■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/2/13 No.419 週刊メールジャーナル 読者数11170人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●公的資金投入を求める新銀行東京の惨状 (会員制経済情報誌『現代産業情報』2月1日号より転載) 大荒れ必至の2月定例都議会を前に、石原慎太郎都知事周辺が騒がしい。 「今、石原知事が最も頭を痛めているのが、新銀行東京問題です。設立2年 半で資本金をほぼ食い尽くし、2008年3月期決算は債務超過の恐れすらあ ります。石原知事は、都議会で相当に厳しく追及されるでしょう。債務超過を 避けるためには、資本増強は避けて通れませんが、応じる民間企業などないし、 都ももう出せません。結局、公的資金を注入するしかないんです」(都議会関 係者) あきれた話である。03年の都知事選で、「目玉となる公約」を探していた 石原知事に、「金融機関をつくってはどうか」と声をかけたのは、当時の大塚 俊郎出納長だった。 当選確実な石原氏にゴマを擦ると同時に、都に新たな仕事を増やして予算を 分捕り、天下り先を増やす思惑があったという。 つまり、新銀行東京は「ポピュリスト」といわれる石原氏の選挙対策である と同時に、都庁役人の増殖本能によってスタートしたのである。 「貸し渋り対策」や「5%から15%の資金をミドルリスク層に融資」とい った、設立時に公表された狙いは建前で、本音は自分たちのための銀行だった のだから、悲惨な結末は目に見えており、その通りの結果になっている。 累積赤字は936億円で、既に資本金(1187億円)の8割に達しており、 優良な融資先はなく、不良債権比率は健全の範囲とされる5%を大きく超えて 10.17%を記録した。 この惨状に耐えられるトップがいない。トヨタ自動車出身の仁司泰正氏、り そな銀行出身の森田徹氏、東京都前港湾局長の津島隆一氏と、代表執行役は3 年足らずの間に2回も代わった。 石原知事は、新銀行東京が「不調」な理由を、「(代表が)車屋さんだから」 と、いつもの調子で小馬鹿にし、昨年4月に連れてきたのがプロの森田氏だっ たが、「私には無理です」という言葉を残し、わずか半年で森田氏は退任、次 がまた素人の都の役人だというのだから末期症状である。 新銀行東京は、すべてに準備不足だった。金融のプロが都庁には一人もいな いから、05年4月の開業に向けて、スタッフはすべて外部から連れてきた。 その結果、旧日債銀などの破綻金融機関の出身者、中小企業向けに融資ノウ ハウを持つと期待される信金信組OBなどが採用された。 その「寄せ集め軍団」で営業を開始したものの、優良顧客はメガバンクから 信金信組までが押さえているのだから、そこからハミ出た融資先を開拓するし かなく、どうしても怪しくなる。 例えば、信金OBが古巣を訪ねると、紹介されるのは自分のところで二の足 を踏んでいるところばかり。 それでも背に腹はかえられずに融資すると、案の定、焦げ付いたという例は 少なくない。 また、都が出資したという出自は、政治家の「口利き」を蔓延させた。後援 会関係者などからの依頼を受けた都議や代議士が、「なんとかしてやってくれ」 と頼む際、新銀行東京ほど後ろめたさを感じずに電話をかけられるところはな い。 なにしろ、貸し渋り対策を掲げて、都民の税金を投入して設立した銀行であ る。政治家は誰はばかることなく「口利き」を行なうことができた。 加えて、ビジネスモデルが破綻していた。5%〜15%で資金調達する層は、 銀行が相手にせず、かといって商工ローンに自爆的な融資を依頼するほどでも ないという、危機寸前の企業である。 つなぎ資金の供給で生き返る可能性は充分にあり、そういう意味で狙いは悪 くなかったのだが、設立構想時の03年は、メガバンクが最後の不良債権処理 に追われていた頃であり、それをしのぐと、「貸し渋り」が一転、ミドルリス ク層の取り込みに入ったのだった。 ビジネスモデルが壊れたうえに、都知事や都の幹部の思惑でスタートした 「お役所仕事」が、うまくいくはずもない。 それにしても、3年で黒字の公約が、債務超過を目前にして公的資金を要請 するというのだから、とんでもない話である。決して認められない。 行く末を案じて、新銀行東京に出資した企業は少なく、金額も少ないが、放 置していてはなるまい。出資企業として経営責任を糾す義務がある。 1000億円で約85%を出資した東京都以外の企業は以下の通り。 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(2.11%・出資割合以下同)、 日立製作所(2.11%)、あいおい損害保険(1.69%)、信金中央金庫 (0.97%)、オリックス(0.84%)、鹿島(0.84%)、大成建設 (0.84%)、日興コーディアルグループ(0.84%)、三井住友海上火災 保険(0.84%)――。 結局、実質的な被害者は都民と出資企業になるわけで、「ポピュリスト石原」 の責任を、まず徹底追及すべきだろう。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申しであれば見本誌を無料でお送りいたします。 【お知らせ】 本誌編集長・川崎明が執筆し、「ナナ総合コミュニケーション研究所」 http://www.nana-cc.com/commu-suppo/comuncation.html が提供したコラムが、「NIKKEI−NET」(「経営BIZ」)に連 載されています。「BIZ+PLUS」の「知財・総務」欄で、特集企 画として5回、隔週で連載されます。「特集:CSR時代の社内コミュ ニケーション・マネジメント」の標題で、今回の第3回目は、「CSR 経営を実践するために社内広報が果たすべき役割とは」(02/13) です。なにとぞご高覧のうえご高評ください。 なお。第4回は2月27日にアップの予定です。 http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/rensai/kawasaki.cfm ■■ 第7回全国社内誌企画コンペティション 応募受付開始 ■■ 2007年に発行された社内誌、Web社内報、周年誌・記念誌・社外広報誌 PR誌の企画をご応募いただき、優秀な作品を表彰。一つの企画を3人の 専門家が審査し、審査講評を結果とともにお送りします。 社内誌を担当されるみなさまの成果を発表する場として、 また社内誌のレベルアップにご活用ください。 応募要領については、下記でご確認ください ■■ http://www.commu-suppo.net/competition.html 注、4/1、事務所移転しました ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年2月13日 第419号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |