■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  2007/10/24  No.405   週刊メールジャーナル  読者数10998人(前回)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●新聞読者を騙す「日経」「朝日」「読売」販売提携の“御為ごかし”
(会員制経済情報誌『現代産業情報』10月15日号より転載)

 荘氏曰く――天を以って属する者は、窮禍患害に迫られ相収む。

 バブル崩壊後の金融、通信自由化を発火点とした、いわゆる各界の「再編」
は、あらゆる業界に及び、わずか10年前と同じ暖簾を顧客に提示している企
業が少なくなっているのではと錯覚させるほど、その規模と速度は目覚しい。

 再編の軸は、言うまでもなく「利益確保」である。この場合に言う「利益」
は、一般感覚で言うところの「損得勘定」といった個人的な物差しによるもの
とは異なる。

 「受益者の利益を確固とするための企業基盤」と言い換えてもいい。再編は
そのための企業淘汰であり、弱肉強食の原理が働く理の世界である。

 良きものは残り、悪しきものは消えるというシンプルな原理の中で、あらゆ
る企業は「わが商品を社会に残すために」という自意識を剥き出しにして、切
磋琢磨と離合集散を繰り返す。

 ここで展開される弱肉強食の図は、結局は消費者の利益につながり、ゆえに
剥き出しの自意識は批判の対象にはなりえない。

 ここでいう「利益」とは、冒頭の荘氏が言う「天」なのである。

 ところが、最も遅れてやってきたマスメディアの恐竜ともいうべき新聞社の
離合集散は色合いが違う。

 日本の新聞界を代表する『日経』『朝日』『読売』三紙のネット事業・販売
提携は、どこから見ても販売統合によって『毎日』『産経』、地方紙を排除す
る結果を生むものでありながら、三紙のトップは「他紙を排除するものではな
い。お互いが手を取りあって新聞の地位を確保するため」と説明した。

 が、他業種はもちろん、当の新聞業界でさえも「卑怯な言い草」と断じるの
だ。業界関係者が指摘する。

 「『新聞の地位を確保するため』という言葉を翻訳すれば、『日経、朝日、
読売の地位を確保すいるため』としか聞こえない。現に、朝日と読売が販売提
携のモデル地区としている鹿児島で、両社は地元の南日本新聞と何の折衝もし
ていない。

 両社がここで提携すれば、南日本を圧迫することは目に見えている。もし彼
らが言う『さまざまな言論を残すため』というのが本当であれば、彼らは南日
本や西日本新聞、毎日新聞にも販売網を開放すべき。

 それができないなら、彼らは『言論のために』などという資格はない。正直
に『三社のために』というべきなのだ」

 先述した通り、本稿は企業が剥き出しにする「自社意識」を否定の対象とは
認識していない。

 だが、『日経』『朝日』『読売』三紙が批判されるべきは、そうした「自社
意識」を隠し、「日本のあらゆる新聞のため」などという、御為ごかしを社会
に喧伝している虚偽性にある。

 これほど新聞の受益者である、あらゆる新聞購読層を馬鹿にした言はない。

 電機製品となどと異なり、“社会の公器たる新聞”としては、「自社意識」
を剥き出すのに憚りを感じているのかもしれない。

 しかし三紙トップが新聞を“社会の公器”と認識し、生命線たる販売網を維
持して新聞全体の地位を他のメディアから守ろうとするならば、先の業界関係
者の言の通り、各紙の全国販売網をオープンにすることを業界の中で主導すべ
きであった。

 専売店が各紙を扱う合同販売店となれば、新聞の病理である押し紙問題も雲
散霧消しよう。

 が、その形跡はまったく認められないどころか、三紙のうちある社の関係者
は「まず『ダイヤモンド』にリークし、次いでNHKに報じさせたことは、突
然の発表で市場寡占化という批判を招くのを防ぐ方策だった」と明かすのだ。

 販売提携を決めた三紙から見透かされるのは、『日経』『朝日』『読売』以
外の新聞はいらないという、新聞人にあるまじき傲岸さと、それをひた隠しに
して美名で推し進めようとする姑息さである。

 そこには、本来的な弱肉強食の凛としたすがすがしさがない。冒頭の荘氏の
言葉を借りるなら、三紙には次が似合いであろう。

 ――利を以って合する者は、窮禍患害に迫られて相棄す。

◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が
お取次ぎします。お申し出あれば見本誌を無料でお送りいたします。


【お知らせ】
 
■企画のヒントはここにあり?■

 日本で唯一! 社内誌の企画事例集
 『社内誌企画ベスト・セレクション2007』発売中!

 「第6回全国社内誌企画コンペティション」でゴールド企画賞を受賞した優
秀作品が、一冊になりました。経営、コミュニケーション、表紙の各部門の受
賞企画を全ページ掲載。また、社外広報誌受賞作品も掲載。審査講評もあり、
充実した内容の200ページで販売中です。

 詳細とお申込はこちら
 http://www.commu-suppo.net/selection.html
 

 注、4/1、事務所移転しました
---------------------------------------
 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail :toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
---------------------------------------
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 週刊メールジャーナル 2007年10月24日 第405号(水曜日発行)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
ホームhttp://www.mail-journal.com/
メールadmin@mail-journal.com
転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■