■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2007/8/29 No.397 週刊メールジャーナル 読者数10852人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●沖縄利権を狙われる久間前防衛相とクビを切られた守屋天皇との関係 (会員制経済情報誌『現代産業情報』8月15日号より転載) 「人事については相談することになっていたはずだ。これでは話が違う!」 小池百合子防衛相に対し、守屋武昌事務次官は大臣室でこう激しく詰め寄っ たという。 無理もない。在任期間が4年を過ぎ、異例の長期政権となって「守屋天皇」 と省内で呼ばれるほどの実力者となった守屋氏に対し、小池大臣は、事前の根 回しなどまったくせずに、8月7日、記者団に対して「守屋次官は9月の防衛 施設庁の防衛省への統合に合わせて勇退」と、トップ人事を漏らし、「後任に は警察庁出身の西川徹矢官房長を起用する」と、語ったのである。 中央省庁人事が大臣のひと言で決まるはずはなく、事前にまったく知らされ ていなかった塩崎恭久官房長官は、「最後に決めるのは、正副官房長官会議だ !」と、記者団に不快感を隠さず、自民党の山崎拓安全保障調査会長も、 「(訪米前に)小池大臣が記者団にリークする形で発表していたが、閣議にか かったわけではなく首相の了承も得られていない」と、批判した。 確かに“腰掛け”の大臣が中央省庁人事にクビを突っ込むのはタブーで、 「初の女性防衛相」と、マスコミにちやほやされて舞い上がった小池防衛相が、 そう発言したとしても、思い通りに行くとは思えない。 ただ、小池防衛相も過去に環境相などを歴任、議員歴も長く、今回の「根回 しなき発表」が、守屋次官のプライドを傷つけ、防衛省官僚の反発を買うこと になることは承知だったはず。なぜ「新聞辞令」を出したのか。 「そこには小池ではなく、久間(章生前防衛相)と守屋の確執があった」と、 解説するのは防衛相関係者である。 「久間大臣に利権的な活動が目立つので、守屋次官はあまり面白くなかった。 政治家のそういう行動を嫌う『原則の人』ですからね。ただ、決定的に悪くな ったのは、久間大臣が普天間飛行場の名護市キャンプシュワブ沿岸部への移転 で、仲井眞弘多県知事らの修正案に乗ってしまったこと。久間大臣がゼネコン や地元土建業者の代弁者になっていることは明白で、滑走路二本をV字型に設 置する政府案を、防衛相自らが修正するかのような発言を繰り返していること に、守屋次官は本気で怒っている」 キャンプシュワブ沖への移転と、それがV字型滑走路になることは、日米政 府が地元との調整を進めながら長い時間をかけて合意したことだった。 それでも地元は、「あまりカネの落ちないV字型より、数百メートルの範囲 で沖合いに移転させる修正案の方がいい」というのが本音である。 粘りに粘り、最後には「基地の犠牲となった島」という“切り札”で譲歩を 引き出す沖縄流を、今回も貫こうとしている。 本来、防衛相なら地元なら地元の説得に努めるはず。ところが、沖縄の基地 絡みの工事で過去にゼネコンや地元土建業者と「貸借関係」をつくってきた久 間前防衛相としては、彼らの声を無視できない。 それに仲井県知事や島袋吉和名護市長が「修正案」を呑むよう求めていると いう“名分”もある。 もちろん、米国防総省も守屋次官も、久間大臣の「修正案」へのこだわりが、 何に起因しているかを承知しているだけに、「国防と利権を秤にかけるのか」 と、反発を強めていた。 「原爆失言」で退任したものの、本当のところは、「久間の体質」が米国に 嫌われ、それを安倍首相が守ってやらなかったということである。 安倍首相が後任を「側近」の小池百合子氏にしたのは、「路線の修正」とい う意味では理解できるものの、その小池大臣が「来年3月までは自分がやる」 と、意欲を持っていた守屋次官にクビを宣告したのはなぜなのか。 守屋次官は小泉前首相の大物秘書である飯島勲氏とは気脈を通じ、安倍首相 とも仲がいい。 従がって次官退任は、官邸の意向ではなく、小池大臣の独断で、理由は「そ れが唯一の久間の申し送り事項だった」(別の防衛相関係者)というのである。 「久間としては、『天敵』だった守屋を次官のままにしておきたくなかった。 だから道連れにした。小池は、『守屋は4年で長過ぎるし、防衛相のためにな らない』と言われて、そんな気になったのだろう。 後任の西川と個人的に仲がいいのも、守屋切りに踏み切った理由だ」(同) 大臣と次官――二人の確執は相当なものだったようだが、無役になったとし ても、紛争の芽は残っている。 東京地検特捜部が、次の大型疑獄に防衛省ルートを想定、既に内偵捜査に入 っているという。 防衛商社の山田洋行絡みのスキャンダルが勃発、特捜部としては端緒を開き 易いという思惑もある。 ということで、実力派の大臣と次官の争いは、第二幕を開ける可能性があり、 その時には相当大きな事件となっていくことは間違いなさそうである。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申し出あれば、見本誌を無料でお送りいたします。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2007年8月29日 第397号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |