■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/3/5 No.422 週刊メールジャーナル 読者数11182人(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●「八木特捜部」の捜査不発で進む政界の聖域化 (会員制経済情報誌『現代産業情報』3月1日号より転載) 「ひそかに悪いことをしている人たちに、恐れられる特捜部でありたい」 07年1月16日の就任記者会見で、八木宏幸特捜部長はこう述べた。さらに、 国民が特捜部に何を期待しているかと思うかという問いに対しては、「政官財 に潜む不正を見つけ、真相を解明することに尽きる」と、言い切っている。 国民は、ひそかに悪いことをしている人が世の中にはたくさんいることも、そ の「悪い人」の中に、日本の権力機構の「政官財」の大物がいることも知って いる。 権力を握る者が、その力を私物化し、暴走した時の怖さは、歴史の教えるとこ ろである。 略奪、暴行、虐殺は権力の手にかかった時、人間としての尊厳を忘れた「鬼畜 の所業」となり、それを体験しているから、人は権力の分散を望んだ。 「政」も「官」も放置すれば、「選良」であることも忘れて自らを高みにおい て、地位を利用、富を得ようとする。 これは、人間の“性”であり、聖人君子を望むのは無理だから、例外はあるま い。 その権力者の堕落を監視、摘発する役割を担っているのが検察庁という役所で ある。 もちろん、「公訴権を持つ行政官」が検事の主たる役割であり、捜査検事とい う役割を担うのは、全国約1400名の検事の中の一部に過ぎない。 東京、大阪、名古屋の各地検に置かれた特捜部の検事約60名が、「特捜検事」 として数々の事件を調べている。 地検特捜部が、ロッキード事件、リクルート事件と、過去に「政官財」の有力 者たちを震え上がらせる事件を手がけることができたのは、マスコミが権力の 監視役としての特捜検察の役割を認めて“支援”、狙われた有力者たちが発す る「検察ファッショ論」を封じ込めてきたからである。 だが、権力者VS特捜検察の構図は、過去のものとなった。 経済検察に大きく舵を切った松尾邦彦前検事総長の時代から、特捜検事はまと もな政界事件を手がけていない。 中央政界に切り込む時は、立件が容易な政治資金規正法違反が主で、日歯連事 件では、それすら満足に終結させることはできず、村岡兼造元官房長官は、地 裁段階で無罪(高裁では有罪)となる始末だった。 理由は多々考えられる。捜査検事のサラリーマン化、政界からのプレッシャー に弱い赤レンガ派と呼ばれる法務官僚の存在、検察総体の捜査能力の低下……。 ただ、最も大きな理由は、「捜査のプロ」を育てなくなった検察の人事システ ムにある。 特捜部も検察の一組織と考え、特別扱いはせずにローテーション人事を行なう。 その結果、特捜検事経験は3年が平均となり、事件に慣れた頃には異動となる。 八木特捜部長は、東京、大阪で計6回、特捜部に勤務、通算在籍期間13年半 に及ぶ「捜査のプロ」である。 「八木で政界捜査ができなければ、この先はない」と、期待を一身に集めての 登板。それを承知しているから、就任会見で「政官財」に挑戦状を叩きつけた。 しかし、八木部長のもとでも政界捜査は無理なようだ。逮捕スケジュールが組 まれていた松岡利勝元農相は自殺。 「ポスト松岡」として狙われたのは久間章生元防衛相だが、その前段の日米平 和・文化交流協会の秋山直紀専務理事が、太い米国国防族・国防産業へのパイ プを持ち、資金移動その他も米国で行なっているために、結局、手が出せない。 防衛省事件を「国内案件」にすればいいと、佐藤勉・前那覇防衛施設局長と沖 縄の建設業界との癒着、及びその構図に下地幹郎代議士をはめ込む捜査も行な われたが、久間元防衛相との対立構図の中で生まれた守屋武昌前次官(佐藤) ―下地ラインを贈収賄事件に持って行くのは、下地代議士に何の職務権限もな いだけに難しい。 となると直告1班の防衛省事件は、「大物次官逮捕」で満足しなければならな い。 では、直告2班が手がけているキャノン出入り業者の脱税事件はどうか。検察 が東京地検特捜部で国税事件を手がけているのは、出入り業者の大光の先に、 御手洗富士夫会長の“陰”があるためで、御手洗会長に到達しなくとも、キャ ノンの大分進出に便宜を図った広瀬勝貞県知事と大光の関係には、捜査着手が 不可避の怪しげなところがある。 しかし、そうなると昨年の東電事件と同じで、被疑者となるのはオールマイテ ィの権力を持つ県知事。 中央政界の政治家は職務権限の絡みで立件は難しく、キャノン案件でも大光の 大賀則久社長と地元選出A代議士との関係は有名ながら、その関係が洗われる ことはない。 かくして特捜検察は、エースの時代にも中央政界に切り込むことはできず、権 力の監視役は、政界を聖域化して自らの役割を放棄していることになる。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申しであれば見本誌を無料でお送りいたします。 【お知らせ】 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃「社内誌にまつわる著作権と肖像権」セミナー開催決定! ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「著作権のひろば」で有名な日野孝次郎先生の 「社内誌にまつわる著作権と肖像権」セミナー、 「社内誌の母」福西七重の『会社を元気にする社内誌』セミナーのご案内 ■ 日 時 2008 年3 月13 日(木) 16:00〜20:15 ■ 会 場 株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション セミナールーム 新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5 階 ■ 参加費 コミサポ会員 7,000 円/1 名 一般 10,000 円/1 名 ■詳しくは ⇒ http://www.commu-suppo.net/seminar_pdf/20080313seminar.pdf ◆◆◆◆本誌編集長・川崎明が執筆し「ナナ総合コミュニケーション研究所」 http://www.nana-cc.com/commu-suppo/comuncation.html が提供したコラムが、「NIKKEI−NET」(「経営BIZ」)に連載され ています。「BIZ+PLUS」の「知財・総務」欄で、特集企画として5回 の連載(隔週)です。 ◆◆「特集:CSR時代の社内コミュニケーション・マネジメント」の標題で 今回、第4回目のテーマは「内部統制システムを有効に機能させるための社内 コミュニケーション・マネジメント」です。2月27日アップされました。 なにとぞご高覧のうえご高評ください。なお、第5回(最終回)は3月12日 アップの予定です。 http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/rensai/kawasaki.cfm ■■ 第14回社内広報サロンのご案内 2008年4月18日(金)■■ 今回のテーマ 「社内報の読者の巻き込み方を考える」 読まれる社内報にするためには、読者である社員を巻き込むことが 大切です。読まれるだけでなく、取材や原稿執筆も社員の協力がな ければスムーズにいきません。 今回は、「読まれてなんぼの社内報」その読者を「味方」にする 巻き込み方について、皆さんと考えてみたいと思います。 ■詳細とお申し込みは ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20080418salon.pdf ■■ 第7回全国社内誌企画コンペティション 応募受付開始 ■■ 2007年に発行された社内誌、Web社内報、周年誌・記念誌・社外広報誌 PR誌の企画をご応募いただき、優秀な作品を表彰。一つの企画を3人の 専門家が審査し、審査講評を結果とともにお送りします。 社内誌を担当されるみなさまの成果を発表する場として、 また社内誌のレベルアップにご活用ください。 ■応募要領については、下記でご確認ください ⇒http://www.commu-suppo.net/competition.html 注、4/1、事務所移転しました ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年3月5日 第422号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |