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  2007/12/12  No.412   週刊メールジャーナル  読者数11096人(前回)
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【新刊本のご紹介】

◆本誌がはじめて読者に皆さまにお奨めする書籍!好評発売中です◆

◆「新聞記者のミニ法話」◆(新風書房刊・1575円・税込)

 「よくぞ、これだけ“坊さん”を追いかけたものだ。やさしく深く説かれた
 法話だ」と、鎌倉・円覚寺、京都・清水寺の管長も絶賛!
 元産経新聞の編集委員・藤井元秀氏が17年間かけて取材、高僧の話のエッ
 センスをまとめた。
 人生の教訓がやさしく紹介されており、“座右の書”として活用できる。
 登場する名刹には、円覚寺、清水寺のほか、東から成田山新勝寺、護国寺、
 高幡不動尊、身延山久遠寺、永平寺、知恩院、比叡山延暦寺、高野山金剛峰
 寺、東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺、四天王寺など、神社では、石清水八
 幡宮、熊野那智大社などがある。
 
 なお、同書所載の写真の多くは、本誌編集発行人・川崎明が撮影したもので
 す。あわせてご高覧いただければ幸いです。

◆ 詳細とお申し込みは◆
  
  株式会社新風書房
 〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町5-17 TEL 06-6768-4600
 〒160-0004 東京都新宿区四谷2丁目11-2  TEL 03-3359-3221
  URL : http://www.shimpu.co.jp
  MAIL : info@shimpu.co.jp


■社内コミュニケーションと社内広報・その16■
 ◆「CSRと社内広報 3」◆

【 この論文は「ナナ総合コミュニケーション研究所」が運営する
   ウェブサイト「コミサポ・ネット」にアップされた会員向けコラム
   「社内広報を考える」 から転載したものです 】
  http://www.commu-suppo.net/net.html


 前回と前々回、「CSRとは何か?」を考えるためには、「会社とは何か?」
を考えなければならないと書いたのだが、その理由は、近ごろのCSR論の中
に「CSRは会社の利益に貢献する」かのような、誤った説明が際立っている
ことに危惧を感じたからである。

 たとえば、環境に配慮している会社や芸術を支援している会社は、地球に優
しい会社あるいは文化の香りの高い会社として、客のあいだでよいイメージを
もたれるようになり、その会社の製品をよく買ってくれるくれるようになるだ
ろうという、つまり、ブランド戦略としてのCSRが幅を利かせていること。

 また、どのような会社でも、一時的な利益のために、あるいは一時的な損失
を避けるために、違法行為をしたくなる誘惑に駆られることがある。しかし、
もしその誘惑に負けて、違法行為をしてしまったとき、万一それが内部告発な
どで暴かれてしまうと、マスメディアで大々的に報道され、社会的信用をあっ
というまに失ってしまうことになる。

 それは結局は、会社の利益を悪化させてしまい、最悪の場合は、会社そのも
のが倒産に追い込まれてしまうかもしれない。

 ここ数年、このような会社不祥事が、次々と発生し、大幅な業績の悪化を引
き起こしている。したがって、法令遵守(コンプライアンス)は、会社の長期
的な利益を確保するために、有効な戦略だ、とも説いている。

 しかしながら、もしこれがCSRの意味であるとしたら、会社の社会的責任
という言葉は全く無内容な言葉である。なぜならば、それは、会社に長期的な
利益を最大化せよといっているに過ぎないからだ。

 もし環境への配慮や芸術活動の支援や法令の遵守が、会社の長期的利益を高
めるのであれば、ミルトン・フリードマン(シカゴ学派の最大の実力者で株主
主権論者、会社は利益を最大化することにのみ存在価値があるとする)も大喜
びで、経営者にそうするよう勧めるはずだ。

 このCSRという言葉が、たんなる長期的利益を最大化するための経営戦略
という意味以上の意味を持つかどうか――それをきちんと論ずるためには、も
う一度、その言葉が、CORPORATE SOCIAL RESPONSI
BILITYという英語の頭文字であることを思い出す必要がある。

 それは文字通り、「会社(CORPORATION)」の社会的責任のこと
であって、「企業」の社会的責任のことではない。

 法人企業としての会社とたんなる企業との区別が、本質的な意味を持つこと
になる。

 法人企業としての会社は、生まれながらのヒトではなく、たんなるモノに過
ぎないが、法律の上とはいえ、社会によってヒトとしてあつかわれている。で
は、社会はなぜ法人をヒトとして承認しているのであろうか?

 それは、法人が社会にとって何らかのプラスの価値を持っているからである。
逆に、それが社会にとって何の価値も持たなかったり、またはマイナスの価値
しか持たなかったりするならば、ヒトとしてあつかわれる必要はない。

 たんなる石ころを、だれも法人にしようとは思わないだろう。法人の場合、
その存在意義は、それが何らかの社会的な価値をもっていることにしかないの
である。法人とは、本来的に社会的存在である。

 問題はその社会的価値の内容である。

 さて、ここまでは、前回、前々回と二度にわたって紹介した、「会社はだれ
のものか」(岩井克人著『平凡社』05年6月刊)という著書の内容の完全な
“受け売り”である。

 実は、転載の許可をとっていないので、本当は著作権を侵していることにな
るだろう。

 しかし私は、「会社法や会社」についての学問的知識がないので、著者・岩
井克人氏(東京大学経済学部教授)の意見に全く賛同しているのだが、自分の
言葉で、うまく噛み砕いて説明することができないのでお許し願いたい。

 したがって、ここまでのほとんどは、著作から丸引きさせていただいたのだ
が、今、社内広報担当者で、自分の勤めている会社のやっている(と称してい
る)CSR、あるいは、経営トップが標榜しているCSRは、それでよいのだ
ろうか、と思ったヒトは、ぜひとも、この本を購読してもらいたい。

 そうすれば、これまで、あなた方が経営トップの意を受けて、あるいは広報
業務として、社内報や社内誌で書いてきたCSRというのは、少なからず、そ
の本質からそれた解説であったことに気がつくのではないだろうか。

 もう少し続けよう。いうまでもなく、法人が生み出す社会的な価値の最も単
純な例は、企業活動によって生み出される経済上の利益だ。

 利益とは、収入から費用を引いたものだ。費用とは、その企業が市場を通し
て、モノやヒトといった資源を社会からどれだけ取り去ったかを示している。

 収入とは、市場を通して、モノやヒトといった資源を社会にどれだけ与えた
かを示している。

 したがって、利益が上がっていれば、その企業は社会に価値を付け加えたこ
とになる。

 じつは、ミルトン・フリードマン流の考え方というのは、会社の社会的な存
在意義を、基本的には、このような経済的な利益の有無に限定してしまおうと
いうものである。

 そして、じっさい、もし株主主権主義が正しければ、会社とは株主の道具に
すぎないことになり、株主となった個人に利益を与えるかどうかが、その唯一
の存在意義になってしまう。

 だが、株主主権論は、法理論上の誤りである。

 なぜなら、法人は、社会にとって価値を持つからこそ、社会によってヒトと
して認められているという、法人制度の原点に立って、考えてみる必要がある。

 そうすれば、法人企業としての会社の存在意義は、利益の最大化に限定する
必要などないことが分かる。

 社会的な価値とは、社会にとっての価値である。それは、まさに社会が決め
ていく価値である。

 そして、ここに、真の意味でのCSRの出発点を見いだすことができるはず
である。

 すなわち、たんなる長期的利益最大化の方便には還元しえない社会的な責任
という意味でのCSRである。

 いま、あたかも流行語のような感のあるCSRだが、これを標榜しないと、
会社として利益があがらない、とでもいうような空気が広がっているが、それ
はまずい。

 また、利益を上げている以上、その利益を社会に還元することが必要だ、そ
れがCSRだ。というような理屈も罷り通っているようだが、それも間違いで
ある。

 我われが生きている社会を「市民社会」とすれば、その市民社会が、法人と
して活動している会社に対して、同じ市民社会で生きていくヒトであることを
承認するための存在理由として、たんなる利益の追求を超えた何か、法的な義
務を超えた何か、を要求しているのである。

 その要求は、市民社会の成熟度に応じて変化していくものであり、社会的責
任の範囲も拡大していくことになる。

 あなたの所属する会社に、社会的な存在価値があるかどうかは、取りも直さ
ず、あなた自身が、この会社の社内広報担当者として、勤務し続けることによ
って、その価値を、すべてのステークホルダーに説明できるかどうかにかかっ
ているといってもいい。

 そして、あなたの会社は、たんに経済的な存在価値を追求するだけでなく、
創業以来、社会に提供し続けてきた製品やサービスが、あるいは、市民社会の
求めに応えてリストラした事業が、いかなる社会的な意義をもたらしているの
だろうか。

 こうした視点の社内広報ができてこそ、はじめて、あなたの会社のCSRを
論じたり、評価したりすることが可能になるといっていい。

 さて、今回のシリーズは、「CSRと社内広報」の関係を、分かりよく解説
しようとして書きはじめたのだが、ここで一旦終了させていただく。

 じつは、来年1月から、この「コミサポネット」に掲載するエッセイを、日
経新聞系のWEBに転載させていただくことになったために、いささか無理な
締めくくりをさせていただくことをお許しいただきたい。

 しかし、その内容は、今回まで2年余り、書き続けてきた「社内広報を考え
る」総集編のような内容になると思っている。

 したがってそのなかで、もう一度、CSRと社内広報の関係についても、触
れなくてはならないだろう。

 今回、いささか無理な終わり方をすることは、筆者としても心残りだが、何
よりも、読者の皆さんに申し訳なく、心からお詫びします。


【お知らせ】

■第1回大阪社内広報サロンのご案内■

 ◆2008年1月23日(水)◆
 いよいよ関西地区での社内広報サロンが開催されます。
 今回のテーマは「社内報の企画の立て方、見つけ方」。

 ◆詳細とお申し込みは◆
 http://www.commu-suppo.net/salon/20080123salon.pdf


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注、4/1、事務所移転しました
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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail :toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
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 週刊メールジャーナル 2007年12月12日 第412号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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