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  2008/1/9  No.414   週刊メールジャーナル  読者数11117人(前回)
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●小笹芳夫氏の「会社の品格」(幻冬舎新書)が訴える社員の自覚
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月15日号より転載)

 社員のヤル気、「モチベーション」に着目した経営コンサルティング会社の
リンクアンドモチベーションが、12月17日、東証2部に上場した。

 「モチベーションを高めるコンサルタントというビジネスモデルは、おそら
くない」

 上場にあたっての挨拶で、小笹芳夫社長は「世界で初めて」をアピールする
とともに、その目的をこう述べている。

 「モチベーションは多くの人が重要と認識しつつも、その状態や効果が目に
見えないために、コンサルティングの対象として取り上げられることはありま
せんでした。

 当社は、モチベーションを可視化することをに成功し、その状態に応じて最
適な施策を提供するモチベーションエンジニアリングを確立しました」

 確かに、モチベーションは目に見えない。それを利用、誘導して「組織戦略」
「採用戦略」「プレイス戦略」に役立たせるといっても、プレゼンテーション
でも受けなければ、ピンとこないのが本当のことだろう。

 ただ、2000年に設立されたリンクアンドモチベーションは、06年12
月期で売上高52億9800万円、経常利益8億1800万円を達成した。

 この実績が、「成果」を物語っており、上場初日、公開価格は10万円だっ
たが、人気が高く20万円買い気配で終え、初値はつかなかった。

 意気揚々と船出したリンクアンドモチベーションを率いる小笹氏が、今年9
月末に上梓したのが『会社の品格』(幻冬舎新書)である。

 上場に合わせたタイミングから、「PR本」と見られても仕方ない側面はあ
るものの、小笹氏の提言は傾聴に値する。

 実際、大手書店の新書ランキングで、上位に入るほど売れている。『国家の
品格』『女性の品格』に続き、会社に「品格」を求めたタイトルの妙と、幻冬
舎らしい売出しのうまさはあるものの、やはり中身がなければ人気化するわけ
がはないので、行き過ぎた競争の果ての犯罪や偽装工作に、うんざりとしてい
る中堅サラリーマン層に受けたのだろう。

 小笹氏は本書のテーマを簡潔にこう書く。

 「社員が会社を監視、監督できるようなパラダイムに変えていくことができ
ないだろうか。社員の視点から、『会社の品格』を高めていくことはできない
だろうか」

 小笹氏が嘆くのは、当事者意識の欠如。

 人のせいにするのではなく、誰もが当事者意識と自己責任意識を持ち、日々
を生きることが必要だと説き、その際、「会社であれば、一人ひとりが『会社
の品格』に責任を持つ。一人ひとりの品格が、最終的には『会社の品格』を生
む」のだという。

 相当にハイレベルな要請を社員にしている印象だが、小笹氏は観念を語って
いるわけではなく、訴えは実際に則している。

 「会社は不祥事を起こしやすい宿命を負っている」という見出しで始まる文
章では、最近の数々の企業犯罪を挙げたうえで、次のように冷静に判断する。

 「会社には経済合理性を追い求めるという『性質』がある以上、場合によっ
ては法を少し超えてしまうようなところまで進んでしまう」

 それを経営陣の責任にするのは簡単だが、社員に罪はないか。小笹氏は、そ
こを問題にする。

 個人としておかしいと感じても、やがてそれを表明できない空気や体質の中
で、最後には、「『おかしい』と感じることすらできない社内独自の集団的規
範が生まれ、社会とはズレた暗黙の文化が形成される」という指摘は鋭い。

 だから、誰もが「当事者意識」を持ち、「会社の品格」に責任を持たねばな
らないのだ。

 リクルート出身の小笹氏の「品格論」につきあえるのは、意識の高いサラリ
ーマン層で、今後、日本で問題となってくるのは、そんな「勝ち組」の「正社
員」ではなく、「負け組」の派遣層だという現実がある。

 小笹氏には、その層に自覚とヤル気を植え付ける方法論を確立のうえ、ぜひ
次作で明かしてもらいたいものである。

◆会員制経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌がお取次ぎします。
お申しでいただければ、無料で見本誌を贈呈いたします。

【あとがき】

 新年第1号のテーマは、本誌のコンセプトにマッチしたコンテンツを用意し
ようと考えたのだが、今回のテーマは、筆者が現役当時から抱えていた問題意
識にひとつのソリューショを示す見識でもあるので転載した。

 ただし、「会社の品格」は、ほとんど「経営者の品格」で決まるというのが
筆者の考えである。

 経営目的と目標を決めることができるのは経営者だからだ。これを達成する
マネジメントが「ICM」である。

 このICMの執行を補佐する「社内広報」という業務が、会社の“空気”を
作ったり、変えたり、するのである。

 しかし、ながらく「社内広報」業務は、軽んじられたり、機能しなくなって
きた経緯があり、それには原因がある。

 その原因を取り除き、あるいは社内広報業務の“重さ”を再認識できれば、
会社の“空気”は変革すると思う。

 このような論旨をまとめた小論文が、明日10日、日本経済新聞のウェブサ
イト・NIKKEI−NETの「知財・総務」
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/
に、連載でアップされることになった。

 出典(もともとの掲載先)は、本誌【お知らせ】欄に掲載の、「ナナ総合コ
ミュニケーション研究所」の「コミサポ・ネット」である。

 ぜひともご高覧をいただき、ご批判をいただきたい。

 なお、ナナ総合コミュニケーション研究所を運営する株式会社ナナ・コーポ
レート・コミュニケーション代表取締役社長・福西七重氏は、小笹氏と同じリ
クルートの出身である。


【お知らせ】

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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail :toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
 URL : http://www.commu-suppo.net
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 週刊メールジャーナル 2008年1月9日 第414号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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