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2007/6/20 No.387 週刊メールジャーナル 読者数10819人(前回)
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●年金問題をコムスンにすり替えた厚労省の罪深さ
(会員制経済情報誌『現代産業情報』6月15日号より転載)
グッドウィルグループを率いる折口雅博会長の「質の悪さ」については、今
更、言うまでもないことである。
欲望を是認する資本主義は、欲深な企業家を歓迎する。父親の倒産を経て貧
乏をイヤというほど経験、中学を卒業すると、働き、学べる自衛隊を選ぶしか
なかった折口会長は、人一倍、欲を欲する人だった。
防衛大学卒業後の任官拒否、商社マン時代のディスコ運営、取引先や出資者
とのトラブル続出による退社、人材派遣会社・グッドウィルの共同経営と、そ
の後の乗っ取り、2000年実施の介護保険制度に伴う介護ビジネスへの進出
……。
折口氏の「成功の軌跡」に一貫しているのは、人生も人間関係も「損得」で
割り切る功利主義である。
そこには、見事に「建前」がない。利用者、顧客、従業員への「愛」がない。
そんな経営者が立ち上げた事業に「未来はない」と、弊誌はNo.413
(2000年4月15日号)で指摘した。
介護をビジネスにすることが悪いわけではない。折口氏は、今回の騒動で、
「介護を食い物にした」と批判されたが、利益を出し、儲けるというビジネス
上の行為が「食い物にした」ということなら、すべての介護業者は批判の対象
となる。
悪いのは、経営者が自分の様々な欲望を充足させるために、利用者やヘルパ
ーの「心」に配慮しない功利主義であり、折口氏は当初から介護ビジネスに参
入する「資格」がなかったといえよう。
「資格」のない業者が退場するのは当然のことである。厚生労働省は6月6
日、コムスンの介護事業所の新規開設や更新を認めないよう都道府県に通知し
た。
開設時の虚偽申請、不正受給、連座制逃れの事業所の廃止など、コムスンの
手法は経営陣に人間としてのモラルが感じられない悪質さであり、批判は年金
問題に並ぶほど強かった。
当初、子会社への全事業所譲渡を画策するなど、様々な抵抗は見せたものの、
最終的に折口氏は売却を決断。
「ふさわしくない人の撤退」は、そこに国の意思が働くことも含めて、当然
のことなのである。
ついでに言えば、早くも警視庁など捜査当局の内偵は始まっており、栄華の
ツケを支払わされる日は近い。
だが今回、折口氏の個人的資質を事件の理由にするのは間違っている。
コムスン問題は、市場の中に国家的サービスを投げ込む過程で発生した。
主宰者やヘルパーの「心」が試されるのだから、本来、「福祉」に「ビジネ
ス」は似合わない。
しかし、「小さな政府」への構造改革路線を採る日本は、社会保障分野にも
民間営利企業の活力を求めた。
今回のコムスン問題は、「競争原理」と「功利主義」がもたらした必然であ
り、折口氏の資質とともに、「国の責任」も問われてしかるべきなのだ。
つまり、撤退を命じられたコムスンと、命じた厚労省は、「同じ罪」を抱え
ることになる。
厚労省幹部は、「悪貨を排除した」と誇るほどのことではない。むしろ誰し
も感じていることなのだが、この時期のコムスン処分は、国民の年金問題への
怒りを、“緩和”するものではなかったか。
年金問題を機に、社会保険庁に対して盛り上がっている国民的怒りが、厚労
省本体へ向かうのを避けたというのは官僚の“性”ではあるが、そうなると厚
労省官僚は、コムスンで証明された「国の責任」を躱(かわ)しつつ、年金問
題を分散化することになるわけで、その意識と所業は、折内氏と同等かそれ以
上に罪深いというしかない。
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【あとがき】
会期が押し詰まった今国会で与党は、「社会保険庁解体」法案を強行採決す
る姿勢を強めている。
しかし、ここまで明らかになった同庁の生来の“杜撰な体質”では、たとえ
「非公務員化」したところで、その本質が改善されるとは思えない。
むしろ、現体制のもとで、過去の問題点、責任の所在をはっきりさせるとと
もに、「宙に浮いた」、「消えた」、「未統合」などなど、各種年金制度間の
被保険者名の突合(とつごう)を急がせるために、法案はいったん白紙に戻す
べきではないか。
年金問題は、間違いなく参院選の争点になるだろうが、このままでは、与野
党入り乱れての“泥仕合”になることは必定である。
年金問題を、単なる“政争の具”にしてはならない。
本誌が指摘しているように、5000万件を超える「宙に浮いた」年金の大
部分は「重複加入」の可能性がある。
「消えた」加入期間については、被保険者に証明責任を押し付けることなく、
たとえ手間はかかっても、前後の加入期間の年金種類と収納状況や「払い込ん
だはず」とする収納機関の当時の実態などから、「空白期間」が生じた原因を
明らかにし、「第三者機関」の裁定を容易にする方法を確立すべきである。
もとより、国民の中には、“確信犯的な年金不信”により、「支払わなかっ
た」者もいるだろう。公平公正な裁定は必要だが、これまでの保険庁のような
「申請主義」は棄てる必要がある。
参院選立候補者は、年金問題に関する限りは、党公認であろうと無所属であ
ろうと関係なく、これまでの政治責任を認めたうえで、これからの立場と所信
をマニフェストで明らかにし、有権者に訴えてほしい。
選挙後の参院では、「年金問題調査会」を組織するなど、「参院らしさ」を
発揮する機会にしてはどうだろう。
【お知らせ】
■第9回社内広報サロンのご案内■
★今回のテーマ 「社内報。企画の立て方、見つけ方」★
社内報担当者の「悩み」である、企画立案。『社内誌白書2007』
でも、「良い企画が思い浮かばない」が「悩み」の第一位でした。
今回、ご参加の皆さんが、普段工夫している企画立案のさまざま
の手法を共有したり、その中でヒントを見つけたり、今後の社内
報編集にお役立てください。
◇日 時 2007年6月22日 木曜日 18時30分〜21時
◇場 所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階
http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html
◇18:20 開場
◇18:30 挨拶
◇18:35〜20:00 グループディスカッション
◇20:00〜21:00 ミニ交流会 (軽食を取りながら)
★詳細とお申し込みは★
http://www.commu-suppo.net/salon/20070622salon.pdf
注、4/1、事務所移転しました
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株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
取締役 社内広報事業
ナナ総合コミュニケーション研究所 所長
豊田 健一
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
新宿加藤ビルディング5F
Tel : 03-5312-7471
Fax : 03-5312-7475
E-mail : toyoda@nana-cc.com
URL : http://www.nana-cc.com
URL : http://www.commu-suppo.net
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週刊メールジャーナル 2007年6月20日 第387号(水曜日発行)
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編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
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