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  2007/12/19  No.413   週刊メールジャーナル  読者数11117人(前回)
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【お断り】
本年はご購読をいただきありがとうございました。貴重な情報をお寄せくださ
った読者の皆さまに厚くお礼申し上げます。本誌12月26日号ならびに1月
2日号は休刊とさせていただきます。来年もまたご支援ご鞭撻をお願い申し上
げます。

●「日経」「朝日」「読売」提携が支持されない理由とは?
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月1日号より転載)

 『朝日新聞』『読売新聞』『日経新聞』という新聞業界を代表する三社が
『ANY』なる提携を発表してから1カ月。さまざまな分析がなされているが、
その提携への評価は悪化する一方のようだ。

 最大の理由は、三社が再販制度見直し論議のたびなどに「新聞は公器」と
「公」を強く訴えて既得権益を守ってきながら、いざ経営が危うくなるや、新
聞の生命線であるはずの「政権すなわち権力へのスタンス」の違いなどはお構
いなしに販売協力するという「私」を剥き出しにした節操の無さを業界内外か
ら見透かされているためである。

 既に三社が提携の口実にあげた「インターネット事業の共同開発」は方便と
見破られている。

 本音は販売協力によって「紙」を守り、提携から外した『毎日』『産経』販
売店から日経新聞を引き上げることによって二紙の経営を追い詰め、そのシェ
アを奪って生き永らえようとしようというところにあるのは間違いない。

 三社トップが提携発表の会見の際に述べた「日本の新聞の未来のため」とい
う信念が本気であるとすれば、そもそも勝ち組三社による提携という発想は沸
かなかったはずである。

 朝日と読売が「鍋や釜」によって全国に増殖させてきた販売店を業界のため
に開放し、地方紙の販売店とバーターして販売機能を強化するのが道理であろ
う。

 両紙は阪神大震災の際に、被災地で「『神戸新聞』は潰れた」とデマを流し
てそのシェアを奪ったという火事場泥棒の過去がある。

 そうした品の無い拡張が、読者の新聞離れをどれだけ加速させたか、朝日と
読売の経営陣はよく考えたほうがいい。

 新聞社といえども私企業であり、その本質は利益追求にある。だが、その特
殊性は国民生活や国家運営に直結する「情報」を扱っているということ(これ
が公共性である)、それが健全な民主主義の発展に不可欠という歴史の証明に
よるコンセンサスから、国民は新聞社という企業を「利益追求が目的」という
目では見てこなかった。その利益幅はあくまで適正範囲にとどまるのがあるべ
き姿であろう。

 言論の一角を占める弊誌は、メディアのあるべき姿は「多様性」が重要だと
考える。新聞も然り。

 保守にもさまざまな立場があり、リベラルも同様。地域性もある。多様性を
背景に、さまざまな新聞が存在することが国民のためと考える。

 しかし「自分だけが残ればいい」という「ANY構想」は、多様性の受容と
は真っ向から対立する行為だ。

 日本を代表する三紙が新聞を殺す行為に走ることに、業界外も強い違和感を
覚えている。

 「ANY」が評価されない理由はここにある。

 ただ、新聞業界には三紙に付け込まれる隙があった。地方紙は『共同通信』
に配信を任せ、どこも似たり寄ったりの誌面を垂れ流し、ネットという産業革
命に鈍感すぎた。

 遅まきながら、「ANY」のターゲットとなった『毎日』と『産経』はネッ
トの大波に入ろうとしている。

 特にマイクロソフトと組んだ産経は、ニュースサイトを一新し、日本の新聞
社として初めて「出し惜しみしない」サイトを構築し、秋田連続男児殺害事件
の公判の様子をライブで画面上に中継するなどかつてない試みを行って高評価
を得ている。

 ネットにおける新聞の在り方を初めて真剣に取り組んだ結果といえ、ネット
に絡む関係企業の注目が集まる。

 紙の少ない産経だからこその機動力だろうが、こうした真摯な必死さこそが
支持を獲得する。

 生き残りを図るにしても、「ANY」とは根本的に発想が違うのだ。

 関係者によると、朝日の中には「読売に食われるのではないか」という不信
感が芽生えているという。

 他力本願の生き残り策ゆえの不安であり、相互不信が増幅してゆくことが予
測される。

 内側からばかりでない。「公の存在」であることを声高に叫んできた新聞が
「私」を剥き出しにした結果、読者がどう反応するか。

 企業不祥事の度に三紙が書いてきた「消費者不在の内向き経営」の批判に、
三紙自身がさらされることになるのだ。

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 週刊メールジャーナル 2007年12月19日 第413号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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