■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2007/11/7 No.407 週刊メールジャーナル 読者数11029人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■社内コミュニケーションと社内広報・その15■ ◆「CSRと社内広報 2」◆ 【この論文は「ナナ総合コミュニケーション研究所」が運営するウェブサイト 「コミサポ・ネット」にアップされた会員向けコラム「社内広報を考える」 から転載したものです】 http://www.commu-suppo.net/net.html 前号で「CSRとは何か」の導入として、「社会的責任」(SR)を問われ るのは「会社」(C)であって「企業」ではない、と書いたところ、「会社と 企業はどう違うのか?」という質問を多くの読者からいただいた。 もっともな質問であるが、それは、ヒトとモノで構成される資本主義社会の 基本原理を理解すれば、おのずと明らかになることといえる。 つまり、企業には個人経営の八百屋(ヒト)も入るが、会社はヒトではなく、 ヒトが所有することのできるモノ、ということである。 このことを、きわめて分かりやすく説いた著書がある。前号で紹介した「会 社はだれのものか」(岩井克人著『平凡社』05年6月刊1400円)である。 内容を引用すると長くなるので、会社の広報・社内コミュニケーションに関 心のある方は、ぜひ一読して欲しい。 こんにち、「CSR」に関する議論が混乱している原因は、マスメディアが 「CSR」を「企業の社会的責任」と翻訳・注記したことにあると、筆者・岩 井氏は言っている。 その前に、「会社とは何か」を理解する必要があるが、社会に対して会社経 営の責任を負っているのは経営者である。 その経営者がCSRをコントロールするマネジメントが「コーポレート・ガ バナンス」である。 したがって本来、コーポレート・ガバナンスは「会社統治」と翻訳・注記す べきところ「企業統治」としてしまったために、CSRが「企業の社会的責任」 になってしまったと、岩井氏は解説している。 そのCSRだが、個人企業の八百屋や魚屋であっても、顧客から信頼される 社会的な存在であろうとするからには、相応の社会的義務を果たす必要はある であろう。 しかし、ヒト個人がやろうとすることには、個人の自由が認められるが、法 人である会社に認められる自由には制約が伴う。 しかし、わが国でCSRが問われるようになった経緯を見れば分かるように、 近時(といってもすでに10年以上になるが)、法人企業である会社経営をめ ぐる不祥事や事故が多発、あるいは、ステークホルダー(ヒト)を無視するよ うな会社経営も目立つようになってきたことから、経営のあり方をただす意味 合いとしてCSRが強調されだした嫌いがある。 しかしながら、CSRとは本来、資本主義の中核を構成する会社とその経営 者が、社会的存在として最低限守らなければならない義務、倫理観を言い表す 抽象的概念であり、その意味では、利益追求の仕方、その分配方法、環境保全、 社会的貢献なども含めた、幅広い経営行動を律する観念である。 ではなぜ、そうした観念が必要かといえば、「自然人」(ヒト)に擬せられ る「法人」(モノ)は、「ヒト社会」に対して、「何らかのプラスの価値」を 持つべきという、ヒト社会の倫理に適合することを最低条件として法人の存在 を認める法律をヒト社会が作っているからだといえる。 したがって、CSRを無視し、ある意味、資本主義社会で認められている (というよりもそれによって守られている)「利己的な自由」を最大限活用し て、利益の極大化を図る会社があれば、そして、そのような会社が圧倒的に多 ければ、CSRを果たそうとする会社は、結果的に自由社会から駆逐されてし まうことにもなりうる。 つまり、ヒト社会が、個人の自由を最大限認容することで成り立つ資本主義 という社会の規範(契約)を守ろうとするならば、その社会の成熟度に合わせ て、「会社の存在価値」を認容する基準を、時代とともに変化する「自然人の 倫理観念」に合わせてレベルアップさせながら、「法人(法律上はヒトであっ ても根源的にはモノ)の社会的存在価値」を高めていく必要があるのである。 少し難しいハナシを書いてしまったかもしれないが、分かりやすくいえば、 こんにち、わが国の会社経営が、急速なグローバル化の過程で、競争原理に巻 き込まれている状況のもとでは、CSRを具現していくことには、大変な勇気 がいるということだ。 それゆえ、経営者がCSRに立脚して会社を統治する上では、株主はもとよ り従業員を含めたすべてのステークホルダーと会社経営の価値観を共有しなけ ればならないということだろう。 ことに、労働と報酬、生活や人生などの価値観が多様化している従業員(ヒ ト)と会社(モノ)との契約によって成り立っている関係を、いかに「内部統 制」していくかを真剣に考えていく必要があるということだろう。 会社と社会、会社と従業員の関係を、カネ(岩井氏がいう「ポスト産業資本 主義」における「カネ=金融」の力)だけでなく、倫理規範によって統制する ためには、これまでの日本的産業構造の価値観では統制しきれない可能性が生 じてきている。 ここに、社内コミュニケーションのマネジメントが、これまでになく重みを 増している理由がある。(以下次号) 【お知らせ】 ■第12回社内広報サロンのご案内■ ◆今回のテーマ 「社内報のリニューアルを考える」◆ 多くの企業がこの時期、来年4月に向けた社内報のリニューアルを考えます。 デザインの変更、台割の変更など、リニューアルの仕方もさまざまです。 しかし、見せ方の変更だけでいいのでしょうか? もう一度、根本に立ち返 って、社内広報の目的も見直してはいかがでしょうか? ◇日 時 2007年12月7日 金曜日 18時30分〜21時 ◇場 所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5階 http://www.nana-cc.com/kaisya_gaiyou/access.html ◇18:20 開場 ◇18:30 挨拶 ◇18:35〜20:00 グループディスカッション ◇20:00〜21:00 ミニ交流会 (軽食を取りながら) ◆詳細とお申し込みは◆ http://www.commu-suppo.net/salon/20071207salon.pdf ■企画のヒントはここにあり?■ ◆日本で唯一! 社内誌の企画事例集◆ 『社内誌企画ベスト・セレクション2007』 発売中! 「第6回全国社内誌企画コンペティション」でゴールド企画賞を受賞した優 秀作品が、一冊になりました。経営、コミュニケーション、表紙の各部門の受 賞企画を全ページ掲載。また、社外広報誌受賞作品も掲載。審査講評もあり、 充実した内容の200ページで販売中です。 ◆詳細とお申し込みは◆ http://www.commu-suppo.net/selection.html 注、4/1、事務所移転しました --------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net --------------------------------------- ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2007年11月7日 第407号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |