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  2007/6/13  No.386   週刊メールジャーナル  読者数10810人(前回)
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●資本支援要請を重ねるJALは法的整理で出直すしかない
(会員制経済情報誌『現代産業情報』6月1日号より転載)

 図々しいとしか言いようのないのが、日本政策投資銀行など主力取引行に対
し、2007年3月期決算発表後、2000億円から4000億円規模の支援
を要請していた日本航空(JAL)である。

 その直前、07年3月期決算の連結業績予想の段階では、30億円の黒字予
想が162億円の赤字に転落。

 西松遥社長は、この下方修正発表の記者会見で、修正理由を「繰り延べ税金
資産の447億円を取り消すよう新日本監査法人から指摘を受けたためだ」と
説明、経常利益は逆に5億円から205億円へと上方修正しており、「順調な
回復だ」と胸を張った。

 順調に回復しているなら支援要請は必要なかろう。しかもJALの再建計画
は4月から始まり、日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀
行、三菱東京UFJ銀行の主力4行は、計画の達成を前提に、3月末から5月
初めにかけて700億円を融資したばかりだった。

 その成果が出ないうちの資本支援要請――頼めば誰かが何とかしてくれると
いう「親方日の丸」のナショナル・フラッグ・キャリア意識の抜けない甘えで
あり、銀行関係者は等しく、「無条件に支援要請に応じることはできない」と、
突き放す。

 JALは、二期連続の赤字に加え、1兆7000億円の有利子負債を抱える。
しかも、リース債権の帳簿処理によっては実質的な超過債務となる。

 大胆なリストラと、ナショナル・フラッグ意識の完全な除去による体質改善
で一から出直すしかないのだが、職種別に9つもの組合を抱え、権利意識とプ
ライドだけは高いJALの改革は容易ではない。

 昨年6月、既存株主の猛反発を受けながら時価発行増資を断行、株価急落で
もくろみの3分の2の1400億円しか集められなかった。

 以降、増資や社債の発行を封じられ、銀行融資にすがるしかないのだが、度
重なる要請に銀行団も頭を抱えている。

 都銀幹部のいう次の言葉が、金融機関の“悩み”を代表する。

 「JALは影響力が大きくてつぶせない。実際は、法的整理でややこしい組
合問題を片付け、うるさい運輸族政治家の動きを封じ込めるのが一番なんです
が、誰も『JALをつぶした銀行』の“汚名”を着たくない」

 確認は難しいのだが、会社更生法申請の「準備書面」をつくるために、密か
にJALは日本最大級の法律事務所に資料を提出しているといわれており、J
AL経営陣の危機感も相当なものであることは間違いない。

 ただ、「大きくてつぶせない」というダイエーなどの過去の事例が示すよう
に、JALに引導を渡すのは個別の金融機関では難しい。

 産業再生機構はすでになく、国家権力が追い詰めるしかない。

 金融庁は、厳格な姿勢を貫いている。三井住友を皮切りに三菱東京UFJ、
みずほコーポレートの各行が、JAL向け融資を破たん懸念先に格下げしたの
は、金融検査の際、検査官がそう“指導”したからである。

 また、新日本監査法人の厳格な監査も、金融庁の意向に沿ったものであり、
同庁はJALを特別扱いにするつもりはない。

 綻びが生じているのは、政府系金融機関である政策投資銀行が、金融検査が
入っていないことをいいことに、追い貸しを続けている点だ。

 同行は2008年10月に民営化が決まっており、それまでに「JALを完
全に抱え込むことで、JALのメインバンクという位置を確立する作戦ではな
いか」という見方もある。

 そんな役所や金融機関の数々の思惑の中でJALは生き延びている。

 主力4行が資本要請を飲むかどうかも含めて、最後は政治がどう判断するか
にかかっている。

 それはひとえに、JALを今のまま存続させる方が国民経済的に損か得かで
判断すべき問題だが、辻褄合わせのような再建策を取るべき時期は過ぎた。

 ここは一度、法的整理をして出直すしかないのである。

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【あとがき】

 どのようなケースでも、経営再建の鍵は、最終的に従業員が握っている。結
局は、従業員が本気でやり抜かなければ、何事もできないからだ。

 JALの場合、民営化の際、社内にはびこっていたナショナル・フラッグ意
識=「親方日の丸」意識を変えることができなかったことが、職種別、合併前
の会社別組合を、いまに温存させる原因になっている。

 「親方日の丸」ってどんな意識か? といえば、いまなら、社会保険庁の仕
事ぶりを支配してきた「役人意識」と同じ、といえばわかりよいだろう。

 民営化されたJR各社にも、JTにも、NTTにも、程度の差はあれ、色濃
く残っているのがこの「親方日の丸」意識である。

 しかし、「まじめにやっている社員もいる」という声も聞く。たしかに、い
るにはいるが、その意味は「決められたことを、そのとおりにやる」ことでし
かない。

 「残業は決められた範囲内」「濃密な作業には特別休憩時間」「例外処理は
しない」「指示されたこと以外はしない」などなど、「親方日の丸」共通の約
束ごとをあげれば切りがない。

 こうした「決めごと」は、労働組合がすべて仕切る。組合の決めごとは組合
幹部と経営陣との力関係で決まる。多くの場合、組合幹部は経営幹部への道を
歩む。

 したがって、“かいぜん”とか“ていあん”といった、現場からの経営改革
の知恵を吸い上げる必要がない。

 つまり「親方日の丸」のもとでは、業務命令以外のコミュニケーションは不
必要なのだ。

 ほとんどの民間会社では、社内コミュニケーションのメディアとして、「社
内誌・社内報」などを編集発行している。

 ところが、意外に多くの“お役所”も「機関紙・誌」を発行しているのであ
る。

 筆者は、永年、自治体や特殊法人を初め、さまざまな“お役所”の機関誌編
集のお手伝いをしてきたが、コミュニケーションの目的が根本的に違うから、
「良い機関誌」を制作したいといわれても、「良い」という意味が、民の会社
とは違うのである。

 民営化したJR、JT、NTT各社にも社内誌・社内報がある。JALにも
当然ある。系列会社にさえ立派な社内誌がある。

 だが、この10数年、リストラをめぐって真剣に苦しんできた、純粋な民の
会社の社内誌・社内報とは、やはり違うのだ。

 経営再建には、究極、従業員の“ヤル気”が必要だから、社内コミュニケー
ションをうまくできないマネジメントでは、再建はむずかしい道理である。

 民営化会社では、社内コミュニケーションの重要性を理解できないマネジメ
ントが、いまだに多く存在するのはなぜだろう。


【お知らせ】

■第9回社内広報サロンのご案内■

★今回のテーマ 「社内報。企画の立て方、見つけ方」★

  社内報担当者の「悩み」である、企画立案。『社内誌白書2007』
 でも、「良い企画が思い浮かばない」が「悩み」の第一位でした。
 今回、ご参加の皆さんが、普段工夫している企画立案のさまざま
 の手法を共有したり、その中でヒントを見つけたり、今後の社内
 報編集にお役立てください。

 ◇日 時  2007年6月22日 木曜日 18時30分〜21時
 ◇場 所  ナナ・コーポレート・コミュニケーション
       新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階
    http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html
 ◇18:20     開場
 ◇18:30     挨拶
 ◇18:35〜20:00 グループディスカッション
 ◇20:00〜21:00 ミニ交流会 (軽食を取りながら)

★詳細とお申し込みは★
    http://www.commu-suppo.net/salon/20070622salon.pdf
 
注、4/1、事務所移転しました
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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail : toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
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 週刊メールジャーナル 2007年6月13日 第386号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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