や忠誠心を、否応なく一定の水準に
まで涵養するマネジメントである。

 このマネジメントは、年功序列や終身雇用といった形式的な雇用関係の構築
にだけ、代表されるものではない。

 数代にわたって、民主的な価値基準によって、多くの従業員が、暗に承認で
きるような経営トップが、毎度順当に経営を引き継ぐことができたガバナンス
もまた、従業員の意識や行動を、常識の範疇に保ち続ける会社文化を創造して
きたのである。

 国際競争力のある、高付加価値製品・サービスを上市し、収益を維持するこ
とを可能にする、質の高い労働力を保持・拡大しようとするのであれば、いま
は、内部統制のような、ディフェンシブなマネジメントに熱を上げるのではな
く、もっと前向きな、オフェンシブなマネジメントを展開することこそ、ガバ
ナンスの優先課題にすべきであろう。

 そのために必要なトップマネジメントが、「社内コミュニケーション」であ
り、同時にまた、「アングロサクソンによる経済支配の謀略」とも揶揄されて
いる「日本版SOX法」に対処するためのマネジメントもまた、「社内コミュ
ニケーション」なのである。

 これを、「ICM(インターナル・コミュニケーション・マネジメント)と
総称する」のである。くどいようだが、このことは、何度でも念を押しておき
たい。(以下次号)

【お知らせ】

■第9回社内広報サロンのご案内■

★今回のテーマ 「社内報。企画の立て方、見つけ方」★

  社内報担当者の「悩み」である、企画立案。『社内誌白書2007』
 でも、「良い企画が思い浮かばない」が「悩み」の第一位でした。
 今回、ご参加の皆さんが、普段工夫している企画立案のさまざま
 の手法を共有したり、その中でヒントを見つけたり、今後の社内
 報編集にお役立てください。

 ◇日 時  2007年6月22日 木曜日 18時30分〜21時
 ◇場 所  ナナ・コーポレート・コミュニケーション
       新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階
    http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html
 ◇18:20     開場
 ◇18:30     挨拶
 ◇18:35〜20:00 グループディスカッション
 ◇20:00〜21:00 ミニ交流会 (軽食を取りながら)

★詳細とお申し込みは★
    http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html

注、4/1、事務所移転しました
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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail : toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
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 週刊メールジャーナル 2007年5月30日 第384号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
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