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2007/7/25 No.392 週刊メールジャーナル 読者数10781人(前回)
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●「総連事件」で検察のシナリオに乗せられてしまったマスコミの罪
(会員制経済情報誌『現代産業情報』7月15日号より転載)
弊誌は、東京地検特捜部が緒方重威元公安調査庁長官を逮捕した朝鮮総連中
央本部ビルをめぐる詐欺事件で、キーマンの一人である森憲吾氏(41歳)が、
どんな人物であるかを前号(No.579=本誌7月4日号に転載)で詳述し
た。
会員制ヘリコプター運用会社を経営、30代の有望ベンチャー社長として報
道された過去、TBS女子アナとの交際、堪能な語学を生かした米国でのビジ
ネス展開……。
だが、いずれも「過去の栄光」で、近年は詐欺罪逮捕の畑隆被告とのクレジ
ット会社の共同経営と、その失敗による民事訴訟が象徴するように、落ちぶれ
ていた。
詐欺罪で立件する以上、緒方容疑者に総連を騙す意思があったかどうかが争
点となる。
したがって「35億円ファンド」の真実性がポイントで、その有力出資者で
ある森氏の資力と意思が問題なのだ。
森氏に出資する能力がなかったことは、弊誌の取材でも、マスコミ各社の取
材でも裏付けられた。
だが、その森氏が「出資するなんて一言も言っていない」「緒方氏と会った
のは1時間ではなく10分」などと語っているのを、そのまま信用していいも
のだろうか。
森氏は、緒方容疑者、満井忠男容疑者とともに逮捕された河江浩司容疑者
(42歳)の“仲間”である。
河江容疑者は、婦人下着メーカーのオーナー夫人から15億円の資金を預か
り運用に失敗、返済を迫られて火の車だった。
したがって、河江容疑者が「総連ビル35億円買収」のスキームを組み、フ
ァンドを組成したのは、緒方、満井両容疑者への協力を通じて「六本木TSK
ビル」の再開発に絡み、過去の負債を一掃する狙いがあったからだ。
河江容疑者は、やはりTSKビルを手がける不動産会社経営のO氏のもとに
いて緒方容疑者らの知己を得る。
だから、ファンドの当初の所在地は東京・八重洲のO氏の本社所在地にあっ
たし、O氏周辺は、「ファンドはTSKビルがうまくいった時の河江の受け皿」
として設立されたと明言する。
となると、河江容疑者もその仲間の森氏も、緒方、満井の両容疑者も、売買
の本命は総連ビルではなく、「まとまれば、外資から700億円を下らないカ
ネが出てくる」(不動産業者)というTSKビルだったことになり、その事前
の工作資金として総連ビルを利用しようとした可能性が高い。
それを「詐欺」とするのは、検察の見立てである。見立てというより、米国
の意向を気にする官邸への遠慮から、朝鮮総連責任副議長の許宗萬逮捕を避け
るという前提があり、それに沿って詐欺事件を組み立てたことを知らない人は
あるまい。
「詐欺」は、仕掛ける人間の意思と能力が問われる。たとえ勝手な言い分だ
としても、「時間がたてば35億円は入る」と、TSKビルの地上げ完了を目
前に緒方容疑者らが考えていたとしたら、詐欺罪にまで持って行くには無理が
あろう。
そして“仲間”であったはずの森氏は、検察のシナリオを認め、その証人に
ならなければわが身が危ない。共犯にされてしまう可能性だってある。
だから、特捜部の参考人聴取はもちろん、マスコミの取材に応じた森氏が、
「ファンドにカネを入れるつもりはなかった」というのは当然だろう。
問題は、それを報じるマスコミ側の態度ではあるまいか。
国策捜査を否定はできない。限られた人数で権力を監視する検察が、象徴的
な人物や事案を摘発、一罰百戒とする「秩序の論理」は否定できない。
ただ、それが当を得たものであり、国策にふさわしいかどうかの検証はマス
コミの役割である。
「特捜部が詐欺と決めたから詐欺」では、何のための報道か、誰に向かって
の報道かがわからない。
ところがマスコミの中には、検察に向けて発信、事実を伝えるという使命を
忘れたような社が少なくない。
呆れたのは『NHK』。ニュース番組の中で、「カネを入れるつもりはなか
った」という森氏の言葉を、そのまま流した。
詐欺罪を印象づける言葉であり、検察の意向には沿うだろうが、森氏の置か
れた立場への論及がなければ、真実を伝えたことにはならない。
公安調査庁の現役の幹部が、緒方容疑者に紹介したという一面トップの記事
を書いた『毎日新聞』は、「誤報」を指摘されるその記事が原因なのか、容疑
者らを詐欺罪におとしめるのに必死の印象。
7月12日付け社会面トップの見出しは、「元長官ウソだらけ」というもの
であった。
森氏の言葉を紹介するのはいい。緒方容疑者のウソを指摘するのもいい。だ
が、その背後にふれることなく情報を流したのでは、報道の名に値しない。
検察が主導するこの事件が、TSKビルそのものへ発展する可能性もある。
福岡県警は、暴力団幹部の浪川政浩容疑者を恐喝で逮捕した。
同容疑者は、TSKビル管理組合顧問の朝堂院大覚氏と親しい。したがって
「恐喝逮捕」は別件で、TSKビルに伸ばし、場合によっては緒方、満井両容
疑者の罪にまで広げ、彼らをさらにおとしめて、「罪人」であることを印象づ
ける狙いがあるのかもしれない。
オールマイティーの捜査権力を持つ検察は恐い。その権力を制御するために
も、検証報道は必要だ。
国民が望んでいるのは、「大本営発表」ではない。
◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が
お取次ぎします。お申し出あれば、見本誌を無料でお送りいたします。
【お知らせ】
◆第10回社内広報サロンのご案内
■今回のテーマ 「グループ広報を考える」
連結主体のグループ経営の時代、グループの全体最適とグループ価値
の最大化のために、グループ会社内の広報も、その重要性を増してき
ています。グループ会社の紹介コーナーだけでその目的が達成される
のでしょうか?
今回は、グループ広報について、皆さんとお話したいと思います。
◇日 時 2007年8月24日 金曜日 18時30分〜21時
◇場 所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5階
http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html
◇18:20 開場
◇18:30 挨拶
◇18:35〜20:00 グループディスカッション
◇20:00〜21:00 ミニ交流会 (軽食を取りながら)
■詳細とお申し込みは
http://www.commu-suppo.net/salon/20070824salon.pdf
注、4/1、事務所移転しました
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株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
取締役 社内広報事業
ナナ総合コミュニケーション研究所 所長
豊田 健一
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
新宿加藤ビルディング5F
Tel : 03-5312-7471
Fax : 03-5312-7475
E-mail : toyoda@nana-cc.com
URL : http://www.nana-cc.com
URL : http://www.commu-suppo.net
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週刊メールジャーナル 2007年7月25日 第392号(水曜日発行)
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編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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